日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

ドラマの方言に一言

2007-04-11 13:58:20 | Weblog
この月曜日(4月9日)、BS2で「壬生義士伝」を観た。演出によるほどほどの芝居気が時代劇の雰囲気を醸し出しているのがよく、面白くてウツラウツラする間がなかった。

しかし参ったのが中井貴一扮する南部侍の『南部方言』である。あるシーンで彼がぼそぼそと独白を続けるのだが、何を云っているのやらさっぱり分からない。役者なら役者らしく口跡を明瞭にしたらどうや、とこれは私のぼやきである。

方言でもって地方色を出そうとするのはドラマ演出の一つであろうと思う。しかし役者が苦労して覚えてもせいぜい上っ面を真似るだけであろう。地方性はそれで出せたとしても、時代を遡って江戸時代の南部侍の喋りかたなんて、指導できる人が現存する筈がない。折角それなりの工夫を凝らしたつもりでも、観客に言葉が分からなければ、観客不在の独りよがりの演出に過ぎない。せめて字幕で標準語のせりふを流すべきではなかろうか。

この映画の一シーンに岩手山と桜の木の遠景があったが、今NHKの朝の連続ドラマ「どんど晴れ」に出てくるシーンに極めて似ているのでアレッと思った。芸術家の目で見たら結局同じアングルに落ち着くのだろうか。そして盛岡が一つの舞台になのである。ここでも地方色を出そうとする狙いか、ナレーターが聞き慣れない変な抑揚で喋るのだが、これが私にはしっくり来ない。『つくりもの』のように聞こえるからである。それよりいっそのこと土地の古老に『南部方言』でナレーターを勤めていただいた方が味がでるのではなかろうか。言葉が分かりにくいと思えばもちろん字幕付きで、である。

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