ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

目指すはスクラップ・ブックか、はたまたビジョン・ボードか。
隠れ家CLUBゴルフィーにようこそ♪

Arc Of A Diver(パンツをはいた2本の脚)

2018年03月25日 | いいことも起きるにきまってる旅行記

世界史に疎い私にとって、カズオ・イシグロの”忘れられた巨人”を読んだことは、多少の体温のようなものを伴って、イギリスの歴史を理解する助けになった。
(カズオ・イシグロの世界に呼吸を合わせてみる)
(武田巡りの旅 ~ 風林火山と日ノ丸の御旗)

ローマ軍が撤退した後、大陸からブリテン島にやって来たアングロ・サクソン人は、
ついにはケルト人をスコットランドやウェールズへ追いやり、この島を征服した。

( ↓ ) The Burried Giants。これはイギリスではなく、アメリカはミズーリー州のチェスターフィールドという所にある。


サクソン人がイングランドに侵入し、ブリトン人が伝説の王アーサーの下で戦った「忘れられた巨人」の時代(6世紀)
をさらに遡った紀元60年頃、侵入するローマ帝国に戦いを挑んだケルト人の伝説の女王がブーディカ(Boudica)。

1901年に亡くなったイギリス絶頂期の女王ヴィクトリアと同じ意味(勝利、Vitory)
を表す古代語の名を持つケルト人の女王として、ヴィクトリア朝の時代にブーディカ熱が高まったという。

( ↓ ) ウェストミンスター橋のたもとにあるブーディカ像。
   ローマ人の圧政に苦しむ部族を結集し、ロンディニウム(ロンドン)を焼き討ちにした。
   惨殺された7万のローマ人の遺体は朽ち果てるまで放置されたという。



さて、退院する日の朝、普段は歩かない病院内の敷地を歩いていると、
巨大な2本の脚が地面に突き刺さっていた。

 

頭部を忘れた巨人のようであり、
弓なりのダイバーのような、スラリとした足だった。

Steve Winwood Arc Of A Diver

"Arc Of A Diver"

She bathes me in sweetness I cannot reveal
For sharing dreams I need my woman
彼女は私を甘美で満たす。白状することはできないが、
夢を分かち合うひとが必要だ。

This humble expression meagerly dressed
My eyes so mean it has no meaning
この控えめな表現は、着飾り過ぎることもなく、
私の目線には意味がない。


But jealous night and all her secret chords
I must be deaf on the telephone I need my love to translate
嫉妬深い夜と彼女の秘密のコード、
私は耳を塞ぐしかなく、電話では、私の愛を翻訳して話さないと。


I play the piano no more running honey
これ以上滑らかにピアノは弾けない

This time to the sky I'll sing if clouds don't hear me
今度は空に向かって歌うことにしよう。雲が私のことを聴いていないなら。

To the sun I'll cry and even if I'm blinded
太陽に向かって泣き喚こう。たとえ目が眩んだとしても。

I'll try moon gazer because with you I'm stronger
月を見つめていよう。あなたと一緒なら強くいられるから。
Arc of a diver effortlessly, my mind in sky and when I wake up
弧を描くダイバーのように、私の精神は空に浮いている。そして目覚めれば、

Daytime and nighttime I feel you near
昼でも夜でも、あなたが傍にいる。

Warm water breathing she helps me here
温かい水が呼吸し、彼女がここで私を助けてくれる。

翻訳は良い趣味だ。(内田 樹)

滋味を感じるには、立ち止まって よく味わう手間が必要だと思う。

この絵にこれを描いた画家の熱情を感じるために、どうすればよいかを考えてみると、それは自明だ。

 

 

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2018年3月24日(土)のつぶやき

2018年03月25日 | いいことも起きるにきまってる旅行記
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2018年3月23日(金)のつぶやき

2018年03月24日 | いいことも起きるにきまってる旅行記
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2018年3月22日(木)のつぶやき

