右膝を痛めてしまいました。
捻挫した古傷が冬場に疼くようなことは以前からありましたが、今回は痛みがなかなか引きません。
まずは接骨院に行くと、半月板の異常とかではなく、靭帯を痛めている可能性が高いとの診断。
前に肩を痛めた時(腱板損傷)に、劇的な効果があった鍼灸にも通いました。
患部の右膝に鍼灸を施す前に、右腰や右の股関節に痛みの原因があるとのことで、
そこの鍼灸から始まったのですが、
それだけで、びっこを引きながら歩いていたのが嘘のように、院内をすたすたと歩けるようになりました。
これには驚き!
右腰の骨盤あたりといえば、二年前に転移による圧迫骨折の診断があったところ。
嘘のように良くなったのですが、知らず知らずのうちにかばっていて、体を歪め、痛みを生み出す原因になっていたのかもしれません。
しかし、一回の鍼灸では痛みを取り去るには至らず、念のため整形外科を受診。
MRIではなくレントゲンによる所見ではありますが、特に骨折やヒビは見られず、軟骨の摩耗が痛みの原因ではないかとのこと。
痛み止めを飲んで、だましだましでは、かえって良くないのではと思いましたが、
鎮痛だけでなく消炎作用もあるので、ちゃんと飲んだほうがよいとの指導に、なるほど。
(二年前、ずいぶんお世話になった鎮痛剤、ロキソニンのような名前の湿布。
冷やすだけではなく、皮膚から薬効成分が吸収されるとはまるでニコチン・パッチのよう。湿布も進化してるんだな、と感心。)
病気は、外に発せられるべきエネルギーが、体の内部に発せられてしまったもの。
病いを単に病としてだけ片付けるのではなく、上手に体の外側へエネルギーとしてシフトする発想を持てば、
病いはチャンスにもなる。
同様に、痛みもまた、一種の才能であり、何かを成し得るチャンスやエネルギーに転じることができるのではないか。
こうも痛むようでは、右足を軸にした、ツイスト打法をベースにしたスイングをいつまでも続けるわけにもいかなくなってきましたが、
(必殺 アックス・ボンバー ~ 「勁(けい)」のエネルギーの体現者たち)
これは、スイング改造のきっかけ、千載一遇のチャンスなのかも。
基本的な考え方は、タイガーが取り入れたスタック・アンド・チルトに似ている。
しかし、左足を軸にした打法は、正確性はともかく、飛距離の面では必ずしも有利に働かない、
体力のある欧米人向けのセオリーだという意見もあります。
しかし、捉え方の違いなのかもしれません。
左足重心打法が何に対して画期的な理論なのかを読み解いていくと、
従来のボディターンによる二軸打法に対するアンチテーゼとして説明がされている。
(二軸打法による冗長な楕円軌道ではなく、遠心力が最大化する一軸の円軌道で、スパーンと振っていく。)
決して、右足軸に対して、左足軸のほうが優れているという説明にはなっていない。
一方で、「左重心スイング理論」だからといって、右足をないがしろにすることはなく、右足の使い方についてもきちんと言及されている。
曰く、右足を伸ばして、右サイドを高くしたトップから、左足軸で振っていくというその理論は、
「右足を倒しこむように使え」、という吉田一誉プロの教え に通じるものがある。
右足体重を常に意識して、右足をグッと踏み込んでいく、右足軸打法だけが、右足のフル活用ではない。
右膝に過度な負担をかけずとも、左重心のバランスの中で、右サイドのパワーを最大限に活用できる体捌きがあるのではないか。
そもそも、ここ数年の私のなかで、際立って安定し、得意としているのは、実は2打目のUtility。
(200Yard以上残しても、まったく苦にしない。ドライバーを曲げても挽回できる。
アルバトロスを決めたのも2打目のUtility。220-230Yardあっても、乗らずともグリーンを狙って撃てる。)
そのUtilityを打つ時のスイングをドライバーにも活かしていく発想が、これまで、なぜか無かった。
ドライバーは右足重心のツイスト打法なので、別モノだった。
片や、Utilityを打つ時は、上からダウンブロー気味に、しっかり叩きに行きますが、ミートを重視したバランスを大事にしている。
シャフトにこだわるわけでもなく、十年以上も前のパワートルネード(R)。
右足重心やツイスト打法でもなく、ヘッドスピードを上げて振りに行くぞ、とか思わず、クリーンヒットを大切にしているだけ。
この邪念の無い振りを、ドライバーのスイングに活かしていけばいいではないか。
右足重心の呪縛から逃れて、右足を伸ばして、倒しこむように使う、バランスのよい一軸打法としての「左重心」。
にわかには信じ難いが、小暮氏によると、
当代随一の飛ばし屋バッバ ワトソンも、バックスイングで後ろ足を伸ばして行き、(これを後ろ足軸とは言わない)、
前足の一軸で積極的に腕を振っていく、本理論でいう左重心スイングなんだとか。
( ↓ ) この説明で、左重心(すなわち、右腰を高く伸ばして使うスイング)が、理にかなったパワフルなものであることを理解した。
トップで右足を伸ばして右サイドを高くすると、高低差のあるピッチャー・マウンドの如く、「等加速運動」となり、重力を利用した強いスイングになる。
逆に右サイドが低く下がってしまうと、あおり打ちのアッパーブローになって、ヘッドスピードも上がらない。
捻転ではなく、「回旋」スイング。
(腰60度+肩30度+腕のインサイドへの角度45度で135度、ダウンとフォローで2倍の270度の角度差を使って「回旋」する。)
( ↓ ) この図解のイメージも秀逸。すばらしい。
インサイド・イン軌道と言うと、なにやら引っかけやフックのイメージが湧いてくるのだが、
「三角形の一辺(③)をストレートに上げる」と説明されると、
安全にアウトサイドに引いていくテークバックのイメージすら湧いてきて安心する。
「回旋」運動、等加速運動、いずれも無理なところがないが、
このテークバックもシンプルで無理がなく、完成されたものすら感じる。
痛み止めを処方され、骨にも異常がないことが分かったので、歩いたり小走りすると痛いのだが、
練習場で無理のないスイングなのかどうか、試しに行ってきた。
へ理屈かもしれないが、体も機械と同じで、動かしてやらないと、軋みは解消しないような気がする。
炎症さえ鎮まれば、骨を潤滑に回すことで、消えていく痛みもあるような気がする。
スイングしてみて、本当に無理がなかった。
右足を伸ばして、倒れこませるように使うだけだと、変に右膝を押し込んだり、捩じったりしなくてもいい。
過度な膝への負担を回避し、ミートを大切にし、力学的にも納得感の高い回旋スイング。
ケガや痛みを才能、というか、きっかけやエネルギーに変えていく。