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俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

田辺聖子さん

2019年06月17日 | 読書

先日、作家田辺聖子さんがお亡くなりになりました。享年91歳でいらしたそうです。

田辺さんと言えば大阪弁を駆使した軽妙な文体の小説やエッセー、さらに評伝や古典を現代によみがえらせた作品を次々に発表されていましたね。

私も田辺作品のファンで小説やエッセーをよく読み、それらは本棚に沢山並んでいて、今でも時々手に取って読んでいます。

彼女の作品に、魅力的なシニア女性、歌子さんの76才~80才までの日常を4冊の本にまとめた痛快な小説「姥シリーズ」というのがありますが、常々私は田辺さんに80代後半になった歌子さんをぜひ書いて頂きたいな~と思っていましたが、もうそれが叶わなくなったのをとても残念に思います。

まだ小倉に住んでいた20年位前ですが、一度田辺さんの講演を聞いたことがあります。その時、たまたま前列から4、5番目に座っていたので様子がよく分ったのですが、田辺さんはオシャレな細い杖をついて登壇されました。

非常に小柄な方で高く澄んだきれいなお声で話をされましたが、言葉は関西弁の片鱗も感じさせない完璧な標準語で、少し意外な気がしたのを憶えています。

講演の題目は「久女と私」でしたが、お話しぶりは自信に満ちていて多方面に渡り、自由闊達なお人柄にお見受けしました。20年位前のことなので、おそらくその時の田辺さんは、今の私と同じ70代前半であられたと思います。田辺さんの訃報に接した時、この講演会での彼女のたたずまいが思い浮びました。

私達を楽しませて下さりありがとうございました。どうぞ安らかにお眠り下さい。