報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「大事件前夜の魔の嵐」

2022-11-12 21:17:52 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月17日21:00.天候:雨 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 リサ:「先生、疲れてるの?わたしがまたマッサージしてあげる」

 体操服とブルマーに着替えたリサは、愛原を自分の部屋に連れて行こうとした。
 今度のは、東京中央学園でかつて着用されていた緑ブルマーである。
 

 愛原:「そうかい?じゃあ、またお願いしようかな」
 リサ:「是非是非!わたしの部屋で、リアル『マッサージで感じちゃった僕』体験コース!今なら朝までコースで、お小遣い1万2000円でどう!?」(;゚∀゚)=3
 愛原:「何だか中途半端な額だな?」
 高橋:「くおらっ!さり気なく先生を捕食しようとしてんじゃねぇ!」
 リサ:「えー、そんなことないよ?」
 高橋:「思いっ切りあるだろ!先生もそんなチンケな罠に引っ掛からないでください!」
 愛原:「す、すまん。でも、俺はリサのマッサージを受けたいし……」
 高橋:「まだ言いますか!」
 リサ:「お兄ちゃん、先生の命令だよ?」
 高橋:「オメーの言い出しっぺだろうが!」
 愛原:「まあまあ。リサが言い出さなくても、俺はリサにマッサージをお願いしようと思ったよ」
 リサ:「ほら!?ほら!?」
 高橋:「し、しかし……」
 愛原:「分かった、リサ。それなら、俺の部屋で頼むわ」
 リサ:「ほんと!?」
 高橋:「先生!?」
 愛原:「リサの部屋なら確かに危険かもしれない」
 高橋:「ですよねー?」
 リサ:「そんなことないって!」
 愛原:「でも、俺の部屋なら罠なんて仕掛けようが無いだろ?」
 高橋:「まあ、それはそうですが……」
 愛原:「もっとも、リサが『オッサン臭い部屋なんてイヤ!』って言うのなら、諦めるしかないわけだが……」
 リサ:「そんなことない!オッサン臭いのは嫌だけど、わたしは先生は匂い、好き!」
 高橋:「オメーなぁ!」
 愛原:「俺も、マッサージで気持ち良くなりながら寝たいと思っているんだ。最近忙しくて疲れてるし、たまにはいいだろ?」
 高橋:「はあ……」
 リサ:「お兄ちゃん、先生の命令は絶対!」
 高橋:「これは命令か!?」
 愛原:「『命令』ではないが……厳密に言えば『要望』とか『希望』に近いかな。どうだ?命令よりは強制力は弱いが……」
 高橋:「分かりました。先生たっての御希望と仰るのでしたら、俺は何も言いません」
 愛原:「すまんね。分かってくれて、ありがとう」
 高橋:「但し、条件があります!俺もみすみすBOWに先生が捕食されるのを、黙って見過ごすわけにはいきません!」
 リサ:「だから、食べないって。食べるのは先生の血中老廃物と、血を少々……」
 高橋:「広い意味での捕食だろうが!」
 愛原:「で、その条件とは?」
 高橋:「まずはドアを開放状態し、俺は時々様子を見に行きます!それが条件です!」
 リサ:「ダメ―!個室感覚でのマッサージを体験してもらうんだから、ドアは閉める!」
 愛原:「まあ、確かにドアは閉まっていた方が、落ち着くな……」
 高橋:「先生!?」
 愛原:「大丈夫。俺はリサのことを信じているよ」
 リサ:「先生……

 リサは感激したように、顔を赤らめた。

 リサ:「そうと決まったら、まずはベッドに座って。フットバスから始める!」
 愛原:「はいはい」

 リサは急いでバスルームに向かい、大きめの洗面器にお湯を入れに行った。
 そして、アロマオイルを手に戻って来る。

 リサ:「本日のフットバスに使用するアロマオイルは、カモミールでございます」
 愛原:「おー、これはいい匂いだ」
 リサ:「お湯加減、いかかですか?」
 愛原:「ちょうどいいよ」
 リサ:「はい。……それじや、足を拭くので、私の足に右足を乗せてください」
 愛原:「はいはい」

 リサにとっては大好きな愛原への好感度上昇、そして小遣い稼ぎ、更にはBOWとして人間の血液吸収と一石三鳥のバイトであった。
 厳格に見れば、3番目のリサの行為は褒められるものではない。
 だが、命に関わるものでなければと、黙認していた。
 厳格に禁止すれば、爆発して暴走してしまうのを防ぐ為である。

 リサ:「今度はベッドにうつ伏せになってください」
 愛原:「はーい……」
 リサ:「それじゃ、左足から始めます」

 リサは愛原の足をマッサージし始めた。
 見た目は普通のマッサージだが、この時、リサの手からは無数の髪の毛よりも細い触手が伸びて行き、愛原の足に刺さっているのだ。
 髪の毛よりも細いので、刺されても痛みは感じない。
 蚊に刺されても、痛みを感じないのと同じことである。
 リサの無数の触手は、愛原の足の血管に入って行き、血液をドロドロにしている老廃物を吸収して行く。
 この時、どうしても血液も一緒に吸ってしまうのだが、これは致し方ないこととなっている。
 だが、例えばヤブ蚊の一種であるヒトスジシマカなどに刺されると、マラリアに感染してしまうのと同様、リサのこういった行為も、リサが保有するウィルスへの感染経路になるのである。
 この場合はTウィルスとGウィルスである。
 しかしリサの場合、Gウィルスは意識しないと感染させられない上に、Tウィルスに関しては、愛原は完全な抗体を持っている。
 なので、愛原などのごく一部の人間だけ、リサの吸血マッサージを受けることができるのだ。

 愛原:「あー……気持ちいー……。このまま寝ちゃいそう……」
 リサ:「えー?もう寝ちゃうのー?」
 愛原:「大丈夫だ、リサ。お小遣いは、ちゃんとあげるから……」
 リサ:「ほんと!?」

 しばらくすると……。

 愛原:「
 リサ:「先生?先生?……ホントに寝ちゃったんだ……。そんなに気持ち良かったのかなー?」

 リサは鼠経リンパマッサージをしていた。
 そして、赤い瞳をギラリと光らせる。

 リサ:「赤い血でお腹一杯になったからぁ……。今度はデザートに、先生の白い血が欲しいなぁ……でへへへ……」

 リサは性欲剥き出しの顔で、愛原の股間に手を伸ばした。
 だが!

 高橋:「おい!」

 高橋がジャキッとマグナム44をリサの頭に突き付けた。

 高橋:「先生はもうお休みになったんだろ?さっさと引き上げろ!」
 リサ:「ちっ。もうちょっとだったのに……」

 マグナム44で頭を撃たれても、リサは死なない。
 だが、リサは肩を竦めて立ち上がった。

 リサ:「わたしの血しぶきで先生や、先生の部屋が汚れるのはマズいからね」
 高橋:「そういうことだ。さっさと部屋から出ろ、オラ!」
 リサ:「分かってるって……」

 外は再び、雷付きのゲリラ豪雨が降り出していた。

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