水素ステーション約20カ所、補助金要件に違反 検査院
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASNB766NVNB6UTIL01R
燃料電池車のガソリンスタンドにあたる「水素ステーション」について、会計検査院が、国の補助金で設置された約20カ所を調べたところ、「再生可能エネルギーだけで電力をまかなう」という補助要件が守られていなかったことが関係者への取材でわかった。ほぼ全てで一般の商用電力が使われていたという。検査院は約20億円の補助金の使い方が不適切だと環境省に指摘。同省は今年度、事業の募集を見合わせた。
水素ステーションは、水に電気を通して作りだした水素を燃料電池車などに補給する装置だ。環境省は「低炭素社会の実現につながる」として、二酸化炭素を排出しない再エネ電力だけで水素を作る「再エネ水素ステーション」への補助事業を2015年度に開始。18年度までに計27の自治体や企業に交付した。補助率は4分の3。設置費用は1億3千万円程度のため、1カ所あたりの補助金は約1億円だという。
関係者によると、検査院は1年以上の稼働実績がある約20カ所のステーションについて、水素を作るために使われた電力を調査。太陽光などの再エネ電力だけではなく、ほぼ全てのステーションで、家庭などでも使われる一般電力が含まれていた。再エネ発電の割合は様々だが、全体の3割程度や、ほとんどゼロのケースもあったという。
国内の発電は、二酸化炭素を排出する石炭や天然ガスによるものが7割を占める。こうした点も踏まえ、検査院は稼働実態が補助の要件を満たしていないと判断した。
東京五輪・パラ関連施策「水素ステーション」補助事業廃止へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201008/k10012653051000.html
東京オリンピック・パラリンピックの関連施策として、環境省は、太陽光などの再生可能エネルギーで作った水素を燃料電池車に供給する「水素ステーション」の設置費用を補助する事業を進めてきましたが、補助を受けた8割以上の施設で、実際は再生可能エネルギー以外の電力が使われていたことが会計検査院の調査でわかりました。環境省は事業の継続は困難と判断し、廃止を決めたということです。
東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会は、温暖化の原因となる二酸化炭素を出さない「水素社会」の構築をオリンピックの遺産=レガシーとして掲げています。
この関連施策として、環境省は、燃料電池で走る車に水素を供給する「水素ステーション」を設置した自治体や民間団体に費用の一部を補助する事業を進め、その要件として、水素を製造する際の電力は、すべて太陽光や風力といった再生可能エネルギーで賄うよう求めていました。
しかし、会計検査院が調べたところ、少なくとも平成29年度までに設置・運営が始まったおよそ20か所のうち8割以上で、実際は再生可能エネルギー以外の電力も使われていたことがわかりました。
指摘を受けた環境省は事業の継続は困難と判断し、廃止を決めたということです。
取材に対し環境省は「再生可能エネルギーを用いた水素ステーションは先端技術が必要な施設で、地域によってまかなえる電力に差があるなど当初予期していなかった事態が生じた」としたうえで、「もっと丁寧に制度設計すべきだったと反省している。
これまでに集めたデータや知見は今後の水素関連の事業に生かしたい」と話しています。
神奈川県 水素製造の電力 すべて再生可能エネルギーは困難
神奈川県は、今回、会計検査院の指摘の対象となった環境省の補助金を受けていました。
おととし3月に横浜市内に「水素ステーション」を設置。
太陽光パネルで発電した電力を使って水素を作っていましたが、天候が悪い日や夜間は発電量が不足することがあったということです。
また、常に一定の電力を水素ステーションに供給し続けていないと不具合が起こるおそれもあったことから、太陽光発電以外の電力で必要な分をまかなってきたということです。
水素の製造に必要な電力すべてを再生可能エネルギーに頼るのは難しかったと言います。
神奈川県産業部エネルギー課の武川晴俊課長は「大容量の蓄電池が必要になるなどコストがかかるほか、技術的にも、昼夜を問わず安定した電力を供給するエネルギーのマネジメントが必要になる。
太陽光発電の電力だけでまかなえというのは、なかなか現実的ではなかった」と話しています。
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金の切れ目が縁の切れ目?
梯子をはずされちゃった?