日付が変わるだけなのだけれど

　さあ、大晦日。　たった１日変わるだけなのだけれど、これが新年への区切りというものなのね。　恒例の母ネタで締めくくろう。

　実家に現在も飼われているペットはミミシッピ・アカミミガメ。　過去にはあらゆる動物が居たが、今やこの１匹の雌ガメだけである。　今の私の住居はペットが飼えないマンションだから、実家にて母親が面倒をみている。　立派な特定外来種の生物だが飼ってみれば可愛いもので「カメリア」なんぞという洒落た名前を持つお年頃の御嬢サマだ。
　さて、ときおり母と泊まりがけの旅行にゆくが、１泊２日の小旅行をした時のこと。　楽しく日程を終えて、母は自分の家に戻った。　そして、「カメリア」の水槽を早速覗いた彼女――
　ピクリとも動かず目を閉じている姿に動転し、水槽ごと揺すったらしい。　それでもカメリアは微動だにしない。

し、死んだぁ！

　母親は泣きながら、「ごめんね！　カメリアごめんね！　餌をもっと入れていけば……」
　と、旅の余韻も吹っ飛んで涙にくれた。
　その時、カメリアがゆっくりと目を開けて至極迷惑そうに睨み返した。

　周囲が暗い状態の場所にカメの水槽を長時間置いておけば、ほとんどジ～ッとしている。　ミシシッピ・アカミミガメは極端な寒さには弱いが、それ以外かなり強い生物だ。　餌が無くても数日なら平気なぐらいだ。
　小心者の母が、大切なペットを失ったと瞬間的に思った悲しみが安堵に変わったという顛末を、翌日の電話で怒涛の勢いで話すのを聞き、気の毒やら可笑しいやらであった。

　では、皆さま良いお年をお迎え下さいませ。

年末大掃除

　激動と波乱の２０１２年も残すところ２日ばかり。　暑い夏からいきなり厳冬が訪れ、早くも年の瀬を迎える。

　本日のメインイベントは家の大掃除であった。　全体の掃除機がけと、普段適当に掃除していた場所の徹底清掃をした。

　とはいえど、子供の頃に実家で行なっていた大掃除には及びもつかない。　実家は純和風だったから、昔ながらの掃除方法を家族全員で頑張っていた。
　畳には記号を裏に書いてから全部外に出す。　なぜ記号を書くかというと、元に戻す時に位置が判るようにするためだ。
　きれいになった畳と床の隙間に比較的新しい新聞紙を敷く。　縁の下に消石灰を撒く。　襖を全て貼りかえる。　まるまる１日かけて丁寧に行なうから、昼食は母の作ったおにぎりを車座になって食べていた。　たまに古い本とか手紙とか整理していたら読み始めてしまい、手がすっかり止まってしまうこともあった。

　そんな『サザエさん』みたいな光景を思い出しながら、マンションのフローリングに家具を再び配置した。

2012 メリー・クリスマス

　今夜はクリスマス・イブ。　昨年も寒波襲来と書いたが、今年はそれにも増して寒い。
　「あ～いむ、どりーみんぐ、おぶあ、ほわーいくりすま～す」
　と悠長に歌っていられない場所も多々ある。
　それでも、やはり皆さんが楽しく健やかなイブを過ごされることを祈らずにはいられない。

哀愁のミニコンポ

　クリスマス目前に我が家のオーディオシステムが壊れた。
　この秋からたて続けに不良化する家電製品たちであるが、まさかここまでとは思っていなかったので、かなりのショックである。
　メーカーの人に来てもらったら、経年劣化の為に部品が完全に壊れているとのこと。　１２年間も動いたので、ある意味よく頑張ったといえよう。　もちろん廃品にするしかなく、急遽買い替えの必要に迫られた。
　さあ、困った。　いまどき、オーディオの類はよほどの専門店に行かなければ満足のゆく品は在庫がない。　メーカーそのものが古い製品など作っていないのだから、妥協に妥協を重ねて探してみた。
　実家に父が遺したようなオーディオ一式などは到底あるわけがないので、ミニコンポでも良いからと量販店等に電話をしまくって、かろうじて期待の持てる返事があった店へ向かった。
　すると、ミニコンポが１０種類ほど並んでいたのは嬉しかったのだが、自分にとって不要な機能が搭載されており必要な機能が何れにも付いていない。
　ＣＤ聴ける、これは当たり前。　ラジオが入る、これはどちらでもいい。　ＭＤ対応、これもどうでもいい。　現代においては古くなった機能になりつつある分野の名残みたいなもんである。
　ｉＰｏｄとかスマホとかに対応、別に私は欲していない。　超薄型でインテリア重視、それでは本体用のスペースが余計に要るから邪魔になる。
　しかし、最大の妥協点はカセットテープが使えない点と、レコード・プレーヤーと接続出来ない点なのだ。　過去の遺物の２大代表格みたいな機能が本当は付いていて欲しかった。
　斯くして今、リビングに鎮座ましますシステムコンポは、ＣＤを聴く為だけのミニコンポ様である。

寒、寒、寒っ！

　猛烈な寒波のせいで、寒過ぎる日が続いている。
　当地のような温暖な場所でボヤいていては雪国の方々に笑われるかもしれないが、寒いものは寒いのである。　水道水に暫く触れていると手が痺れてくる。

　子供の頃、祖母が言っていた。
「家の中で一番暖かい所は御便所で、一番寒い所はコタツなのよ」
　何故ならば、トイレではお尻丸出しで居なければならないのに
「あー、寒いぃ！」
　と大声で叫びつつ座っている人はいない。
　それにひきかえコタツには誰もが
「う～、さむさむ」
　と入ってくるからである。

　エアコンとホットカーペットを動員しても冷え冷えの今夜は、家で鍋料理を食べて暖をとった。　体の内から温まること、風邪に負けない免疫力をつけることに腐心している。