日々是好日

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福島第一原発へようやく国産ロボットの投入 仏では原発事故対応特別部隊

2011-04-22 17:26:28 | Weblog
私が福島原発に放射能防御の作業車両がなかったのか

そして驚いたのが、強い放射能環境下でも作業可能な放水車やポンプ車が福島原発には一台もなかったのかということである。放射能が周りに充満していても海水を汲み上げて注水や放水ができる作業車が一台でもあれば初期対応は遅滞なく行われたはずである。またロボット注水・放水車でもよい。このような特殊車両が備えられておればその動きが報じられるだろうに、そのような話がないので、もともと無かったのであろうと思わざるをえない。もしかして、日本中の原発のどこにも放射能防御作業車両が無いのだろうか。もしそうならこれは「想定外」で決して許されることではない。恐らく「秘密兵器」なのであろうが、今からでも遅くない、米軍、露軍に緊急配備して貰ったらどうなのかと思う。

と述べたのは3月18日のことであった。ロボットは日本のお家芸だなんて喧伝されていたし、当然原子力発電所では万が一に備えて強い放射能環境下でも作業可能なロボットなどの機材が備えられていると私は信じ込んでいたのに、ものの見事にその期待が裏切られそうになった悔しさを記したものである。残念ながら私の危惧は当たり、原子炉建屋内に4月18日、始めて送り込まれた調査ロボットは米国製であった。そしてようやく国産ロボットが登場のようである。

 投入されるのは、千葉工業大未来ロボット技術研究センターの小柳栄次副所長や東北大の田所諭教授らが開発した災害救助用ロボット「Quince(クインス)」。長さ66センチ、幅48センチの車体に戦車のようなクローラー(無限軌道)が大小五つ。カメラやセンサー、ドアノブを回すアームも備えている。

 2009年のロボカップレスキュー世界大会では運動性能部門とアームの性能部門で優勝した。米国の模擬災害現場で実験した際、がれきの走行や階段や坂を上る性能などで米国製を圧倒したという。

 今回の原発事故に対応するため、無線操作できる距離を2キロに延長、有線でも使えるよう改造した。遠距離操作できるよう、強い電波の使用も特別に認められた。日本原子力研究開発機構の研究所で放射線の耐久試験も。5時間かけて10万ミリシーベルトをあてても問題なかった。作業員の被曝(ひばく)線量の上限の400倍に相当する。

 東電などの作業員が操作の訓練を受けた上で事故現場に投入する予定。原子炉建屋内部の様子、放射線量、温度などの調査を期待されている。操縦者は2キロ離れたところから無線で指示を出す作戦だ。
(asahi.com 2011年4月22日15時0分)

あまりにも遅い出番であるが活躍を期待したい。ただこの記事で次の部分が目を引いた。

 実は、日本でも原発用ロボットの開発を計画したことが2度あった。

 1度目は1979年の米スリーマイル島原発事故を受けて83年に始まった、建前は「点検」用の極限作業ロボットプロジェクト。90年まで約200億円かけたが、打ち切りに。2度目は99年の茨城県のJCO事故の後。今度は事故用で数十億円使ったが、「原子炉では事故は起きない」と1年で終わった。

 「事故用ロボットを開発すると『原発事故が起きると思っている』と受け取られると考えたのでは」と広瀬教授は推測する。

この赤字で強調の部分はまさに私が原発反対運動が福島原発事故を拡大させた?

ところが強い放射能環境下でも作業可能な放水車やポンプ車、さらにはロボット注水・放水車に重装備の防護服などを原発が整備したとすると必ずや人目を引き、安全を喧伝している日ごろの主張との矛盾を突かれて、ますます原発反対運動の拡大することを原発の経営者側が懸念したことも想像するに難くない。したがって強い放射能環境下でも迅速に作業を推し進める対策をなおざりにした、と。

と述べたことと軌を一にする。言うまでもないが、このような本末転倒したような思考が重大な意思決定を左右することがあってはならないことで、この点一つを取り上げてみても、わが国の原子力政策がいかに未熟のものであったことかと悔やまれる。

日経夕刊には次の記事があった。


鉄は熱いうちに打て、である。わが国においてこそ世界最強「核事故対応機動部隊」の創設を 追記ありで述べたように、先鞭をつけるべきではないのか。

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