Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

午前3時の疾走

2013-11-15 00:30:00 | コラム
AVの撮影現場を取材するために、深夜の16号を延々と自転車で疾走する数日間を過ごした。

自宅の町田から、横浜のみなとみらいまで。
約27km、時間にすると行きは110分、帰りは90分。

行きと帰りで20分の差があるのは、帰りが深夜の3時だから。
自動車が少ないので、車道を飛ばすことが出来るのだ。

季節が季節だから、身軽な格好であれば汗も少なめだろう。しかし背負うリュックのなかには着替えやら水筒やらノートパソコンやらが入っていて、それなりに重たい。
だから「熱が逃げない」背中は汗びっしょりで、途中まで羽織っていた厚めのジャンパーを脱いで「見た目は春」の格好で疾走を続ける。

日中はとくにバスと並走を始めると(速度的に同じくらいなので)延々と停留所を気にしなければならないが、深夜、自分を止めるのは信号くらいなものである。
そこそこいいチャリなのでライトをつけて信号無視さえしなければパトカーに止められることもない、
というかこれで止められたら自分、どれだけ怪しい顔なのかって話である。

16号は基本が平坦で坂道は少ない。
漕げば漕ぐほど加速していき、自分のコンディションがよければ、ほんとうに風になったような感覚を抱く。

この時間帯、車道の主役は配送トラック、タクシー、そして新聞配達のカブ。
歩道は誰も居ないことのほうが多いが、居たとして、ジョギングマン&ウーマンか、呑んだ帰りの酔っぱらいくらい。

自分はいわゆる、夜型人間だ。
日が変わったあたりで最も元気になり、闇夜を照らしてくれる月に「おはよう」といい、姿を現した太陽には「おやすみ」という。

ときどき事情があって、ふつうのひとと同じリズム―つまり朝起きて夜に寝る―で過ごしてみるが、脳の回転が遅い気がするし、身体の動きも鈍いようだ。

寿命が短いとか体内時計がおかしくなるとか、いろいろいわれるけれど関係ない、自分にはそれが適しているのだからしょうがない。

しんと静まり返った自宅で、キーボードを叩く時間が好き。
室内だけの話ではない、真夜中の、早朝の街が好き。

日本の全人口の、どれだけのひとがこの時間に働いているんだろう。
7割前後が寝ているはずで、少ないほうに属するという理由だけでドライバーやランナーに好感を抱く。
向こうがどう思っているかは、知らんけれどね。


ただ、コンビニ以外でも24時間営業の店が増えたために、いまはどこでも「それなりに」明るい。

それによって治安がよくはなったのかもしれないけれど、個人的にはちょっと明る過ぎる気がする。

もう少し暗い車道を走りたい。
じゃあ山道走れば・・・っていう話だが、そうじゃなくてさ、
ちょっとした孤独感と、同時間帯に動いているものを発見したときの仲間意識、そういうものを抱くには東京は明る過ぎるなぁ、、、って。

それでも都下の、たとえば八王子のはずれなんかを走るとき、部分的にではあるが、ほんとうの闇夜に包まれることがある。

そのときに抱く恐怖心―これ、すごくゾクゾクする。

ずっと続いたら続いたでイヤなんだけれどもね、ときどき、ときどきでいいからそういう体験をしたくてね、敢えて明かりのない方向を目指して疾走することがある。

これ、「チャリダーあるある」になるかなぁ?

そんなヤツ少ないかな、さすがに。


※というわけなんで、視点はドライバーだが『ロストハイウェイ』のオープニング映像を




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明日のコラムは・・・

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コメント (1)
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