2018年03月23日 | いいことも起きるにきまってる旅行記
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スピリチュアルを探しにイギリス の旅へ(チズイック・パーク)

2018年03月22日 | いいことも起きるにきまってる旅行記

ためらいなく幽霊について語ることが出来るようになる、というのはいいことかもしれない。
(そんなに霊感が強いほうではありませんが。)
タブーに汲々するのではなく、タブーに対するにあたっては、取り敢えず踏み込んでみる。
タブーをなるべく作らず、変わり者というか、興味に対しては可能な限り正直でいよう。


夜明け前の暗い病棟のラウンジスペースで、

ちょっと怖い絵を見ました。
(5年前の私なら、病院の暗がりで撮った気味の悪い写真なんて
自分のブログにアップすることはおろか、カメラで撮ることさえ憚られたでしょう。)

以前、ポール マッカートニーのコンサートで
ペイパーバック・ライターのバックに、色合いや不気味な感じが似ている絵が使われていました。
リチャード・プリンスという画家のナースの絵です。(こうして並べるとあまり似てない・・)

 

この絵を背景に演奏していたのは、「ペイパーバック・ライター」。
(ポール マッカートニー・アート~ 夢に咲く花)
B面の「レイン」は、私のフェイバリットのひとつ。

The Beatles - Paperback Writer

 

[写真左下]:私がビートルズのレコードを買い始めた頃、中期リボルバー時代辺りまでのシングルはこの写真だった。
(ヘルプやイエスタディも。)
[写真右下]:最初にレコード店でもらったポストカードはこの風景の別バージョンだったような気がする。)

このサイトすごい、フィルムの撮影場所(公園のどこか)まで分かる!
広い公園を徘徊しなくても大丈夫だ。

Filming: Paperback Writer, Rain

(行ってみたら普通の公園なんだろうなぁ。王立キューガーデンが傍だから、セットにして廻ろうかな。)

ロンドン南西部、ヒースロー空港側。

さて、話の続きを。

イギリスの人々は、若いうちからアンティークジュエリーを美しいと思い、
年代物の骨董家具に目を向ける傾向があるという。
物の奥に潜む歴史やいにしえの人々の生活感を手に入れることを望む。
自然と調和して暮らしていたケルト人は、自然界に存在するすべてのものの背後に精霊が宿り、
そこには学ぶべき英知が隠されていると信じてきた。
だから、人々はケルトの不思議な模様やパターンを身につけ、かつての不思議なスピリットを日常的なものにしたいと思うのだ。

どうも「スピリチュアル」という言葉は、物の奥に潜む目に見えないものを敬うことに思える。

イギリス人はラテラル・シンキング(水平思考)と呼ばれる、あらゆる角度から物事を見る習慣があるという。
ロジカルな垂直思考で掘り下げてエビデンスの裏付けをとっていく科学的手法だけではなく、
水平方向に広く世界を捉えていく思考が当たり前にあるのだ、きっと。

「目に見えないものに囲まれて生きていくと、空想する習慣も育つ。
だから願望と現実の境があっても、まずはやってみようと動けるんだ。」

ラテラル・シンキングの基本は、
1、前提を疑う
2、新しい見方をする
3、組み合わせる
の3つを意識すると使いこなせるようになってくるのだという。

面白いエピソードがあった。

ロールスロイスを愛するあまり、他人のロールスロイスの洗車を無料で引き受けてきた男がいた。
高級車を自分で買えない分、少しでもロールスロイスのそばにいたいと洗車を始めたところ、
これが評判となり、エルトン ジョンなど英国の有名人から洗車の依頼が来るようになったそうだ。
そして、自信たっぷりに中古のロールスロイスを買うためのお金を貯めると抱負を語ったという。

