日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

舞台の写真撮影で思ったこと

2006-11-23 19:42:22 | Weblog
プロの芸術家が入場料を取って演じる舞台を、観客がカメラやビデオで撮影することは、いろんな利害関係があるので許されていないことぐらいは理解できる。しかし子供がピアノを習っていて、その発表会などで、フラッシュを焚かないとか、周りの人に不快感を与えないとか、それなりの気配りをしながら、親が写真なりビデオを撮影するのは別にいけないこととは思へない。ところがその中間の状況では問題が生じる。

過日、兵庫県立芸術文化センター中ホールで催された「ぐるっぽユーモア」によるオペラ「魔笛」の公演がそうであった。

私のカメラに手ぶれ防止機能があったので、「ぐるっぽユーモア」の以前の公演で、舞台写真をフラッシュを焚かずに撮影したところ、友人の舞台姿が思いのほか綺麗に撮れたので本人に差し上げて喜ばれた。入場料が無料の頃で、学芸会感覚であまり気にせずに写真を撮ったのである。それがきっかけになり、今回も友人に撮影を頼まれたのがことの起こりである。

開演に先立ち、写真撮影や録音はお断りします、とのアナウンスがあった。これは無料会場でもあったことなので、気にせずに撮影することにした。しかし撮影にあたってはそれなりに気を遣ったつもりである。

まず通路側の座席を占めることにする。自由席なので早くから並ばなければならないが、開場1時間前から並んだおかげで確保できた。撮影にはもちろんフラッシュは焚かないし三脚も使わない。座席で中腰になったり左右に身体を動かすようなことはしない。普通の観劇の姿勢のまま撮影する。芸文センターの中ホールは座席の配置が良くできていて、それで十分舞台が見渡せるのである。シャッター音が私の耳にはやけに響くが、周りの人に聞こえないことを願いつつ、静かにシャッターボタンを押す。

ところがこの会場では係員が客席に注意を払っていたとみえて、撮影の最中に「撮影をおやめください」と口頭で注意を受けたのである。注意を受けた以上は私も大人しくその指示に従った。せっかく楽しんでいるのに、その雰囲気を壊したくなかったからである。しかし何故いけないんだろう、と疑問は残った。

「写真(ビデオ)撮影と録音の禁止」が主宰者の「ぐるっぽユーモア」の意思なのだろうかと思い、その後友人に確かめたが、どうもそうではなさそうである。となると芸文センターの意思ということになる。しかし『意思』というほどのはっきりしたものがあるのかどうか、私には見当がつかない。一般的な規則ということで、自動的にそのようにアナウンスすることになっているのかも知れない、と思ったりもする。

一度芸文センター側に理由を聞いてみようとは思ったが、考えてみれば舞台をそのまま素直に楽しめばいいのである。舞台写真を売って生計を立てるわけでもなし、目くじらを立てるには及ばない。来年も「ぐるっぽユーモア」はこのホールで公演することになっているので、その時は写真撮影で周りに気兼ねすることもなく、私はもっぱら舞台を楽しむつもりだ。

それにしても客席で結構フラッシュが光っていた。私がその隣に坐っていたらやはり気になるから、ご遠慮願うように声をかけることと思う。私はこのような気楽な舞台では、フラッシュ使用禁止だけは徹底して、写真撮影を許してもいいように思うが、いかがなものだろうか。

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