哀愁のミニコンポ

　クリスマス目前に我が家のオーディオシステムが壊れた。
　この秋からたて続けに不良化する家電製品たちであるが、まさかここまでとは思っていなかったので、かなりのショックである。
　メーカーの人に来てもらったら、経年劣化の為に部品が完全に壊れているとのこと。　１２年間も動いたので、ある意味よく頑張ったといえよう。　もちろん廃品にするしかなく、急遽買い替えの必要に迫られた。
　さあ、困った。　いまどき、オーディオの類はよほどの専門店に行かなければ満足のゆく品は在庫がない。　メーカーそのものが古い製品など作っていないのだから、妥協に妥協を重ねて探してみた。
　実家に父が遺したようなオーディオ一式などは到底あるわけがないので、ミニコンポでも良いからと量販店等に電話をしまくって、かろうじて期待の持てる返事があった店へ向かった。
　すると、ミニコンポが１０種類ほど並んでいたのは嬉しかったのだが、自分にとって不要な機能が搭載されており必要な機能が何れにも付いていない。
　ＣＤ聴ける、これは当たり前。　ラジオが入る、これはどちらでもいい。　ＭＤ対応、これもどうでもいい。　現代においては古くなった機能になりつつある分野の名残みたいなもんである。
　ｉＰｏｄとかスマホとかに対応、別に私は欲していない。　超薄型でインテリア重視、それでは本体用のスペースが余計に要るから邪魔になる。
　しかし、最大の妥協点はカセットテープが使えない点と、レコード・プレーヤーと接続出来ない点なのだ。　過去の遺物の２大代表格みたいな機能が本当は付いていて欲しかった。
　斯くして今、リビングに鎮座ましますシステムコンポは、ＣＤを聴く為だけのミニコンポ様である。