光回線を解約してアナログ電話に戻す「アナログ戻し」をめぐる苦情相談が全国で相次ぎ、総務省が注意を呼びかけている。NTTを装った電話で「料金が安くなる」などと勧誘し、事後に数万円の手数料を請求する手口が目立つ。「アナログ電話に戻す手続きは直接、NTTに申し込んで」と呼びかけている。

 1日、同省がホームページ上に注意喚起の文書を載せた。代表的な事例では、NTTを思わせる名前の業者から「インターネットを使わないならアナログ電話に戻しませんか」と電話で勧誘があり、契約を結ぶと高額の手数料を請求される。解約を申し出ても違約金を請求されるという。総務省によると、4万円を超える初期費用に月2千円のサポート料を請求された事例もあり、直近1年だけで少なくとも約1700件の相談が全国の消費相談窓口に寄せられているという。

 NTT東日本と西日本、国民生活センターも同様の注意を呼びかけており、NTT東は「NTTから『アナログ戻し』を呼びかける営業電話はしていない」としている。総務省はアナログ戻しを希望する消費者は「第三者に頼まなくても、自分で簡単に手続きができる」(消費者行政第一課)とし、費用や条件は局番なしの「116」でNTTに問い合わせるよう呼びかけている。(山本知弘)