これを英国式のサクセスストーリーだと云う人もいる。
「人に話しても理解されない、説明のつかない情熱や夢をあきらめる時、私たちは同時に素の自分自身をも葬り去っている。
変わり者を変わり者と差別しないイギリスでは、ロールスロイスを磨き続ける人も、
幽霊を信じゴーストツアーのガイドを仕事にする人も、銀行員と同じく社会の中にいる。
変わり者は単なるアホではなく、おそろしくスピリチュアルな世界を持っている、と過大評価すら受ける。

( ↓ ) ”ペイパーバック本の作家になりたい” と歌っていたポールはその後、画家になった。

中にはまるでアイルランド出身のフランシス・ベーコンの絵みたいで、
リビングに飾るには似つかわしくない、ファンシーでない作品も多い。
そういうものを家に飾ってみるのもありかな、と思い出した私も変わり者になってきたのかもしれないが、
いつまでもファンシーこそがふさわしいと思っている方も変わり者だと思う。

Paul McCartney - Paintings

病院の廊下でデュフィの絵を見つけた。
部屋に戻って、ネットでサインを確認してみた(右下)が、馬やパドックを描いた作品も多く、これもそうなのだろう。

紫めぐりの夏

 ⇒ ”Tittenhurst、ビートルズが最後のフォトセッションを行った場所。
  (イマジンのビデオが撮られたAscotの白亜の豪邸もここにある)”
  と書いたが、Let it beの収録スタジオとして有名なTwickenahm(トゥィッケナム)と時々勘違いする。
  Tittenhurstのほうは管理が厳しいようなこともネットの体験記(1985年当時)に書いてあったので 
  事前の情報収集を怠らないようにしよう。


[参考サイト]

ジョン・レノン/『アスコットの白亜の豪邸』(Tittenhurst Park)

アスコットのジョンの家に行ったこと。

Tittenhurst Park Books (promotional video)


 

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2018年3月21日(水)のつぶやき

2018年03月22日 | いいことも起きるにきまってる旅行記
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イギリスはスピリチュアルだ

2018年03月21日 | いいことも起きるにきまってる旅行記

イギリスでは幽霊という言葉は歴史という言葉と同じくらい重要なのだという。

最近殺人事件や事故があったばかりの所で幽霊が出たとあっては、さすがに薄気味悪くて、不動産価値は下がるが、
事件や事故が昔のことであったりすると、”幽霊が出る?それは貴重な家だ。”となって、家の価格がつり上がるらしい。
(ほんとかな ?)

ましてや、その幽霊が歴史上の人物だった場合には、家が史実の証明になって、とんでもない付加価値になるんだとか。

幽霊の出る古い家をお宝のように探し回るゴーストハンターと呼ばれる人達も存在していて、
イギリスでは幽霊の存在を否定するどころか、
B&B(Bed&Breakastのイギリス風ペンションみたいなやつ)の主人のようにその恩恵に預かっている人もいる。

霊(スピリット)は邪悪な呪いの象徴ではなく、ある日突然私たちの心に触れては、
人を覚醒し、

これまでにない世界を感じさせてくれるものとされているそうだ。
イギリスのガーデナーやアロマテラピストは、気分が沈みがちになると庭に出て、心を横切る何かを待つ。
庭で花に向かいながら、暮らしの中に潜む分からないものに出会い、そこから与えられる不思議な力に身を委ねるという。
(精霊や妖精のファンタジーはいかにも英国風だが、幽霊やゴーストまでも含まれるのか。)

分からないものを切り捨てず、形のないものと生きていく。
イギリスには、日本にはない、本当にスピリチュアルな価値観がありそうなのです。
(昔、職場でご一緒した先輩にあたる方が、世界のパワースポットであり、イギリスの精神世界の殿堂として近年有名になって来た
フィンドホーンの活動に参加されたりしている。興味はあるのですが、ネス湖の傍、スコットランドなのでちょと遠い。)

( ↓ )イギリスでの超常現象はドスンドスンという足音や、バタバタと歩き回る足音で始まるケースが多いという。
(ポールと共作した頃のマイケルもスリラーを制作している。)

