人生日訓(35)
「思い楽しくそんも果報を受く」
全文は、「行ひを作(な)しおけりて、心に悔なく、顔に喜び有。思い楽しく、その果報
をうく。まことかかる行いは善く作されたるなり」というのである、「何が善行である
か」という大きな問題をさらさらと、実験心理風に答えている。現代の私共にも、この
釈迦の体験がそのままわかるような気がする。ある行為をする。そのあとの味がど
んなものかというのである。心に何一つ後悔はない。良心の呵責はどこにもない。そ
の顔はピカピ光って嬉しそうであっる。これが善行をやった者の表情である。いかに
もそのとおりである。
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秋の七草「薄(すすき)」
秋の月見のおそなえとして 欠かせないもの。 【中秋の名月】(十五夜)には 収穫物と一緒に供えられるが 収穫物を悪霊から守り、 翌年の豊作を祈願する意味がある。 (【中秋の名月】は下記参照) ・屋根材のほかにも、 炭俵用、家畜の飼料用 などとしてもよく利用される。 ・ススキの「スス」は、 葉がまっすぐに すくすく立つことを表わし、 「キ」は芽が萌え出でる意味の 「萌(キ)」だと言われている。 (諸説あり)。 ・箱根の仙石原や、 奈良の若草山で行われる 「山焼き」は、 ススキを野焼きすること。 春先に行う。 この野焼きをしないと、 ススキの草原には 次第に樹木が侵入し、 ススキの原として 維持することができなくなるので、 一年に一度全部焼き払って ススキ草原を残すようにしている。 ・「常磐(ときわ)すすき」 という種類は 「すすき」に比べて 開花が早いため、 真夏の頃から穂を楽しめる。 ・「すすき」は「芒」とも書く。 ・別名 「尾花(おばな)」 花穂が獣の尾に 似ていることから。 「茅(かや)」 民家の茅葺き屋根 (かやぶきやね)は、 この薄などの茎や葉を用いて 葺(ふ)いた屋根。 ・「茅の輪くぐり」は 茅萱(ちがや)参照。 ・9月7日の誕生花(薄) ・花言葉は「心が通じる」(薄) ↑ 上へ ■【中秋の名月】(十五夜) (ちゅうしゅうのめいげつ) (仲秋の名月、中秋の満月、とも) 旧暦の8月15日の満月のこと。 旧暦(1872(明治5)年まで 使用された暦)での「秋」は、 7月=初秋、 8月=中秋、 9月=晩秋 を指した。→ 8月=中秋 また、毎月一律、 1日=新月、 15日=満月 と呼んだ。 → 15日=満月 よって、 8月15日の月のことを 【中秋の満月、中秋の名月】 と呼んだ。 1872年以降の新暦は、 旧暦より約1ヶ月以上後ろに ずれることになったので (旧暦の8月 = 新暦の9月)、
【中秋の名月】(十五夜)は 新暦では 「9月10日頃 ~ 10月10日頃 の間の満月」を指す。 (日にちは年によって 少しずつずれる) また、 旧暦の9月13日の月を 「十三夜」と呼ぶ。 (満月の2日前の月) 「中秋の名月」のことを 「最中の月」と呼ぶこともあり、 そこから、 平らな丸いあんこ菓子を 「最中(もなか)」と 呼ぶようになった。 ↑ 上へ ・「秋の野の 美草(みくさ)刈りふき 宿れりし 宇治の京(みやこ)の 仮いおし思ほゆ」 (美草=薄) 万葉集 額田王 「人皆は 萩を秋といふ よし我は 尾花が末(うれ)を 秋とは言はむ」 万葉集 作者不詳 「虫の音も ほのかになりぬ 花すすき 穂にいずる宿の 秋の夕暮れ」 金槐和歌集 源実朝 「狐火の 燃(もえ)つくばかり 枯尾花(かれおばな)」 与謝蕪村 「山は暮れて 野は黄昏(たそがれ)の 芒(すすき)かな」 与謝蕪村 ・秋の七草のひとつ。 ・東京周辺の見どころ <箱根の仙石原> 仙石高原に広がる、 広大なすすきヶ原。 すすきの見頃は10月中旬頃。 バス停「仙石高原」。
(季節の花300より)