報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「事務所へ戻る」

2019-07-26 14:46:50 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月13日12:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 やっと仕事から帰って来れた。
 やはり無事に仕事が終わった時の安心感は半端ない。
 途中のサービスエリアやパーキングエリアで休憩を取りながら戻ってきたものの、やはり徹夜の眠気には勝てず、高橋はダウン。
 しょうがないので、埼玉県内からは私が運転した。
 リサもリアシートで完全に爆睡モードである。
 リサは着替える前はデニムのショートパンツだったが、着替えは同じ素材のスカートだった。
 上半身だけシートに横になって、足を広げて寝るものだから白いショーツが見えてしまっている。
 恥じらいが無いのはBOWだからか、或いはそれだけ私達を信頼しきっているからなのか……。

 愛原:「おーい、着いたぞー」
 高橋:「あ、はい……」
 リサ:「
 愛原:「リサー、起きろー。着いたぞー」
 リサ:「うぅーん……!」
 愛原:「リサ、パンモロしてる。気をつけろ」
 リサ:「ふぁい……」

 リサはパッと足を閉じた。

 高橋:「それじゃメチャクチャにヤられて処女喪失しても文句は言えねーぜ?」
 リサ:「ヤッたヤツがゾンビ化するだけだもん……」

 エイズより怖い性感染症だぁ……。

 リサ:「あ、愛原さんの時は感染しないようにするからね」
 高橋:「テメ、くぉらっ!」
 愛原:「そりゃどうも……。早いとこ荷物降ろしてくれ。あとこの車、返しに行かなくちゃあ」
 高橋:「あ、俺が返しに行って来ます」
 愛原:「大丈夫か?」
 高橋:「はい。少し寝させてもらったんで、もう大丈夫です」
 愛原:「そうか」

 と、言ってるくせに……。

 愛原:「おい、高橋!起きろ!」

 事務所のエレベーターで上がっている最中に、立ち寝しかかる高橋であった。

〔ピンポーン♪ 5階です。ドアが開きます〕

 エレベーターのドアが開いて、斜め前の事務所のガラスドアを見ると、電気が点いていた。
 どうやら高野君が出勤しているらしい。

 愛原:「おーい、開けてくでー」
 高野:「はいはい」

 両手に荷物を持った私達に代わり、中にいた高野君がドアを開けてくれた。

 高野:「先生、お帰りなさい。お疲れ様でした」
 愛原:「ああ、ただいま。取りあえず、ミッション終了だ。報酬はちゃんと契約通りにもらえるぞ」
 高野:「さすが先生です」
 愛原:「ただ、徹夜したもんだから、皆眠くてしょうがない。高野君、俺達が出ている間に何かあったか?」
 高野:「いいえ。異常どころか、依頼もありません」
 愛原:「そうか。いや、だったら1つ頼みがある」
 高野:「何でしょう?」
 高橋:「先生!先生の命令は全部俺が引き受けます!」
 愛原:「エレベーターん中で立ちながら寝落ちし掛かったヤツが何を言う。……いや、外に止めたバネット、レンタカー屋に返して来て欲しいんだ」
 高野:「それならお安い御用です。ちょっと行って来ます。ついでにお昼も買って来ますか?」
 愛原:「ああ……そうだな。駅前のマックでいいだろう。俺はダブルチーズバーガーのセットでサイドメニューはポテト、ドリンクはコーラでいいや」
 高橋:「俺は先生の食べ残しで!」
 愛原:「言っておくが、俺は基本的に出された物は完食する主義だからな?」
 高野:「マサは先生と同じものが食べたいのね。リサちゃんは?」
 リサ:「ビッグマックセット!ポテトとコーラ!」
 高橋:「また先生より高いもの頼みやがって……!」
 愛原:「だからいいって」

 私は財布の中から2000円札を出して高野君に渡した。

 高野:「あら、珍しい」
 愛原:「珍し過ぎて、偽札扱いされて通報されたって話がネットで実しやかに語られていたぞ」
 高野:「何気に私に危ない橋を渡らせますのね?」
 愛原:「偽札扱いされたら、俺に電話くれ。高橋、送り込むから」
 高橋:「先生の2000円札を偽札扱いしやがるクソフザけた店には、マグナム撃ち込んでやりますぜ!」
 高野:「今度は大人用の刑務所にブチ込まれるからやめときなさい」

[同日13:00.天候:晴 同事務所]

 午後から本格的に業務を開始したわけだが、やはり士気が上がらない。
 何しろ私自身もまた眠気との格闘だったからだ。
 高橋は自分の机に突っ伏して寝落ちしてしまった。
 最初は就業時間だからと注意していた私だったが、さすがにもうそれはやめた。

 高野:「先生、あとは私がここにいますから、どうぞお帰りになって休んでください」
 愛原:「いや、そういうわけには……。こういう時に限って、ボスから電話があったりするものだ」

 それにこの時間に寝てしまったら、今度は夜寝られなくなる。
 それではいけない。
 因みにリサは食後、応接室に行って横になって寝ていた。
 今日は来客の予定が無いからいいようなものの、うちみたいな小さな事務所は飛び込みの仕事を受けることが多い。
 それをまとめてうちに紹介してくれるのがボスなのだが、クライアント自身が飛び込んで来ることも稀にある。
 その時はリサを起こして退出させないといけない。

 愛原:「おっ!?」

 その時、事務所の電話が鳴った。

 愛原:「ほらな?言った通りだろ!?ボスからの電話だ!」
 高野:「はあ……」

 高野君が電話に出た。

 高野:「お電話ありがとうございます。愛原学探偵事務所でございます。……あ、善場主任」
 愛原:「ん?」

 善場氏から?

 高野:「いつもお世話になっております。……あ、はい。愛原はもう帰所しております。……はい。少々お待ちください」
 愛原:「善場さんからだって?」
 高野:「そうです」

 私は自分の机の電話機の受話器を取った。

 愛原:「はい、お電話代わりました。愛原です」
 善場:「愛原所長、お疲れ様です。逆女(さかさおんな)峠・妖伏寺(ようぶくじ)トンネル工事現場での御活躍、お聞きしました」
 愛原:「ありがとうございます。いや、何かまたバイオハザード絡みでしたねぇ」
 善場:「BSAAからも報告は受けました。是非とも愛原さんからも直接お話を伺いたいので、お時間頂けないでしょうか?」
 愛原:「いつでもいいですよ。何でしたら今日にでも……」
 善場:「いえ、明後日の月曜日でお願いします」

 いくらエージェントとはいえ、そこはお役所。
 やはり日曜日は休みのようだ。

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