Paul McCartney - Dance Tonight ft. Natalie Portman

イギリス湖水地方を愛した詩人、ワーズワースについて書かれた本の表紙に使われていたのは、
アメリカの画家であるエドワード・ホッパー(Edward Hopper)だった。
ワーズワースと至福の時)

 

( ↓ ) エドワード・ホッパーの絵が満載。こういうゆったりしたタイム感で旅行できないものか。
  今練習中の「If I have to go」も、トム ウェイツのナンバーだ。
  これはデビューアルバムのラストナンバー(インスト)。 

Tom Waits "Closing Time"


どこか懐かしい郷愁を誘うところが、読んだことはないけど、
カズオ・イシグロの「日の名残り」のイメージに似ている。
(
カズオ・イシグロの世界に呼吸を合わせてみる)
(
武田巡りの旅 ~ 風林火山と日ノ丸の御旗

 

Amazonの書評が良かった。
計画中のイギリス旅行で行く方面ではないが、
イギリス南西部を舞台にした6日間の旅の物語のようだ。

100人が100通りの想像で語り続けられる)


決して風光明媚ばかりでもない曇りがちなイギリスに惹かれるのは、
キレイな分かり易さばかりではないような気がします。

閉塞感や心の闇を超えるのは、
見えない、わからない、割り切れない世界なのだ。
そういうものに心を合わせて生きていくことは、
食べたり、眠ったり、話したりすること以上に
私たちの人生に力を与えてくれるはずだ。

イギリスにはライトシーズン(5月-10月)とダークシーズン(11月‐4月)という
ケルト暦を主体にした「スピリチュアルな季節」があって、
ハロウィンは元々、悪の精霊がうごめき始める11月のダークシーズンの始まりに、
悪霊を追い払うために、
かぼちゃをくり抜いてグロテスクな人の頭に模して、
各家の戸口においたのが始まりらしい。

そもそも、緯度が高く、太陽が低いイギリスは日本に比べて空が暗い。
だから、イギリス人は薄暗い石の家に住み続けてきた。
イギリス人は明るい家を求めながらも、昼間でも白いレースのカーテンを好む。

「強い光は、人を外へ外へとかき立てる。
ところが適度な暗さは家の中でもの思いにふけったり、
心を開放して誰かとゆっくり語り合う雰囲気を高めてくれる。
こんな人間のスピリチュアルな力は、こうこうと照らされた明るい部屋よりも
暗い空間で生まれてくるのだ。」

今の日本人が本を読まず、物事をじっくり考えなくなったのは、
昼も夜も同じように明るい住環境に関係がある、という意見もある。
ビル ゲイツがマイクロソフトの本社に、曇天の多いシアトルを選んだのも、たしか同じような理由だった。
日本にも「陰翳礼讃」的な考え方はあるし、間接照明を大事にした空間は増えてきたように思う。

人には暗がりの力が必要な時がある。
悲しい時、考えごとをしたい時、恋人と語らう時、暗さはなくてはならない安らぎとなる。
礼拝堂のほの暗い空間には、人間の心を形の見えない神に向かって開かせてくれる力がある。
暗がりは人の心を豊かに育むスピリチュアルの基盤でもある。

渡部昇一氏(魂はあるか ~ ”最終的にはそこに賭けるか賭けないかだ”)
もそうだし、マルチな科学者でありながら「霊界通信」を著したスウェーデン ボルグイマジンの世界観)など、
人知の及ばない世界の存在を感知しようとした先人は数多いる。

スウェーデンボルグの著作は、Wikipediaによるとその多くが大英博物館にあるらしいので、それもまた愉しみ。

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2018年3月20日(火)のつぶやき

2018年03月21日 | いいことも起きるにきまってる旅行記
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2018年3月19日(月)のつぶやき

2018年03月20日 | いいことも起きるにきまってる旅行記
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魂はあるか ~ ”最終的にはそこに賭けるか賭けないかだ”

