[月日不明 時刻不明(深夜) 天候:晴 東京中央学園上野高校・旧校舎]
稲生が視聴している古いビデオテープ。
この中に映っているのは、この学園の男子生徒と思しき3人が旧校舎の中を探索するというものだった。
どういう理由で探索しているのかは分からないし、稲生もこの3人のことについては何も知らない。
時系列的には、そんなに昔というわけでもないようだ。
着ている制服が現在の夏服だし、最初、新校舎がバックに映っていた。
そして旧校舎はまだ教育資料館としてリニューアルされる前、ただ単に立入禁止になっているだけの廃屋状態だった頃のもの。
稲生が卒業した後に撮られたものではないかと推測する。
その3人のうち、AD役と思しき笠間という名の男が行方をくらましてしまった。
稲生的にはこの時点で嫌な予感が立ち込めているのだが、とにかくこの続きをご覧頂こう。
再び視点はカメラマン役の洗井という男に切り替わる。
新藤:「あいつとは2度と組まねーぞ!部員の代わりはいくらでもいるんだ!カメラマンのお前と違ってな!次は校長室だ!」
新藤は急に消えてしまった笠間に憤慨しながら、校長室のドアを照らした。
すると、中から何か大きな物音がした。
新藤:「おい、今の聞いたか?何の音だ?」
新藤は懐中電灯片手に、校長室のドアをギィィィィと開けた。
荒れた状態の校長室が画面に広がる。
新藤:「おい、笠間!てめっ、いい加減にしろ!フザけてっとマジぶっ殺すぞ!!」
しかし、憤慨している新藤に応える笠間はいなかった。
埃被ってボロボロになったソファに、木目調のチェストや錆びたキャビネットを懐中電灯が照らす。
ボーン!
新藤:「うぉッ!?……何だよ!時計かよ!マジ、ビビッたし!……ったく!」
校長室の振り子時計が1時を指していた。
それで1度だけボーンと鳴ったのだろう。
だが、肝心の振り子が動いていない。
もちろん今の振り子時計、実際は電池式や電気式だったりして、振り子は単なる飾りであることが多い。
なので振り子が止まっていても、電池や電気で時計自体は動いていたりするのである。
新藤:「あ?何だこれ?」
新藤はその振り子時計の中に何かを見つけた。
扉を開けてみる。
すると、振り子の横に何か鎖紐のようなものを見つけた。
新藤はそれをグイッと引っ張った。
すると、壁の一部分がパカッと開いた。
どうやら、隠し部屋か通路があるらしい。
新藤:「マジ、カンベンしろよー。旧校舎にこんな仕掛けがあったなんてよー。よし、こうしよう。笠間を見つたら、とっとと帰るぞ。動画制作はもういい」
新藤はそう言って、隠し部屋の中に入った。
そこは単なる物置部屋のように見えた。
しかし、部屋の隅には地下に下りる梯子があった。
新藤:「先に行けよ」
洗井:「!?」
新藤:「俺が……そうだ。俺が梯子を下りる所を撮ってくれ。だから……先に降りろよ」
洗井はハンディカメラを持ちながら梯子を下りた。
だから、その間ちょっと画像がブレる。
下り切ると、そこには水道の配管らしきものがあった。
奥にもどうやら通路があるらしい。
新藤:「どうだ!?何かあったか!?」
洗井:「奥にも通路があります!」
新藤:「分かった!俺も降りるからちょっと待ってろ!」
その時、洗井のカメラに何か人影が映った。
壁の方を向いて佇んでいるそれは、急には新藤達の前から姿を消した笠間だった。
洗井:「笠間さん、こんな所にいたんですか。何やってるんですか、こんな所で?」
笠間:「…………」
しかし、うんともすんとも言わない笠間。
こちらを向こうともしない。
洗井:「笠間さん……?」
洗井は笠間の肩を叩いた。
と、笠間がこちらを向く。
しかしそれは笠間の意思で向いたのではなく、洗井に肩を叩かれた衝撃で向いただけだった。
何故なら……。
洗井:「うわっ……!?」
笠間は顔中血だらけになっていた。
そしてそれが洗井に向かって倒れて来る。
笠間は目を剝いたまま微動だにしなかった。
死んでいる!
