日々是好日

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『病める国』北朝鮮にに対する『制裁』とは・・

2005-02-13 17:40:50 | 社会・政治
「国手」という言葉がある。
《「上医は国を医し、その次は人を救う」ということから「名医・医師」の漢語的表現》(「新明解国語辞典」第五版)
医学部学生に先輩たちが「先ずは国手を目指せ」と檄を飛ばし、厚生労働省への入省を勧める、そういう場面に出くわしたことがある。その志や壮である。

しかめつらしい言葉で始めたが、要は『国』も病むことがあるということを云いたいのである。日本も見方によってはいろんな病名がつけられるのかも知れない。

この地球上で国連加盟国だけでも191カ国、実数は200を超えるであろう。何を基準に『病む』と判定するかはさておいて、これだけ国が多いと人間と同様、すべてが健康そのものなんてあり得るはずがない。健常者もおれば障害者もいると考えるのが自然である。

拉致被害者の『遺骨鑑定』、『捏造』を巡って最近とみに『制裁』論が高まり、今朝のテレビ番組でもその『制裁』の論調が主流のように見受けられた。私も威勢のいい話は大好きで、これがサッカーの試合のようなものだと「やってしまえー」と直ぐに乗ってしまう。でもここは一つの国を制裁する、というのであるからちょっと考えてしまう。

北朝鮮による『拉致』は明らかに我が国の主権侵害である。
国の威信が傷つけられたからには、かならずやそれを回復しなければならない。
『制裁』はその手段の一つである。また『拉致被害者』関係者が現在の逼塞状況を打開する一つの有効な手段として主張する、その心情も分からないわけではない。だが、しかし、である。

私は北朝鮮は病める『国』であると思う。伝えられる報道で判断すると、人間で云えば『自閉症』のようなものだろうか。
『自閉症』は見たり聞いたり感じたりすることが普通人とは同じように出来ない。脳の情報処理の仕方に障害があるからで、いわば生まれつきの疾病。北朝鮮の『金王朝』誕生から死ぬまでついてまわるもので、治療によって完治が期待される疾病ではない。

『発達障害』のある人間が仮に犯罪を犯したとしても、鑑定結果によっては無罪とされる場合もある。それに文明国では単純に罪を罰することでこと足れり、とはしない。完治を望めないにせよ、有効なプログラムに従った教育が施し、可能な限り普通の社会生活を営めるように状態の改善に努めるであろう。

『病める国』に対して『荒療治』にすぎない『制裁』を発動するだけでは、余りにも無策である。人間の病気の治療法が日進月歩であるように、病める国の治療法にも新しい工夫を取り入れた進歩を期待できないのだろうか。だから現時点での『制裁』発動に私は与しない。

北朝鮮の『発達障害』の大きな要因に、過去の日本の朝鮮半島の植民地化があると思う。北朝鮮の『社会復帰』に力を貸すべき『上医』が日本に生まれて欲しいものであるが、無い物ねだりだろうか。

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