2018年03月19日 | いいことも起きるにきまってる旅行記

渡部昇一氏はちょうど今から一年前、2017年の4月に亡くなったばかりでした。

このような先達の方が、本にしてまで伝えたかったことには虚心坦懐に耳を傾けてみたいと思う。

(今回の入院にあたって、イギリス関連の本を沢山持ち込みましたが、
渡部氏もオックスフォード大にいらしたこともあって、イギリスへの造詣も深い方だ。)

重そうなタイトルの本ですが、
別に今回の入院をそれ程に悲観しているわけではありません。
ただ、ある意味、誰もができる経験でもないので、そこから何かをつかみたいとは思うのです。

”これから語ろうとすることは、私自身の八十有余年の体験と、その間を通して学んできたことの中から、
私自身が納得して掴み取った心の平安と魂の安らぎについての考え方です。

シニア世代にはシニア世代なりの知恵と経験がある、と言うかもしれませんし、確かにそうでしょう。
しかし、と考えてみてください。
この経験は、実人生の社会における経験や、仕事上においての実績だけなのではないでしょうか。
果たして精神世界での経験を多く積んできたのでしょうか。
私たちは忙しさにかまけて、実人生とは別の精神的なことについて、深く考えてみることを怠ってきたのです。
多感なある時期はともかく、やれ受験だ、就活だ、仕事だ、と忙しいその後の人生を送るうちに、
精神的思索はいつの間にか切れて、ずっと生活上の知恵を積み重ねてきただけだったのです。
そして、シニア世代となってきたことを自覚する頃になって、ハタとそこに気づくのです。”

『私は自分が何処から来たのかを知らないように、私が何処へ行くかを知らない。』
(パスカル /「パンセ」)

”自分が何者かを知っているように思っていても、
実はただこの場にポツンと生きているだけで、その先はどうなるのかを知りません。
いずれ死ぬことは分かっているが、知っているはずの死さえも、
実はまったくどんな世界だか分かっていない。"

誰にでも100%起きる現象であるのに、
人類史上いまだかつて、誰もが納得できるような形で説明されたことがないという不思議。

Eleanor Rigby - PAUL McCARTNEY

”若い頃ならまだまだ時間も残されていますし、是正が利きやすい。
けれども、年齢を重ねれば重ねるだけ、時間と未来がなくなり、
一度投げやりになると、どんどん投げやりになってしまいかねない。”

その通りだと思います。
昔は、年齢と共に人は成熟してゆくものだと思っていましたが、
そんな単純に立派に熟成していくという訳でもないと思う。
辛いことや嫌な経験が勝てば、若い時立派だった人でも偏屈になったりもするし、
調子よく幸運が続けば、傲慢な人間になることだってあると思う。
むしろ、年齢を重ねていくうちに、
若い時分には練れた人だったのがどんどん狭量になっていくこともよくあるらしい。(
I'm so sorry ~ イギリスには憲法がない

いい悪いではなくて、きっと環境に適応せざるを得なかっただけのことだ。

( ↓ ) 入院前日、ホールを重ねた終盤になって、投げやり気味になってしまったゴルフ。

仕上げの段階で腐らせてしまっている。

( はじめてiPhoneのスキャナ・アプリを使ってみた。)

残り7ホールのうち、10叩きのホールが3つで、ハーフ60という凄惨さ。
しかし、10を叩いた3つを除けば、8叩きのホールもあるのに、6つで30、

つまりボギーペースで廻れている。80台を出せてもおかしくない部分もあった。
そんなに球がイっていないわけでもなかったことが分かる。

 



渡部昇一氏は、
数学者や実験物理学者でありながら、思想家・哲学者でもあった
パスカルの
”賭けの精神”を知った時、目からウロコが落ちる程の衝撃を受けたといいます。

