[9月16日09時49分 天候:晴 宮城県仙台市若林区白萩町 仙台市地下鉄薬師堂駅→東西線60列車・先頭車内]

出発の時間になって、私達は最寄りの地下鉄駅に向かった。
レイチェルとは、仙台駅で合流する予定である。
愛原父「まさか、急に遠出することになるとは……。ある意味、探偵としての気概が備わったって所か?」
愛原学「そう思ってくれると、嬉しいね。ま、今日と明日は温泉に浸かって、ゆっくりしてよ」
リサ「プールにも入りますか?」
父「いや、この歳でプールは無理だよ~」
〔2番線に、八木山動物公園行き電車が、到着します〕
接近放送がホームに鳴り響き、それから4両編成の電車がやってきた。
各車両とも、程々に座席が埋まっている。
ドアが開くと、両親には優先席に座ってもらい、私とリサはその横に立った。
〔2番線から、八木山動物公園行き電車が、発車します〕
短い発車メロディがホームに流れる。
一応はメロディになっている都営地下鉄と違い、仙台市地下鉄のはサイン音と言った方がいいかもしれない。
〔ドアが閉まります。ご注意ください〕
ドアチャイムと共に、電車のドアとホームドアも閉まる。
それから電車が動き出した。
〔次は、連坊、連坊。仙台一高前です〕
父「あー……学」
学「何だい?」
父「連れて行ってもらう身分でこんな事言うのも何だが、あんまり歩くような乗り換えはカンベンしてくれよ?私らも歳なんだから」
学「分かってるよ」
母は60代前半、父親も70過ぎだ。
あんまり無理をさせられる歳ではないことくらい分かっている。
例外なのは、公一伯父さんな。
80近いはずなのに、ヘリコプターに飛び乗ったり、飛び降りたりできやがる。
学「公一伯父さんなら、反対側のホーム乗り換え1分全力ダッシュも可能だろう」
父「こらこら、何ちゅう事を……w」
母「お父さん、笑いが堪え切れてないよw」
愛原公一「ワシなら、そんなことはせんで、電車そのものを止めるかもしれんのう……」
学「わっ、公一伯父さん!?」
父「兄さん、いつの間に!?」
公一「ワシは始発駅から乗る主義ぢゃ。おかげで、座れとる」
学「いや、今立ってんじゃん!?」
公一「それより、これから鳴子か?硫黄にやられぬよう、注意せい」
学「実際は鬼首だけどね」
公一「そこの鬼の首でも取るつもりか?」
学「伯父さん、そのギャグは……」
リサ「ダーリンになら、首を刎ねられてもいいっちゃ!」
リサは冗談っぽく笑って、私と腕を組んだ。
学「それより、デイライトが伯父さんを探してるよ?デイライト……つまり、公安調査庁だ」
公一「構わんよ。お前達が通報しなくても、身内は犯人隠匿の罪には問われんから安心せい」
なので警察も、そしてデイライトも、協力を求めるに留まっている。
学「うーむ……」
公一「それより学、お前、最近変わったことはないか?」
学「……!」
え、何で知ってるんだ?
公一「まあ、詳しい話は後だ。親孝行と嫁孝行、それと接待を頑張れ」
学「えっ、レイチェルは接待の対象なの???」
公一「ん?接待しに行くんじゃないのか?」
学「いや、監視されてるんだよ!」
公一「じゃから、そこを接待して篭絡させるのが探偵ってもんじゃろ」
学「いや、違うし!」
父「兄さん……」
母「相変わらずですねぇ……」
[同日09時55分 天候:晴 仙台市青葉区中央 仙台市地下鉄仙台駅→JR仙台駅]

〔仙台、仙台。出入口付近の方は、開くドアにご注意ください〕
電車は仙台駅に到着する。
〔せんだい、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線は、お乗り換えです〕
公一「それじゃ、またな。また会おう」
学「う、うん……」
公一伯父さんは手をヒラヒラさせて、私達とは反対方向のエスカレーターへと向かって行った。
父「兄さん、今度は何を企んでるんだ?」
母「今度こそ、警察に追われてないといいけどね……。学、大丈夫なの?」
学「伯父さんも強かでねぇ……。まだ、公安調査庁にしか追われてないよ」
戦時中までの特高警察の流れを汲むのが公安調査庁であるが、前者と違い、後者は逮捕権は無い。
その為、伯父さんも飄々としていられるのだろう。
まあ、後で善場係長に通報くらいはしておこう。
それだけで報奨金が入るという体たらくだし。
私達は別のエスカレーターで、改札口へと向かった。
因みに私が連れて行く側なので、両親にはキップを渡してある。
尚、リサはPasmoで乗ってもらっている。
また足りなくなったら、チャージくらいはしてやろう。
父「学、何度も言うが、乗り換えのルートは大丈夫なんだろうな?」
学「大丈夫。ちゃんと余裕のある時間で計画しているし、ルートもなるべく階段を使わないルートを選定してある。地下鉄はこのように、エスカレーターもエレベーターもあるから大丈夫でしょ」
父「それならいいが……」
学「鳴子温泉に到着する列車が、2番線・3番線に止まるようだったら階段だけどねw」
父「おいw」
学「ま、大丈夫大丈夫」
父「本当に大丈夫なのかぁ……?」
母「さすがに乗り換え時間に余裕を持って……というのは大丈夫でしょうけどねぇ……」
リサ「何でしたら、わたしが抱えて行きますよ」
父「おお、それは頼もしい!」
母「お父さん!」
改札口を通過してJR仙台駅への通路を進む。
レイチェルはそちらで待っているはずだ。
リサがスマホでやり取りをしてくれているが、何とか待ち合わせ場所は分かったもよう。

