日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

体温計の怪

2011-07-20 14:00:49 | Weblog
今朝、ドレーンと呼ばれる排液用のチューブと、硬膜外麻酔用のチューブが抜き取られ、あとは栄養補給用の点滴チューブ一本だけが残っている。これも普通の食事に戻りつつあるので間もなく外されることだろう。ちょうど一ヶ月で全てのチューブから解放されることになる。快方に向かっているしるしであろう、嬉しいことである。

一点だけ気がかりなことがある。体温がなかなか平熱に戻らないことである。検温の度毎に37.6度前後で36度台に鳴らない。明け方など少し下がった感じであるが、それでも37度てまえである。38度を超えると解熱剤を投与する決まりのようで、これまでも点滴液による投与を数回、錠剤を一度服用している。しかし今はそこまでにはいたらないので、せいぜいアイスノンで頭を冷やすだけである。

そのうちに不思議なことにきがつきはじめた。37度台の熱が出てしばらくたって今度は自分の体温計で測ってみると総じて低めに出てくる。場合によっては36度台に出ることもある。どちらの体温計もオムロン製である。というよりもともとわが家にあったのは何十年も前の水銀柱のもので、測定に10分もかかるのに、病院のは1分もすれば測れてしまうので、これは便利と妻に薬局で買って来てもらったものである。オムロン製といっても病院のとは明らかに型式が異なり形状も違う。また私の体温計について来た説明書には同じ絵に対して二つの連番が与えられていて、私のはMC-670である。そして説明書には30秒検温のトリックが書かれていた。

体温計が水銀柱方式から電子式に変わったとしても、脇の下が体の内部温度と同じくらいに温まって平衡温度に達するには約10分かかることなので、実測にはそれだけの時間が同じようにかかるのである。ところが電子式(温度測定はサーミスターによる)では、検温開始からの温度の上がり方を分析・演算することで、平均30秒で約10分後の体温を予測でき、それを表示する仕組みになっているというのである。予測値をいつも使うことにすればそれはそれで比較に用いることができる。そこで病院の検温直後に自分の体温計で測ってみる計り直してみた。私の場合は1分測定とした。

病院の場合は約30秒経過の通告ブザーが鳴ってすぐに取り出す時もあれば、体温計を挟んだまま看護婦さんが出て行ってなかなか戻らないこともある。それで両者は厳密な比較の対象にはならないが、不思議なことに私の体温計の表示温度がかならず0.3~0.5度低いのである。もちろん体温計精度の検定をするのが第一であろうが、私の体感体温はどちらかといえば私の体温計に近い。そこで病院の体温計が高めに設定されている前提でその意味を考えてみた。

体温が高いと病人は不安がる。私の場合はどちらかといえば微熱に属するのであろうが、やはり平温に戻ってくれないことには安堵できない。一方悪徳製薬会社と悪徳体温計メーカーが手をくんで、病院には温度が高めに出る体温計をまとめて納入したとする。すると病院が定めた解熱剤投与温度に到達する患者が増えて間違いなく解熱剤の売れ行きが増えるではないか。 念のために申し上げるがこれは実在の製薬・医療機器メーカーを念頭においたものではなく、フィクションのネタととっていただこう。それにしても表示温度差の原因を確かめられないのがどうも残念である。

嬉しいことに先ほど点滴液のチューブが外されて、先月22日以来ちょうど一ヶ月ぶりでチューブから完全解放されることになった。



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