「神は、あるいは死後の世界はあるかないか」選ばなければならないのなら、
どちらの方が私たちにとって利益が多いのかを考えてみようというのです。
「神はない」のほうに賭けて、精神的充足感のない人生を送るか、
「神や死後の世界はある」のほうに賭けて、精神的に喜びや満足の得られる生活を送るのか、
どちらに賭けようが生きている間はリスクは全くないし、失敗もないのなら、
どうして後者に賭けないのか、
とパスカルは問うているのだそうです。

17世紀、同時代のデカルト以降、物心二元論(すなわち精神と物体を別物として考える)が中心となりますが、
パスカルは数学者として、リスクの発生する確率論の上に立って
信じるか、信じないかを考えれば、答えは明確だ、
信じるか、信じないかは、最終的にはそこに賭けるか賭けないかだ、ということを言ったのです。

私たちの実人生は、あらゆる時点でどちらかに賭けながら生きている、
まさにタイトロープな人生なのに、特に若い時にはあまりそれに気が付かないという。
よりリスクの少ない方を選んだり、リスクを避けながら生きて、よい退職を迎える人もいれば、
うまく往けばトップにまでなれたかもしれないけれど、リスク・テイクをした結果、恵まれた境遇にいない人、

あるいは、そのどちらでもない、中途半端な人。(たぶん私はこのあたり。)

Tough On a Tightrope

 

 

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花咲く春に会う。(2018年3月 / 2度目の入院へ)

2018年03月11日 | いいことも起きるにきまってる旅行記

初夏から続いていた経過観察でしたが、
腫瘍マーカー(CEA値)が徐々に上昇してきたため、先日はじめて髄液検査というものを体験しました。

”意識の中で志向されるものは、「一リットルの髄液」内の活動によって生み出されていて、
人の意識は世界中を飛び回っていると錯覚しつつも実は狭い脳髄を一瞬たりとも離れない脳内現象としてこの世界にある。”
と茂木健一郎氏の本で読んだことがあって、髄液検査という言葉に少々恐れをなしていましたが、

(若冲の雀 ~ 一リットルの脳髄)
検査で採ったのはわずかに10cc。
しかも、髄液は再生産されて、一日に500ccの髄液が入れ替わっているのだとのこと。
”別に恐れをなすほど、大事な貴重なものを取られるというわけでもなさそう"に思えたのですが、
局部麻酔をして腰骨の辺りから採取する際に、神経に触ると痛いと聞いていた通り、
検査中に一度、左足の太腿辺りにビクン!と衝撃が走りました。

肉離れか腱断裂でも起こしたかとびっくりしましたが、
痛みは一瞬で、尾を引くということもなく、検査終了。

およそ一週間を経た3月9日、癌細胞は髄液から検出されなかったという結果報告を頂いて、
ひと安心ではありますが、
新しい薬(血管新生阻害剤)を追加投入することが決まり、数日から一週間程度入院することになりました。

( ↓ ) 検査結果を聞いた日は、三寒四温の春曇りの季節。

「花咲く春に会う」花が咲く春のように、ふさわしい時にめぐり合って世に出る)という言葉があります。
種は、土の中に潜っていて、周囲の種が芽吹いていることなんて分からないはずなのに、
揃ってふさわしい季節に芽吹き、花を咲かせる。

春は雨も運んで来るけど、それは明るくて温かい季節へと向かう吉兆でもある。
前回の入院の時そうしたように、入院する自分を景気づけようと、
2020東京五輪のポロシャツを買い求めました。
(もともと入院時に着るTシャツを、と思っていたのですが、
計画中の初夏のイギリス旅行に着ていけるなぁとか横道にそれたことを考えていたら、
ポロシャツを買ってしまっていました。
今年2018年の6月で癌から帰って来て丸5年ですから、
7月に予定しているイギリス旅行は、
そこからの再出発でもあります。
2020で終わり、ではありませんが、ラップを切って、
7年目の2020年までをしっかり過ごすことを心がければ、より生は充実するはずでもあります。)

