迷宮トイレ

　先日、ある商業施設のトイレを利用し、化粧スペースを含めた全体の広さにまずちょっと驚いた。
　そのような公共のトイレ設備に関しては大抵慣れているのだが、この時ばかりは随分と大きな所だなと感じた。　だいたい新しいホテルのロビーや百貨店の婦人用化粧室というものは、昔に比べて格段にデカい空間が割かれている。　それをふまえても広かった。
　個室は左側にズラリと並んでいるのだが、右側に化粧及び身なりを整える空間が、どど～んと拡がっていてそちらのほうが特筆すべきなのだった。　壁際に　“女優鏡”みたいな照明が付いた椅子掛けの化粧台が一直線に１０台ほど並んでいるうえに、荷物も置けて立ったまま鏡で上半身をチェック出来る鏡台がアイランドキッチン仕様で（喩えが変か？）配置されている。　動線部分が狭かったら窮屈といえるけれど充分な通路も確保されている。
　さて、自分が化粧台を利用していた時、ほぼ貸切り状態だった。　直後に手洗いを終えた６０歳代ぐらいの３人組が、鏡台の側にやってきた。　すると彼女達は口々に慌て始めたのである。
「あれ？　出口どっちやった？」
「えー、こっちと違うの？」
「……どこから入って来たっけ」
「えええっ、ちょっと判らへんやんっ」
「あはは～、ホンマ判らんわ」
「私ら、迷ってるワ、嘘みたい！」
　んもう大騒ぎである。
　振り向いて教えてあげようかとした瞬間、ひとりのかたが気づいたようで
「こっち、こっち♪」
　と、ようやく去ってゆかれた。
　改めて見廻せば、確かに広大な面積だけでなく、矢鱈と明るいボール・ランプが壁全体にも貼られた鏡に反射して、光っているわ己が姿が映るわで、出入口が本当に見当たらなくなりそうだ。
　何かに似ていると思えば――
　『燃えよドラゴン』の最終決戦場所だった。

今更ＰＳ４買う？

　自身がゲーマーといえども、電車の中でスマホ・ゲームの画面に熱中してばかりな層と一緒くたにして貰いたくないッ、っちゅう勝手な考えの私である。

　思えば、シャカシャカ音を響かせながらウォークマン（知ってますか？）をほとんどの若者が聴いていた時代があって、それが他のポータブル音楽プレーヤーになり、いつの間にかスマートフォンに機能が集約されていたから、かつてよく目にした光景と変わらぬと言えるのだが。
　但し、歩きスマホにスマホ運転、及びスマホに子守りをさせる馬鹿につける薬は無いからな！
　おっと、話が脱線した。

　スマホ・ゲーム以前に、携帯型ゲーム機に移行したナンバリング作品が次第に劣化していった過程がある。　勿論例外もあるけれど、大きな画面に耐える内容でなければ、筋書きや画像演出、音楽もいい加減にならざるをえない。　数多のアドベンチャー・ゲームが消えていった原因のひとつだ。
　今になって、過去ゲームを紹介して欲しいとか要望を寄せられるのがその証拠かもしれない。

　さて、『龍が如く　極』を固定機で現在遊び続けている。　ＰＳ『龍が如く』として発売されたものを、若干ストーリー追加をしてＰＳ３及び４でリメイクした作品。　ビジュアルは格段に進歩し、ボイスも充実の出来栄え。
　ところが、いざプレイして判ってきたのは、説明的に追加した部分の挿入箇所がもたらすテンポの悪さとか、過去作全てをやっていなければ面白くないであろうネタとか。
　当初の予想は外れ、どうも今年の「勝手にゲームソフト大賞」の候補から除かねばならないようだ。
　こうなれば今秋ＰＳ４のみで発売の次作に期待したい。

そんな私、ＰＳ４持ってないんです。

清原よ

　やっぱりという意見と残念という感想が多数であろう清原和博の逮捕。

　弱さを隠す為の強がる態度も服装も、大人になりゃ自由だ。　しかし、人としてやっていけない犯罪に手を染めた。　薬物から抜け出すのはハンパなく難しいぞ。
　芸能人などではシレッと再活動している者もいるが、その過去は巷の記憶から消せない。　もしも、一度止めようとしても不可能だったり、いつまでも繰り返したりすれば信用を取り戻すのはまず無理になる。

　アルコールの闇に消えていった「中島らも」という作家がいた。　最終的には自業自得の事故だったけれど、薬物をも数々使用していた。　そんな彼が作中に書いていた言葉が
「シャブ（覚せい剤）は、下の下である」
　という内容であった。

　邪気を祓う今日は節分。
　清原よ、人間の世界に戻る最後の機会は、今だ。