Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

おもひでのcemetery

2014-08-19 06:50:37 | コラム
黒澤や小津、オオシマには「年に2度3度と」会いにいっているのに。
今夏は帰省せず、かーちゃんに会いにいかなかった。

墓参りの話ね。

とりあえず自家製の仏壇にスイカを供え「ごめんなさい、ごめんなさい」と手をあわせる。


墓前に立つという行為は故人を偲ぶというより、自己と対峙する側面のほうが(個人的には)強い。
(法事のように)その空間にひとが複数存在する場合は、そういう時間は訪れ難いけれど。

それは映画での描写においても同様で、だから登場人物たちは、応えてくれるはずもない相手に向かってことばを発する。
あれは故人にではなく、内なる自分に話しかけているのだ。


子どものDNA鑑定のために墓を掘り起こされたり、
前妻と後妻のあいだでトラブルが発生して遺体の「上半身は前妻」、「下半身は後妻」が引き取る―なんていう海外ニュースを聞いたことがあったが、
生前がどうあれ、どんな死者に対しても敬意を払いたいものだね。
殺したあとに「誰も彼に触れるな!」と、リーアム・ニーソンの遺体を「大事に扱った」ダニエル・デイ=ルイス様のように。(=2002、『ギャング・オブ・ニューヨーク』)


というわけできょうは、映画のなかで印象的な「墓地」および「墓参り」の10傑を展開してみよう。


かーちゃん、今年中に墓参りするからね。
堪忍してちょうだい。


(1)『七人の侍』(54)

またしても負け戦だったな。

立派ではないが侍らしい墓で、久蔵も菊千代も喜んでいるにちがいない。

(2)『キャリー』(76)

あんな最期を遂げたんだ、安らかに眠れるはずがない。

(3)『第三の男』(49)

ウィーンの国立墓地で始まり、同じ場所で幕を閉じる名作。


※長い、あまりにも長いワンショット…これは脚本の段階で「こう撮ろう!」と決めていたはずで、これさえキチンと撮ることが出来れば、この映画は成功する、、、なんていう風にキャロル・リードは確信していたんじゃないかな。




(4)『ザ・ロック』(96)

反逆罪を決意したハメルが、その決行前夜に亡き妻の墓を訪れる。

「許してくれ。でも、君が亡くなったいまだから…」

(5)『ゆきゆきて、神軍』(87)

炊き立てのお米と、大きな梅干を供えて―。

やかましい映画だが、奥崎が戦友の墓参りをするシーンだけは静謐に包まれている。

(6)『ルビー・スパークス』(2012)

墓地で映画が上映されるエピソードが登場。
流れたのが『ブレインデッド』(93)というのがまた、パンチが効いている笑

(7)『ペット・セメタリー』(89)

ホラーと墓は(当然)相性が抜群だが、これは技あり! だろう。

「生き返り」伝説のある墓を舞台にした、スティーブン・キング原作の快作。

(8)『インファナル・アフェア』(2002)

トニー・レオンの死の真相は、仰々しい葬式によって封印される。

ほんとうのことを知っているのは、ケリー・チャンと、そして「あの男のみ」なのだ。

(9)『幕末太陽傳』(57)

地獄も極楽もあるもんけぇ。俺はまだまだ生きるんでぇ!!

(10)『ツインピークス』(90~91)

「あなたは死んだのに、まだあたしたちを悩ませている! まるであなたが生きているみたいよ!!」

映画ではないが、とても印象的なので。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『パンツはパンツだ!!』

コメント (2)
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