 

そして、2018年の3.11は、あれから7回忌の日。(梅が清々しく香る頃)

前日には浅草寺を訪れ、その後北上して、清らかな梅の香りを偲ぶ。

( ↓ ) いつもの雷門ではなく、かつては随身門と呼ばれた二天門から本堂へと向かう。
(どこか”髄液”っぽい。)
ちなみに、雷門の正式名称は「風雷神門」というらしい。
(浅草寺の護法善神(仏法を守護する天部の神々)は水を司る龍神とのこと。)

 ⇒ 浅草寺について詳しい:http://www.senso-ji.jp/guide/guide11.html

本堂天井の怖そうな龍を寿ぐのは天女。(性別不明)

( ↓ ) 浅草寺といえば、雷門や仲見世、本堂ばかりだったような気がする。

浅草神社を意識したことがなかった。

( ↓ ) 花柳寿輔という人は、日本舞踊花柳流の初代家元で、
江戸時代から明治時代にかけて歌舞伎界の中心的役割を果たした、とのこと。
句碑「雷は田町をよけて鳴りわたる」の横で芽吹いている、春の瞬間の柳に出逢えた。
花ではなく柳だが、まさに「花咲く春に会う」的だ。

浅草寺を守護する龍神を詣で、雨風をもたらす春の龍の背中に乗ったかのように北上して家まで帰ってきました。

春の嵐の後、いつもの道から、清らかな香気に包まれて光り輝いているかのような梅の様子が見える。

あらためて、梅のかいな(腕)の美しさに気づいた。

花嵐という言葉が、桜の為だけにあるものではないことにも。

 

周囲と違っている梅の姿を見つけた。

白梅でも紅梅でもない。
花の半分だけ、紅が差している者。
花びら全体を紅色に染めたが、ついている枝の中で、ただ一輪の紅になっている者。

イングリッシュマン・イン・NY的な梅。(エイリアンだったか)

 

 そして「花咲く春」は桜にも訪れようとしていた。

さて、

毎年飾っているPOLUSのカレンダー、今年は例年と趣向が変わって世界各地の写真になっていて、
1月始まりが、奇しくもロンドンだった。
昨年暮れ頃から、行ける時に行っておこうと旅行のプランを考え始めている場所だ。

タワーブリッジは、船の往来が多かった昔は一日に五十回も跳ね橋が上がり下りしていたらしいが、
今では一日に数度しか見られないんだとか。

そういえば、近頃 ♪ ロンドン橋落ちた~♪ って歌を聴かなくなったよな気がする。
(後記:London BridgeとTower Bridgeは、よく間違われるが、別物らしいです。はい。)

 

 入院したらイギリスの本でも読んでいようと思います。
(右は春節過ぎの銀座一丁目にて。
 二軒目でロンドン⇔リバプールを往復せずともマンチェスター経由でリバプール入りするナイスな提案を頂けた。)

 

 Paul McCartney - London Town - Lyrics

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再開 ~ いいことも起きるに決まっている旅行記

2018年03月08日 | いいことも起きるにきまってる旅行記

今も続く3週間毎の通院、
退院して丸4年を経て5年目に入ろうかという昨年初夏の検査で、
おさまっていた癌細胞の転移活動が検知された。


夏場には閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる、
視界の片隅に万華鏡のようなチカチカが現れては消える体験もした。


その後、半年以上MRIをはじめとした検査を受けながら経過観察をしていたのですが、
何かの間違いという訳でもなく、緩やかながら徐々に勢力を増しているようで、
年明けの検査では徐々に上昇していた腫瘍マーカー値も閾値を僅かに超えてきました。

いよいよ、癌細胞がタルセバへの耐性を獲得した可能性もあるというので、
痛いと言われる髄液検査も先日受けることに。
(局部麻酔はするのですが、神経に触ると痛いらしく、
まるで肉離れか腱断裂でも起きたか、という、ビクン!という足の太ももへの衝撃を体験しました。
痛いというよりは、ショックが走ってビックリって感じ。)

