今回のパリ観光では、ほとんどが地下鉄移動でタクシーを使ったのはわずかでした。パリ20区をくまなく網羅しているメトロなのでパリ市内の観光名所であれば、ほとんどがメトロに乗って行くことが出来ます。
切符は10枚つづりの回数券(カルネ)を使いました。カルネは14.9ユーロで、1回券が1.9ユーロなのでカルネの方が割安ですからね。このカルネは使用期限がないので、磁気さえおかしくなっていなければ、料金改正前の古いカルネでも使えます。10年前の手持ちのカルネを改札機に入れてみましたが、なんなく使えました。<カルネ>
改札口を出ると長い通路を表示に沿って進みホームに出ます。通路やホームの天井が日本の地下鉄より低く幅も狭く日本より少し暗いので、怖いとか汚いとかいう声を日本で時々耳にしますが、私はまったく気になりませんね~。これはパリの地下鉄は歴史が古い(パリ万博の1900年に1号線が完成)のと関係があるのでしょう。比較的新しい路線は日本のと同じ様な造りになっていますね。<地下鉄通路>
<地下鉄ホーム>
上の写真には地下鉄通路で楽器を演奏している人が写っていますが、パリの地下鉄通路ではこの様な光景をよく見かけます(日本でもあるのかな?)。通路だけではなく、車内でも乗客の少ない時間帯には様々なパフォーマンスをされる方がおられます。今回は遭遇しませんでしたが・・・。
写真の駅もホームドアは付いていませんね。大きな駅には付いているホームドアも、全部の駅にあるわけではないようです。
車内は日本の地下鉄と同じでこんな感じです。車両の幅が日本より少し狭いかも。写真はガラガラの車内ですが、混んでくると入口付近はスリが多いので注意する様にと旅行社からいわれていました。混むとターゲットにした人を何人かで取り囲み、止まる直前にスって駅に停車するとサッと降りてしまうそうです。私達も朝、夕のラッシュ時に地下鉄に乗る時は気を付けていました。被害にあってしまうと、旅行の楽しさが半減ですからネ。<地下鉄車内>
パリの地下鉄出入り口の表示は幾つかありますが、よく見られるのは下の様なものです。「メトロ」が目印ですネ。
こんな美しいのもあります。アール・ヌーボーの旗手、ギマールがデザインした地下鉄出入口で柔らかな曲線が優雅ですね~。これはメトロ2号線モンソー駅の出入り口で撮った写真で、街の風景にしっくり溶け込んでいました。ここはギマールのオリジナルではなく復刻版だそう。
パレロワイヤル・ミュゼ・ド・ルーブル駅は、ルーブル美術館の最寄り駅として知られていますが、こんな美しい地下鉄出入り口になっています。まるでオブジェのようですね~。
それと、パリの地下鉄は乗るときは当然改札機に切符を入れますが、降りる時は改札機がありません。この点が日本とちょっと違いますね。時々構内で検札が行われ、切符を持っていなければ多額の罰金を払わなくてはいけないそうです。なので改札機がなくても駅を出るまでは切符は大切です。今までに検札に遭遇したことはありませんが。
パリの通りを歩きながら道の両側の建物を見上げると、ほとんどの建物の窓がフランス窓になっています。いつもあの窓はどんな仕組みになっているのだろうと思いながら、見上げていました。<フランス窓>
今回が4回目のパリですが、今までは秋、冬、初春で寒い時期の旅行だったのと、滞在が一週間程だったので朝早くホテルを出発し暗くなってから戻るという明け暮れで、ゆっくり部屋の窓を開け閉めすることがありませんでした。今回は夏の時期に2週間の滞在なのでゆとりを持って過ごすことが出来、朝起きるとフランス窓を開けるという楽しい作業から一日が始まりました!