出発の時間になって、私達は最寄りの地下鉄駅に向かった。
レイチェルとは、仙台駅で合流する予定である。
愛原父「まさか、急に遠出することになるとは……。ある意味、探偵としての気概が備わったって所か?」
愛原学「そう思ってくれると、嬉しいね。ま、今日と明日は温泉に浸かって、ゆっくりしてよ」
リサ「プールにも入りますか?」
父「いや、この歳でプールは無理だよ~」
〔2番線に、八木山動物公園行き電車が、到着します〕
接近放送がホームに鳴り響き、それから4両編成の電車がやってきた。
各車両とも、程々に座席が埋まっている。
ドアが開くと、両親には優先席に座ってもらい、私とリサはその横に立った。
〔2番線から、八木山動物公園行き電車が、発車します〕
短い発車メロディがホームに流れる。
一応はメロディになっている都営地下鉄と違い、仙台市地下鉄のはサイン音と言った方がいいかもしれない。
〔ドアが閉まります。ご注意ください〕
ドアチャイムと共に、電車のドアとホームドアも閉まる。
それから電車が動き出した。
〔次は、連坊、連坊。仙台一高前です〕
父「あー……学」
学「何だい?」
父「連れて行ってもらう身分でこんな事言うのも何だが、あんまり歩くような乗り換えはカンベンしてくれよ?私らも歳なんだから」
学「分かってるよ」
母は60代前半、父親も70過ぎだ。
あんまり無理をさせられる歳ではないことくらい分かっている。
例外なのは、公一伯父さんな。
80近いはずなのに、ヘリコプターに飛び乗ったり、飛び降りたりできやがる。
学「公一伯父さんなら、反対側のホーム乗り換え1分全力ダッシュも可能だろう」
父「こらこら、何ちゅう事を……w」
母「お父さん、笑いが堪え切れてないよw」
愛原公一「ワシなら、そんなことはせんで、電車そのものを止めるかもしれんのう……」
学「わっ、公一伯父さん!?」
父「兄さん、いつの間に!?」
公一「ワシは始発駅から乗る主義ぢゃ。おかげで、座れとる」
学「いや、今立ってんじゃん!?」
公一「それより、これから鳴子か?硫黄にやられぬよう、注意せい」
学「実際は鬼首だけどね」
公一「そこの鬼の首でも取るつもりか?」
学「伯父さん、そのギャグは……」
リサ「ダーリンになら、首を刎ねられてもいいっちゃ!」
リサは冗談っぽく笑って、私と腕を組んだ。
学「それより、デイライトが伯父さんを探してるよ?デイライト……つまり、公安調査庁だ」
公一「構わんよ。お前達が通報しなくても、身内は犯人隠匿の罪には問われんから安心せい」
なので警察も、そしてデイライトも、協力を求めるに留まっている。
学「うーむ……」
公一「それより学、お前、最近変わったことはないか?」
学「……!」
え、何で知ってるんだ?
公一「まあ、詳しい話は後だ。親孝行と嫁孝行、それと接待を頑張れ」
学「えっ、レイチェルは接待の対象なの???」
公一「ん?接待しに行くんじゃないのか?」
学「いや、監視されてるんだよ!」
公一「じゃから、そこを接待して篭絡させるのが探偵ってもんじゃろ」
学「いや、違うし!」
父「兄さん……」
母「相変わらずですねぇ……」
[同日09時55分 天候:晴 仙台市青葉区中央 仙台市地下鉄仙台駅→JR仙台駅]

〔仙台、仙台。出入口付近の方は、開くドアにご注意ください〕
電車は仙台駅に到着する。
〔せんだい、仙台。南北線、JR線、仙台空港アクセス線は、お乗り換えです〕
公一「それじゃ、またな。また会おう」
学「う、うん……」
公一伯父さんは手をヒラヒラさせて、私達とは反対方向のエスカレーターへと向かって行った。
父「兄さん、今度は何を企んでるんだ?」
母「今度こそ、警察に追われてないといいけどね……。学、大丈夫なの?」
学「伯父さんも強かでねぇ……。まだ、公安調査庁にしか追われてないよ」
戦時中までの特高警察の流れを汲むのが公安調査庁であるが、前者と違い、後者は逮捕権は無い。
その為、伯父さんも飄々としていられるのだろう。
まあ、後で善場係長に通報くらいはしておこう。
それだけで報奨金が入るという体たらくだし。
私達は別のエスカレーターで、改札口へと向かった。
因みに私が連れて行く側なので、両親にはキップを渡してある。
尚、リサはPasmoで乗ってもらっている。
また足りなくなったら、チャージくらいはしてやろう。
父「学、何度も言うが、乗り換えのルートは大丈夫なんだろうな?」
学「大丈夫。ちゃんと余裕のある時間で計画しているし、ルートもなるべく階段を使わないルートを選定してある。地下鉄はこのように、エスカレーターもエレベーターもあるから大丈夫でしょ」
父「それならいいが……」
学「鳴子温泉に到着する列車が、2番線・3番線に止まるようだったら階段だけどねw」
父「おいw」
学「ま、大丈夫大丈夫」
父「本当に大丈夫なのかぁ……?」
母「さすがに乗り換え時間に余裕を持って……というのは大丈夫でしょうけどねぇ……」
リサ「何でしたら、わたしが抱えて行きますよ」
父「おお、それは頼もしい!」
母「お父さん!」
改札口を通過してJR仙台駅への通路を進む。
レイチェルはそちらで待っているはずだ。
リサがスマホでやり取りをしてくれているが、何とか待ち合わせ場所は分かったもよう。
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