ワクチン接種完了者も感染懸念拭えず、研究者も未解明の問題山積(Bloomberg) - goo ニュース
2021/08/23 15:47(ブルームバーグ): 複数のエピソードがデータに示されないことを物語っている。それは新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた人でも驚くほど高い割合で感染しているようだということだ。正確な頻度は不明で、他者に感染させる可能性の高さも不確かだ。
ワクチン接種が依然としてウイルスに対する強力な防御力になることは明らかだが、接種を受けた人の重症化リスクは以前に考えられていたより高い恐れがあるとの懸念が強まっている。
こうした懸念への具体的な答えとなる科学的研究は不足しており、公共政策立案者や企業幹部は断片的な情報に基にした計画の策定を余儀なくされている。マスク着用を再び義務化したり、オフィス再開を延期したりする向きもあれば、 現状維持を正当化するだけの明確さが欠如していると指摘する向きもあり、混迷のように受け止められるだろう。
米疾病対策センター(CDC)元所長のトム・フリーデン氏は「われわれは知っていることと知らないことについて謙虚にならなければならない。明確に言えることは幾つかある。その1つは、これが対処の難しい問題であることだ」と語った。
ブースター接種の必要性巡る会議、米CDCが延期−議論高まる中で
公衆衛生上の明確なメッセージがない中、ワクチン接種を受けた人々は自分の身を守る方法について混乱したままの状況に置かれている。彼らがどれほど脆弱(ぜいじゃく)であるかは、公衆衛生当局者にとってブースター(追加免疫)接種が必要になる時期の見極めだけでなく、 感染の新たな波を受けて再開延期の是非に関する決定の通知にも重要な変数だ。また、比較的小さなスケールでは、音楽愛好家らはコンサートを聴きに行っても大丈夫かどうか確信を持てない状況にあり、新学期がどうなるかと思案する親たちの間で出口の見えない新たな心配をもたらしている。
そうした懸念の答えにはならないが、多くの事例研究からはブレークスルー感染(ワクチン接種後の感染)に関する多様な構図が浮かび上がっている。調査時期やデルタ変異株の有無、ワクチン接種率、当時の気象条件なども含めた変数は、結果比較やパターンの把握を難しくしており、どのデータが最終的に重要性が大きいのかを知ることは困難だ。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の感染症専門家モニカ・ガンジー氏は、「ブレークスルー感染がここにきて増えていることはかなり明らかだ。だが、われわれはに良い臨床データがない」と話す。
ワクチン接種済みの人の感染流行でよく知られている事例の1つは、マサチューセッツ州の海辺の小さな町プロビンスタウンでの集団感染だ。7月4日の独立記念日を祝ってダンスフロアやハウスパーティーにワクチン接種者や未接種者数千人が集まり、計469人の感染が報告された。そのうち約4分の3はワクチン接種済みだった。
CDCの事例研究の執筆者によると、これは接種を受けた人が未接種者と同様に他人を感染させる可能性が高いことを意味しているかもしれないという。ただ、ワクチン接種者の増加に伴い感染者数に占める割合が増えるのは当然であり、このケースだけで結論を出すには不十分だとも警告。このケースを受け、CDCは数週間前に出したばかりの勧告を一転取り下げ、ワクチン接種者に再び特定の状況下でのマスク着用を強く求めた。
ニューヨーク州の感染事例に関するはるかに大規模なCDCの事例研究では、ブレークスルー感染件数が5月以降着実に増加し、7月半ばまでに約4%を占めたという。研究者らは、公衆衛生上の制限の緩和や感染力の強いデルタ株の台頭などの要因がこの結果に影響した可能性もあると警告した。
コロラド州でのCDCの事例研究では、メサ郡でのブレークスルー感染率は7%と、州の他地域の約5%を著しく上回っていた。リポートはデルタ株がより広範囲に流行していたためだろうと示唆しながらも、同郡の患者の年齢やワクチン接種率の低さも関係した可能性があると注記した。
イスラエルからの調査は、接種後数カ月で重症化に対する防御力が弱まるという見方を裏付けているようだ。最近では、ブレークスルー感染が最終的に入院件数の増加につながる可能性も浮上している。ただ、この情報は暫定的で、深刻なブレークスルー感染はまだまれだが、今後数カ月にブースター接種を必要とする人々もいるという説を支持するものでもある。
米国の一部の州の事例研究とデータは同様に、時間の経過とともにブレークスルー感染が増加していることを示している。しかし、デルタ株も増加しているため、あらゆるタイプのウイルスに対するの免疫力低下が原因なのか、それともワクチン接種がデルタ株に対し特に効果がないのかを判断するのは困難で、両方の可能性も当然ある。また、社会的な集まりや旅行、屋内での飲食を再開するといったワクチン接種済みの人々の行動の変化が要因である可能性もある。
ブレークスルー感染の増加原因はデルタ株なのか、免疫力の低下か、日常生活の再開なのか。ワクチン接種者はこれまで考えられていたよりも重症化しやすいのか。ブレークスルー感染はどの程度一般的に起こるのか。当面は、答えよりも疑問の方が多いだろう。
国内で1万6840人感染 32人死亡、新型コロナ(共同通信) - goo ニュース
2021/08/23 20:36 国内で23日、新たに1万6840人の新型コロナウイルス感染者が報告された。最も多いのは神奈川の2579人で、東京の2447人を上回った。ほかに大阪1558人、千葉1504人など。死者は大阪8人、東京5人など計32人だった。
厚生労働省によると、重症者は前日から7人増えて1898人で、11日連続で最多となった。
兵庫で4人、京都で3人、宮城、群馬、福岡でそれぞれ1人、過去の感染者の取り下げがあった。