部屋の中から見るフランス窓は、床にかなり近い部分から窓になっています。日本でいう掃き出しガラス戸に近い感じですかね? 開ける時は観音開きになっている窓を内側に開けます。そして天井近くまでが窓です。光を出来るだけ取り込めるようにこんなに大きな開口部になっているのでしょうね。又、非常に頑丈な造りで重く、開け閉めするのに少し力がいりました。
窓のカギはこんな風に縦にすると閉まり、横にすると開きます。日本と反対ですね。
不思議なことに、夏のこの時期の朝に窓をしばらく開け放っていても、パリでは虫などが入ってくることがありませんでした(パリには蚊はいない様ですね)。日本の窓には普通網戸が付いていますが、パリのフランス窓には網戸はありません。
ホテルはサントノレ通りに面していて、前はミッソーニのブティックでした。このブティックのショウウインドウのマネキンが、私達がパリに着いた7月27日頃は夏物を着ていたのが、帰る8月9日頃はいつの間にか秋冬ものになっていました。季節の移ろいを感じましたね。
サン・ジェルマン・デ・プレ教会の近くにあるサン・シュルピス教会にも行ってみました。ここに行こうと思ったのは、娘が以前友達とパリに行った時にここに寄ったらしく、この教会前の広場の話をしてくれたのと、カトリーヌ・ドヌーブが以前この辺りに住んでいたと、何かに書いてあったのを記憶していたからです。
サン・シュルピス教会はサン・ジェルマン・デ・プレ教会から歩いて5、6分の場所にありました。
<サン・シュルピス教会>
最初にこの教会を見た時、その大きさに驚きました。写真では大きさがあまり分かりませんが、この教会はパリではノートルダム寺院に次ぐ大きさのようです。正面のドーリア式の列柱が建物に威厳を与えていますね。二つの鐘楼の右側の鐘楼はまだ未完成なのだそうですよ。
教会前の広場は明るく清々しい開放感のある広場で観光客もチラホラ。パリの他の観光名所の様に騒々しさがなく、静かで落ち着ける場所でした。広場には、上の写真にも右下に池の様な感じで一部が写っていますが、ヴィスコンテイ作の『4人の枢機卿の噴水』と呼ばれる噴水があり、この噴水が広場に一層の清々しさを醸しているのかもしれません。<「四人の枢機卿の噴水」>
開放感いっぱいの広場のベンチに座りしばらく過ごした後、教会の中にあるフランス最大と言われるパイプオルガンやドラクロアの「天使とヤコブの闘い」を見るつもりだったのですが、ベンチに座って教会の入り口を何気なくみていると、誰も入る人がいない感じでした。それで一人ではあるしと思い、入るのをやめにしました。今でも教会の中を観ればよかったな~と後悔しています...。
この広場からリュクサンブール公園はすぐで、広場からも公園のフェンスが見えていました。それで、公園に行ってみようとその方向に進むと、道沿いのお店かオフィスだったかはよく覚えていませんが、中から一人のフランス人の若い女性がフラフラっと出て来て、私にむかって歩いて来たのです。一瞬何事かと思いましたが、これから歩こうと思っていた道がごく普通の通りですが、割合人通りが少ない通りで、この通りで女性に関わりを持つと危ないと思い、女性を相手にせず引き返しました。
この女性が何者だったのかは分かりませんが、確実に私に向かって歩いて来たので、私が公園のベンチに座っていた時に店の中から私を観察していたのではと思います。パリのガイドブックなどに、日本人は現金を持ち歩くというイメージがあるので注意する様になどと書いてあり、そんな日本人と思われたのかもしれません。又、高齢で一人歩きをしている女性ということも関係しているのかもしれませんね。
でもそれは私の思い過ごしで、この女性は善意で私に何かを伝えたかったのかもしれませんけれどね。フランス人は意外に親切で、ドアを自分が先に開けて通った時、知らない人でも次に通る人のために必ずといっていい程、ドアを持っていてくれます。これは日本人にはないマナーだと感心することがあります。
ホテルに帰って今日のことを夫に話すと、自分は街歩き中に、人に話しかけられたことなど一度もないと言っていました。
新型コロナ対策のための学校の臨時休校、様々な自粛要請、ジワジワ増える感染者数など、世の中がざわついているこの時期ですが、自分で出来ることは風邪をひかない様にすること、あまり出歩かない、外から帰ったら手洗いを励行すること位しかありませんね。何となく気持ちが暗くなりがちですが、せめて明るく元気にと心がけて毎日を過ごしています。