洗井:「わっ!わああああああああ!!」
洗井がパニックになっていると、通路の奥から何者かがやってきた。
画像が乱れてしまって見づらいが、どうも黒いローブを着た魔女であるようだ。
それは何かを手にしていて、洗井を何度も殴り付けたようだ。
洗井の断末魔を最後に、そこでビデオは終わっていた。
[月日不明 時刻不明(朝方か夕方) 天候:晴 東京中央学園上野高校・旧校舎(幻影)]
稲生:「ま、マジか……!」
稲生は呆然としていた。
ビデオが終わり、画面が砂嵐になっても、しばらくは薄汚れたソファから立ち上がることができなかった。
稲生:「と、とにかく、あの地下通路から脱出できるってことなのかな?」
稲生は振り子時計の扉を開けると、新藤が引いた鎖紐を引いた。
すると、ビデオの通り、隠し扉が開く。
稲生:「当時の校長先生、何のつもりでこんな仕掛けを造ったんだろう……?」
稲生は疑問に思いつつ、新藤達の軌跡を追った。
もしあの魔女がゾーイだとしたら、彼女はもう死んでいるわけだから、襲われることはないだろう。
稲生:「ん!?」
地下へ下りる梯子があった穴はあった。
だが、肝心の梯子が無くなっていた。
稲生:「ええ〜!?」
上から覗き込んでみるが、確かに地下室はある。
だが、そこに下りる為の梯子が無い。
飛び下りるにしても10メートルくらいの高さはあるし、もし万が一どこにも続いていないようなら、稲生はそこに閉じ込められることになる。
もちろん今の状態でも、旧校舎内に閉じ込められていることに変わりは無いのだが、どうも飛び下りるという選択肢はバッドエンド直行の詰みになるような気がしてしょうがなかった。
稲生:「ちょっとやめておこう」
稲生は首を横に振って穴を背にした。
稲生:「ん?」
反対側には木箱が1つ置いてあるのだが、その上に何かを発見した。
果たしてそれは何だったと思う?
①昇降口の鍵
➁非常口の鍵
③地下室の鍵
④別のビデオテープ
⑤バルブハンドル
※バッドエンド直行選択肢が2つあります。選択は慎重に。
稲生が視聴している古いビデオテープ。
この中に映っているのは、この学園の男子生徒と思しき3人が旧校舎の中を探索するというものだった。
どういう理由で探索しているのかは分からないし、稲生もこの3人のことについては何も知らない。
時系列的には、そんなに昔というわけでもないようだ。
着ている制服が現在の夏服だし、最初、新校舎がバックに映っていた。
そして旧校舎はまだ教育資料館としてリニューアルされる前、ただ単に立入禁止になっているだけの廃屋状態だった頃のもの。
稲生が卒業した後に撮られたものではないかと推測する。
その3人のうち、AD役と思しき笠間という名の男が行方をくらましてしまった。
稲生的にはこの時点で嫌な予感が立ち込めているのだが、とにかくこの続きをご覧頂こう。
再び視点はカメラマン役の洗井という男に切り替わる。
新藤:「あいつとは2度と組まねーぞ!部員の代わりはいくらでもいるんだ!カメラマンのお前と違ってな!次は校長室だ!」
新藤は急に消えてしまった笠間に憤慨しながら、校長室のドアを照らした。
すると、中から何か大きな物音がした。
新藤:「おい、今の聞いたか?何の音だ?」
新藤は懐中電灯片手に、校長室のドアをギィィィィと開けた。
荒れた状態の校長室が画面に広がる。
新藤:「おい、笠間!てめっ、いい加減にしろ!フザけてっとマジぶっ殺すぞ!!」
しかし、憤慨している新藤に応える笠間はいなかった。
埃被ってボロボロになったソファに、木目調のチェストや錆びたキャビネットを懐中電灯が照らす。
ボーン!
