ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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世界は「物理」と「物語」で成り立っている ~ With A Little Luck

2011年06月12日 | 心の筋力トレーニングを続けよう

" いま、私たちは新しい物語を必要としているのではあるまいか。
 仏教の古い物語に帰依できない凡人のための、浄土を、浄土という言葉ではなく表現する鮮烈なイメージをである。"

モノである「からだ」と「こころ」が消えても、「自然(じねん)」である「いのち」は消えない。
「からだ」と「こころ」という親し
いパートナーと別れ、服を脱ぎ捨てた裸の「いのち=たましい」として
元の気(元気)の海に還るのだ。

元気―人はみな元気に生まれ元気の海へ還る
五木 寛之
幻冬舎

以前取り上げた、『電子が現象化するためのコーディネーターである』という物語、
「物理」と「物語」の境界線上にあるような話だが、説得力を持って迫ってきた。

つながってきた ~ 真実への目覚め

石や木や水と私たちの関係について


昔、大河の一滴を読んだときには、ネガティブな感想を拭えなかった五木寛之氏だが、さすがに良いことを言う。

"この世の中のことは、すべて「物理」か「物語」かのどちらかであると私は思う。
 「物理」は証明できなければならない。そして「物語」は共感されなければならない。
 その両方が大切なのだ。"

モノによって証明されるものは、すべて「物理」である。
そして、言葉によって語られ、字によって書かれるものはすべて「物語」である。
古代から中世にかけては、ほとんどが「物語」の時代だった。
都市が焼ければ神の怒りであり、人が死ねば天国か地獄へ行くと信じられた。
やがて「物理」が確実に一歩ずつ「物語」の世界を打ち崩していった。
では、「物語」の世界は一方的に後退するだけだったのだろうか。
そうではない。二十世紀は民主主義や共産主義という「物語」、市場原理と自由競争という「物語」、核兵器による力の均衡という「物語」の黄金時代だった。

「物語」は、それがどんなに精緻な論理によって組み立てられていようとも、しょせんその本質は夢であり、人間の願望を映す鏡にすぎない。
どんな理屈をつけようとも、本当はその「物語」に共感しただけのことだ。
人はまず信じて、それから納得できる理由を探すのである。

「物語」を侮ってはいけない、と思った。
人を、時代を、突き動かすのは、いつだって「物語」である、と思う。
人が証明抜きで、無条件に、時に生命を投げうつことさえいとわなくさせてきたのは「物語」のほうである。 

歴史とか、時代とか、政治とか、たいそうなことでなくても、
日常的な些細な身の回りのことも、大抵は「物語」でできている。

ならば、元気づける「物語」こそが必要だ。

「青い鳥」はいない、とか、物知り顔をしてすましている場合ではないのである。
ストーリーテラーこそがエライのである。

( ↓ ) ノルウェイが1905年、わずか100年ちょっと前に独立した国で、それまではスウェーデンの一部だった、とは意外な感じがした。 

    イプセンのことはよく知らないが、「叫び」を描いたムンクであっても、後年に求めたのは、安寧や温和の世界だったのか。

2011/6/12日経から


ぬくぬくとした家庭生活で牙を抜かれた、と揶揄されるのは、芸術家の宿命なのかもしれないが、
幸せな暮らしから生まれるものが、刺激を失った辛くないモノばかりだとも思えない。
孤独や不条理だけが真実ではない。もっと世界は広いし温かいところもあるはずだ。
そのような物語を作ることも芸術なのではないか。バランスの問題だと思う。

( ↓ )2:30過ぎからシャウトするポール、
   ちょっとしたキッカケ(Luck)があれば、ぼくらにだってできる、終りなんかない、という物語。

Paul McCartney - With A Little Luck


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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さんくす (沙於里)
2011-06-12 15:00:00
>人はまず信じて、それから納得できる理由を探すのである。
>ならば、元気づける「物語」こそが必要だ。

ここんとこ気力ダウンぎみだったけど、元気もらいました~



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ウェルカム (沙於里さんへ)
2011-06-12 20:52:25
気力充実させていきましょー。
節電の夏がくるまえに、アップしておかないと。
返信する

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