旅のメモを見ると、この日は午前中にエッフェル塔に上り、午後からは「アンバリッド」「奇跡のメダイユ教会」「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」「サン・シュルピス教会」を廻った様で、パリ左岸を随分巡っていますね。
「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」はパリ有数のメインストリートのサン・ジェルマン大通りに面した場所に建っています。見るからに古い教会だな~と感じる外観です。ガイドブックによると、ここの高くそびえる鐘楼は11世紀の建築で、フランスで現存する最古のものの一つだそうで、高い内陣の天井が交差リブになっているのが特徴だそうです。
<サン・ジェルマン・デ・プレ教会> <内陣>
この「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」を中心とした一帯は、戦後はサルトル、ボ―ヴォワールなどの哲学者、文化人が語り合った場所として知られています。彼らが集ったカフェ「レ・ドゥ・マ―ゴ」「フロール」などは今も健在で、多くの観光客、地元の方々で賑わっていました。又、最近は流行の発信地となり、サン・ジェルマン大通りを中心に有名ブティックが次々にオープンしファッションの街になりつつあるようです。<カフェ「レ・ドゥ・マ―ゴ」>
この日は、エッフェル塔、ナポレオンの墓所の「アンバリッド」までは夫と一緒でしたが、それ以後は別行動で一人で左岸の教会めぐりをしました。
一人でパリの街を歩く開放感、一人でメトロを乗り継いで目的地に行く楽しさはなんともいえませんね~(^-^) ただ私の様な高齢の日本女性が一人で異国の街を歩く怖さというのも、確かにあるのですけれどもネ。でもついついワクワク気分になって警戒心を無くしてしまう私なのです。
皆様、パリにある「奇跡のメダイユ教会」ってご存知ですか。メダイユとは英語でいうメダルのこと。この教会で販売されている「奇跡のメダイユ」を求めて、世界中から観光客がやって来ます。特に女性に人気のようですね。それでは「奇跡のメダイユ」とはいったい何なのでしょう。
1830年にこの教会の修道女カタリナ・ラブレがマリア様から「人々の為に心を込めてメダイユを作りなさい」というお告げを受け、作ったメダイユをパリでコレラが流行した際に人々に配ったところ、コレラが終息したという言い伝えがあり、このことからメダイユを手にした人に奇跡が起こる、幸福が訪れると言われる様になり、「奇跡のメダイユ」が世界中で有名になったそうです。
「奇跡のメダイユ教会」はメトロ12号線セーブル・バビロンで下車すると、老舗デパートのボン・マルシェが見えて来て、その裏側のバック通りに面した場所にあります。入口はこんな感じです。一見教会らしくないので入るのを迷うほどです。<奇跡のメダイユ教会入口>
中に入ると小さな広場になっていて、左側の壁の薄茶色の石には聖カタリナの説明文が彫られています。入って来た門を振り向くと、聖カタリナのこんな彫像がありました。「奇跡のメダイユ」が販売されている場所は右側の建物の人が3人程写っている辺りです。<小さな広場>
<聖カタリナ像>
教会の中に入ると、パリの普通のカトリックの教会と感じが違っていて、優美で女性らしい優しさに包まれた雰囲気でした。そして正面祭壇の右側の壁の一番下に、下の写真では分かりにくいですが、聖カタリナの遺体が腐食せず、今でもそのまま誰にでも見える状態で安置されていました。私もしばらく後ろの椅子に座ってお祈りしました。
<奇跡のメダイユ教会本堂>
本堂をあとに売店に寄り、こんな「奇跡のメダイユ」を子供達用、自分用に4個買い求めました。「奇跡のメダイユ」は大きいの、小さいの、ゴールド、シルバー、豪華な物など、様々な種類がありましたが、私は下の写真の様なメダイユを選びました。日本でも寺社にお参りした時にお守りを買いますよね、あれと同じですね。チェーンを付けてネックレスとして使ったり、お財布にお守りとして入れたりするようです。<「奇跡のメダイユ」>
一度行ってみたかった『奇跡のメダイユ教会』に行き、『奇跡のメダイユ』を手に入れることが出来たし、満足感に包まれて教会をあとにしました。