九州国立博物館で開かれている、
「至上の印象派展ビュールレ・コレクション」に行って参りました。
会期末(7月16日まで)が近づいた為でしょうか、
予想外の人出に驚きました。
実業家として富を築いた、ドイツ生まれのビュールレは、
人生の後半からチューリッヒにある自身の邸宅を飾る為、
美術品の購入を始めたのがきっかけで、
それ以後、美術品の収集に情熱をそそぎました。
今回は彼のコレクションの中から64点が出展されていました。
その中には、ルノアール、モネ、ゴッホ、セザンヌ等が含まれていて、
画集などで見たことがある、解りやすい絵が多かったですね~。
この展覧会の目玉は何といってもこの絵、「可愛いイレーヌ」でしょう。
チケットにもこの絵が描かれています。
子供特有の透ける様な白い肌、流れる豊かな髪、
未来を見つめる愁いをおびた様にも思える聡明な目、
そう言えば、この少女の生涯はあまり幸せなものではなかったとか。
それを抜きにしても、
この絵はルノアールの代表作の一つでしょう。
私が若い頃から持っている画集の表紙も、この「可愛いイレーヌ」です。
これまで実際に見たことのないこの絵を目の前にして、
この上ない幸せでした。
この展覧会は九つのパートに分かれていましたが、
締めくくりはモネの「睡蓮」でした。
モネの「睡蓮」は色々な美術館で見ました。
岸の柳を描き込んでいるものもあり、
全体のトーンが明るいもの、暗いもの、様々でした。
モネはいったい何枚の「睡蓮」を描いたのでしょうか。
展示されていた「睡蓮」は、
水面に青い空や池の周りの木々の緑も描き込まれ、
「睡蓮」の花は、白を溶かし込んだ淡い色で力強く描き上げられています。
ロマンティックですね~。
今回の展覧会では
ルノアールの「可愛いイレーヌ」とモネの「睡蓮」の絵だけ、
ノーフラッシュであれば、撮影が許可されたのも嬉しい事でした。
それに音声ガイドの声が井上芳雄さんだったのも良かったと思います。