新藤:「うぉッ!?……何だよ!時計かよ!マジ、ビビッたし!……ったく!」
校長室の振り子時計が1時を指していた。
それで1度だけボーンと鳴ったのだろう。
だが、肝心の振り子が動いていない。
もちろん今の振り子時計、実際は電池式や電気式だったりして、振り子は単なる飾りであることが多い。
なので振り子が止まっていても、電池や電気で時計自体は動いていたりするのである。
新藤:「あ?何だこれ?」
新藤はその振り子時計の中に何かを見つけた。
扉を開けてみる。
すると、振り子の横に何か鎖紐のようなものを見つけた。
新藤はそれをグイッと引っ張った。
すると、壁の一部分がパカッと開いた。
どうやら、隠し部屋か通路があるらしい。
新藤:「マジ、カンベンしろよー。旧校舎にこんな仕掛けがあったなんてよー。よし、こうしよう。笠間を見つたら、とっとと帰るぞ。動画制作はもういい」
新藤はそう言って、隠し部屋の中に入った。
そこは単なる物置部屋のように見えた。
しかし、部屋の隅には地下に下りる梯子があった。
新藤:「先に行けよ」
洗井:「!?」
新藤:「俺が……そうだ。俺が梯子を下りる所を撮ってくれ。だから……先に降りろよ」
洗井はハンディカメラを持ちながら梯子を下りた。
だから、その間ちょっと画像がブレる。
下り切ると、そこには水道の配管らしきものがあった。
奥にもどうやら通路があるらしい。
新藤:「どうだ!?何かあったか!?」
洗井:「奥にも通路があります!」
新藤:「分かった!俺も降りるからちょっと待ってろ!」
その時、洗井のカメラに何か人影が映った。
壁の方を向いて佇んでいるそれは、急には新藤達の前から姿を消した笠間だった。
洗井:「笠間さん、こんな所にいたんですか。何やってるんですか、こんな所で?」
笠間:「…………」
しかし、うんともすんとも言わない笠間。
こちらを向こうともしない。
洗井:「笠間さん……?」
洗井は笠間の肩を叩いた。
と、笠間がこちらを向く。
しかしそれは笠間の意思で向いたのではなく、洗井に肩を叩かれた衝撃で向いただけだった。
何故なら……。
洗井:「うわっ……!?」
笠間は顔中血だらけになっていた。
そしてそれが洗井に向かって倒れて来る。
笠間は目を剝いたまま微動だにしなかった。
死んでいる!
洗井:「わっ!わああああああああ!!」
洗井がパニックになっていると、通路の奥から何者かがやってきた。
画像が乱れてしまって見づらいが、どうも黒いローブを着た魔女であるようだ。
それは何かを手にしていて、洗井を何度も殴り付けたようだ。
洗井の断末魔を最後に、そこでビデオは終わっていた。
[月日不明 時刻不明(朝方か夕方) 天候:晴 東京中央学園上野高校・旧校舎(幻影)]
稲生:「ま、マジか……!」
稲生は呆然としていた。
ビデオが終わり、画面が砂嵐になっても、しばらくは薄汚れたソファから立ち上がることができなかった。
稲生:「と、とにかく、あの地下通路から脱出できるってことなのかな?」
稲生は振り子時計の扉を開けると、新藤が引いた鎖紐を引いた。
すると、ビデオの通り、隠し扉が開く。
稲生:「当時の校長先生、何のつもりでこんな仕掛けを造ったんだろう……?」
稲生は疑問に思いつつ、新藤達の軌跡を追った。
もしあの魔女がゾーイだとしたら、彼女はもう死んでいるわけだから、襲われることはないだろう。
稲生:「ん!?」
地下へ下りる梯子があった穴はあった。
だが、肝心の梯子が無くなっていた。
稲生:「ええ〜!?」
上から覗き込んでみるが、確かに地下室はある。
だが、そこに下りる為の梯子が無い。
飛び下りるにしても10メートルくらいの高さはあるし、もし万が一どこにも続いていないようなら、稲生はそこに閉じ込められることになる。
もちろん今の状態でも、旧校舎内に閉じ込められていることに変わりは無いのだが、どうも飛び下りるという選択肢はバッドエンド直行の詰みになるような気がしてしょうがなかった。
稲生:「ちょっとやめておこう」
稲生は首を横に振って穴を背にした。
稲生:「ん?」
反対側には木箱が1つ置いてあるのだが、その上に何かを発見した。
果たしてそれは何だったと思う?
①昇降口の鍵
➁非常口の鍵
③地下室の鍵
④別のビデオテープ
⑤バルブハンドル
※バッドエンド直行選択肢が2つあります。選択は慎重に。
ついに河童さん、自城魔突さんと公場対決か!?
回答ありがとうございます!
お2人で回答が分かれてしまいましたが、どちらが正しいルートなのか、今晩更新致します。
尚、お2人のどちらか一方が選択されたルート、バッドエンドになっていますw
このビデオテープには更なるヒントが▪▪▪