台風が日本列島を虎視眈々と狙っている今日、心斎橋で行われているお化け屋敷に行ってきた。
ストーリーとしては、父の田舎のお祭りに立ち寄った主人公が祭り境内の異変に気づいて……といった内容となっているのだが、惜しむらくはこのストーリー性がさほど強く活かされておらず、一方通行で通路をゆっくり歩んでゆくのみな点だろうか。
ところが、その一方通行で出店の間を静かに進む形がお化け屋敷として見事に成功しているから驚いた。
会場の狭さを上手く応用した構成に感心する。 スタッフはごく僅かな人数であり、怖がらせる為の可動する機械仕掛けもほとんどないが、その“何者かに導かれるしかない” 状況下で、ひたすら己が前進する薄暗い参道は狭く、自ら触れることの出来る物も全くない不自由さが実に面白い。
いわゆる「無い無い尽くし」が醸し出す緊張感が斬新で、ここ数年以内に訪れたお化け屋敷のうちでは最も楽しめた。
お化け屋敷マニアな方々にむしろお薦めしたいと思う。