検査結果はまだ出ていないのですが、
遺伝子検査も行なって、次の治療方針を決めていきます。

 もう桃の花の咲く季節、寒さも緩んで春めいて参りました。 
 

以前にも採り上げた家の近くの桃源郷の様子です。

(桃源郷)

(夢の桃源郷 ~ The long and winding road)

さて、これまであまり縁がなかったのは占術の世界。

 

人知で知覚することが出来ない世界があると分かっていながら、
科学的なエビデンスが不十分であるがゆえに遠ざけがち。 怪しい感じもする。

( ↓ ) 今年は1月からブルームーン(1ヶ月の間に2度目の満月)が訪れ、逆に2月は満月が一度もやってこない特別な月で、
   この3月も1月と同じように満月が二度浮かぶ月。

今から8年前
 ― といえば、2009年か。このブログを始めたのが2009年の4月4日だった。―

の1月~3月が同じ状況だったという。

おまけに今年1月の二度目の満月は、皆既月食も重なる”スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン ”だった。
(皆既月食の赤い月の見え方が違う件

 

でも、”怪しい感じ”にも、実は大した根拠はない。

人は現実的な世界にのみ生くるのではありません。

(心的現実性こそが重要である)
(断片のキラメキとはそういうことだったか ~ 断片にある真実と祈りについて
(カズオ・イシグロの世界に呼吸を合わせてみる

その世界に、挫折や失敗、拒絶や屈辱を見るのか、
それとも、立ち上がり、正義や愛を武器に携えて、希望や幸福を見ていくのか。

たとえば小説を読むように、自らを主人公に見立てたVRやエンターテイメントとして、
占術の世界を捉えてみたら面白いと思う。
占術によって心持ちを変えることができれば、世界も変えていけると思うから。

近頃は、VRやARに加えて、MRやSRという言葉も聞くようになった。
 ⇒ VR / AR / MR / SRとは?概念から実例まで違いを徹底解説

私としては、 Augumented Realityがあるのなら、
Diminished Realityというのがあってもいいと思う。
痛さや辛さがディミニッシュされる世界。

( ↓ )  戦乱の世の中においても、占術は用いられていた。

 

「天地人」というが、天の部分を欠いては事は成らないことを、
今のように科学ばかりに頼れなかった時代の戦国武将は、きっと今より分かっていたし、重視していたのだと思う。

(天地人~棚田を見に行く

 

 ( ↓ ) 節目節目の時に家族で訪れるイタリアン・レストラン。(祝 ~ 春はまたいつだってやって来たよ。)
   あまり美味しそうに写ってませんが、定番のリゾットはもちろん、
   海老クリームのフィットチーネがコシがあるのに滑らかで美味しかった。   

 

レストランへは車で出かけたのでアルコールというわけにもいきませんでしたが、
晩には、ようやくアルコールが飲めるようになった子供たちを含めた家族全員で友人から貰ったワインを空けました。

 

 ( ↓ ) 番外編。赤羽の洋食屋で入院が決まる前に景気づけをしてもらった。
     SNOWアプリでいじった写真は、普通に撮っただけでも肌がきれいに写る。
     フィルターかけて、顔を引き延ばしたりデフォルメすれば、一種のAR/拡張現実だ。
   (ピアノの先生曰く、SNOW使ったら、他のカメラでは自撮りしたくなくなるらしい。)
     ミルクティーサワーなんて初めてでしたが、タラコスパゲッティは炒めたのがいい。
     学生の頃は、むしろ炒めてあるのが普通だった。

 春は雨もまた運んで来る。

夏旅行を計画し始めたイギリスも曇りや雨が多い土地柄だが、
雨もまた讃えようと思うのです。

TOTO Africa アフリカ / 歌詞

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