『ロンドンの傘』

　雨が降った日、家人が上機嫌で帰宅した直後に何やら血相を変えてあたふたし始めたと思えば、曰く
「小銭入れが無い」
ジーパンのポケットにある筈が、何処にも無いと言う。

マンション入り口で夕刊やチラシをポストから出して、エレベーターで上がってくる行動のどの場面かで落としたらしい。
いつも小銭入れの中に家の鍵を入れているので、《部屋に入る事ができて手元に鍵はある》イコール《少なくともマンションの敷地内で落とした》という図式が成り立つ。
セカンドバッグの中も、着ているブルゾンのポケットも、探したけれどみつからない。
机に並んだ小物は家の鍵、自転車の鍵、千円札数枚、ライター、腕時計など。
まさに、探し物はなんですか～♪状態である。

夕刊を取る時に落としている可能性が高そうだが、あくまでも想像でしかない。
今上がってきた行程を、逆に辿るべくドアを開ける家人の背中に向かって「絶対みつかるよ」と言えば、
「万が一無くても、３００円ぐらいしか入ってなかったし」と言う。
中身より財布のほうが高いわい！

数分後、むっつりと戻ってきて「やっぱりみつからん」
そこで御大のお出ましとなる。
ジャケットをひっかけ、私は鍵を片手に玄関へ向かう。
「私が探す。　チラシと一緒に外のゴミ箱に捨ててたりしない？」
「そう思って見たけど無かった」
スチール製円筒形のゴミ箱を、犬のように必死で覗き込む家人を考えると――笑える。

さて、とドアを開けて一歩踏み出した私の視界の隅に或る物が……
「ねぇ！　傘の中は？」

家の窓枠にぶら下がった濡れた傘を家人が急いで広げる。
小銭の景気の良い音と共に、黒い革小物が落ちてきた。

　　『刑事コロンボ』に『ロンドンの傘』なる作品があった。　ちょっと、それに似ていた出来事。



　今年は皆さんにとってどんな年でしたか？
来年の幸せを願って、ゆく年を見送りたいと思います。

さよなら、ジェームス・ブラウン

　ＪＢが亡くなった――ジェームス・ブラウンが。

この手の速報はパソで知る事が多いが、夕方にＴＶニュースをぼんやり観ていたら「ジェームス・ブラウンさんが肺炎のため死去しました。７３歳でした」
……身体、やはりガタがきていたのかな。
もっと生きて、ふてぶてしいくらいにお騒がせを続けて、歌いまくっていて欲しかった。

ソウルの大御所がまた一人、この世から去った。
追悼ライブとか音屋さん達はやるのだろうか。

クリスマスの日付けが変わる前に、彼のレコードを引っ張り出して針を落とすことにしよう。

星降る夜

　このブログをお読み頂いている方々の星降る夜に幸多かれと祈ります。

クリスマスが終わったらあっという間に片付けて、迎春準備に入るという日本人のあり方、私は好き。
他国のイベントを多様に消化してゆく考えを持つ日本は、広意義において「自由」なのだと思う。
（もっとも、古来正月の風物詩が消滅の一途を辿る様子は寂しいが）
メディアは特集を組み、物販は商戦を盛り上げる。
しなやかさと力強さが一体となって繁栄を続けてきたこの国を、つくづく実感する時でもある。
そして、２００７年いやもっと先まで持ち越された問題が山積みになっていても、夢見る心まで落としてしまいたくないと抗うのが人情というもの。

　あと一週間のうちに何回更新出来るか分かりませんが、よろしくお付き合い願います。
またネタ仕入れて来ますんで、ハイ。

プラダを着られない悪魔

　テンプレートを期間限定で再変更、クリスマス・シーズン中は画像無しで更新します。
華やかなテンプレートで、本人は大変気に入っております。


　明日　『００７　カジノロワイヤル』を鑑賞に行く。
他にも幾つか観たい映画が上映されているが、とりあえずコレということで。　　後日感想を書きたい。
　同じ映画館であと数日間、『プラダを着た悪魔』もやっている。　（観る予定はないが）
プラダといえば現在では十代でも知っているけれど、私がその名を最初に目にしたのは日本上陸直前であった。
写真を見れば、黒一色に逆三角形のＰＲＡＤＡのプレート――あら、素敵！と思ったものだ。
新しいイタリアン・ブランドの日本進出＆小粋なデザインに、ブランド志向ほとんどゼロな私も心が動いた。
さて、お値段はと……
…ん？
……いち、じゅう……


高っ！


そして、未だに買えずにいる。
どこかのサンタさん、買ってくんないかな～

「命」

　今年の漢字は「命」であった。
聞いた時　”究極の文字に決まった”　との感がした。
選定理由は報道でご存知の向きも多いだろう。
親王のご誕生に代表される新しい命の数々と、相反して不条理に損なわれた命の数々と、それらが今年の一字となった。

　
生か死か、両極端にして背中合わせ。
絶対に起きる或いは起きないという事が存在しないこの世で、唯一絶対不変の法則が死。
「命の大切さ」「命の重さ」と口で言うのは簡単。
基本的な情操教育がおざなりにされるとき、人間は大脳の発達した迷惑な生物へと堕する。


∽∽∽画像はオルゴール。　昨年末に掲載した使い回し（！）∽∽∽

今年の漢字

　今年を表す漢字が、明１２日に清水寺で発表される。
すっかり定着した感があるが、９５年の「震」から始まったことを考えれば、未だ年月が経っていないようにも思う。
さて、２００６年の漢字は何だろう？
ちなみに昨年は「愛」だった。
たぶんコレだという字を思いつかない。　今回は暗い字かねぇ、やっぱり。
でも　「虐」なんていうのは嫌だなー！


　画像は満月が少し欠けている時の夕刻の空。

ブログ２回目の師走

　このブログも２回目の師走を迎える。

先生も走る師走……センセイねぇ……前も書いたけれど、色々いるねぇ。
ここで考えたくない、というか考えるに値しないようなトンデモな先生たち。
子供時代に、同級生が「先生とは？」と訊かれて「先に生まれて先に死ぬ人」と答えてた頃はまだ笑えたもんだ。


　唐突だが、先程ＴＶで身近にある記号を思い出して書くクイズを見ていたら　”曇り”の記号を書けなんてのがあった。
正解は「◎」。
天気記号は勿論、等圧線も引けたのになぁー！
今じゃ、競馬予想のマークと　ごっちゃになっている自分がいる。