Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

好きも嫌いも

2013-11-03 00:30:00 | コラム
~13年総括シリーズ Vol.4~

総括の第4弾は、書物。
いや訂正、文字のない写真集も含めるので、出版物すべてが対象。
でもまぁ、自分の専門である成人誌は除こうか。
そのくらいのバランス感覚は、持っていますよと。


最近も「若者の読書離れ」がニュースになっていたっけ。
その最大の理由とされているのが、スマホ。

・・・う~ん、まぁそういうことだろうなぁ。

両方手にしてくれたらいいのだけれども、時間は無限ではないし。

液晶画面でも本と同じようにモノを読むことが出来る―とはいえ、それぞれの本質はちがって、、、なんていうとあれかな、うるせぇジジイ! といわれるかな。


はっきりしていることは、本を読むひとは「時代とは無関係に」沢山読んでいる、読んでいないひとは「どんな話題作が生まれようが」徹底して読んでいない・・・つまり「その真ん中」が減少傾向にある、、、そういうわけ。

出版物だけの問題ではないけれどね、これは。
映画観ないひとは徹底して観ないし、
音楽聴かないひとは徹底して聴かないし。


きっかけ。

すべてはきっかけ、なのだと思う。

きっかけ―どこかで、それが生まれればなぁ。


※12年11月~13年10月に、自分が手にした出版物から選出した


(1)『AV女優の社会学』(鈴木涼美、青土社)

AV「超」先進国の日本を、女優の喋りから捉えてみせようとした野心的な社会論。

面白かった。
じつに、面白かった。

(2)『想像ラジオ』(いとうせいこう、河出書房新社)

いとうせいこう、久し振りの小説。
芥川賞は落としたが、3.11と対峙した小説のなかで、個人的には最も胸を打った。

(3)『ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論』(小林よしのり、幻冬舎)

アイドル論として出色。
昔のように熱中して読むことはない漫画家だが、力は衰えていないなぁと思った。

マニアもアンチも、つまり好きも嫌いも、読む価値はあるんじゃないか。
このひとの漫画は『原発論』もそうだったが、意見を異にするもの「双方が読むべき」良質なテキストとして完成されている。

(4)『64』(横山秀夫、文藝春秋)

647ページの長編警察小説。
一気読みはしんどかったが、読後の感想は、ただただ面白かった!

ハリウッドなら即映画化だが、わが国はどうかな。

(5)『自分を好きになる方法』(本谷有希子、講談社)

俊英・本谷の会心作。
ハウツー本のようなタイトルで損をしている気がするが、これは小説。

おんなの一生を、3歳/16歳/28歳/34歳/47歳/63歳、それぞれの1日で描く。

(6)『式の前日』(穂積、小学館)

新人漫画家による短編集。
書店員のポップやツイッターで評判となり、スマッシュヒットを記録した。

いろいろ足りない部分もある気がするが、タイトル作は絶品。

(7)『夜蜘蛛』(田中慎弥、文藝春秋)

現役の作家で、いま、いちばん好き・・・というか、いちばん期待しているひとなのだと、最近気づいた。

父と息子の物語を圧倒的な筆致で表現、一気に読ませる。

あぁ文学、文学がここにある! と感動した。

(8)『キミ色ツインテール』(古谷完、宝島社)

有名人×ツインテールの写真集。

眺めてニヤニヤするだけ・・・それをひたすら繰り返す39歳男子って、どうですか。

(9)『現代用語のクソ知識』(有吉弘行、双葉社)

いっぱいテレビに出てはいるが、それでもテレビでは喋れないことば・話せない内容のことを有吉流に語り倒す。

たいへん読み易く、たいへん面白かった。

(10)『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(門田隆将、PHP研究所)

こういう作品を、読書感想文の課題図書にすべきなんじゃないか―そう思うのだが、どうだろうか。


(次点)『映画にまつわるXについて』(西川美和、 実業之日本社)
(次点)『愛の夢とか』(川上未映子、講談社)
(次点)『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹、文藝春秋)


※これ、おもしろい




…………………………………………

本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『生ゴミと入浴剤』

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする