日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

予算委員会(国会)を少しでも楽しく

2005-02-04 10:09:20 | 社会・政治
NHKで私がかねてから不思議に思っている番組がある。
一つは大相撲の中継。この初場所でもBS2で大体午後1時から6時まで、間にニュースでも挟んでいるのであろうが、5時間も時間が割り当てられている。客席はまばら、多分番付の名前が小さくて読みづらい力士の取り組みの時から放映が始まる。このように聴取者をそれほど期待できない取り組みまでも延々と放映するNHKの狙いがわからない。

二つ目が国会中継。昨日の衆議院予算委員会で、間に1時間の中断があるものの午前9時から午後5時半までも質疑応答に時間が割かれていた。勤め人は勤務時間内だし、こんな時間に一体どのような人が観るのだろうと疑問に思っていた。ところが一昨日、ブログを書いた時点で思い当たった。灯台もと暗し、私のような仕事に追い回されることのなくなった自由人が観ればいいのである。確かにそれなりに面白いこともあったし、ブログに書く材料ともなった。

昨日も元来ならクラシックの番組の時間分だけの録画があるので、それを観たところ面白い場面に出くわした。。

議員のお行儀が悪い、いや、正確に言えば行儀の悪い議員が結構多いとは折に触れ耳にしていたことであるが、確かにお行儀が良くない。質問者と答弁者の遣り取りを議員が固唾を呑んで耳を傾けるなんて気配が伝わってこない。それどころか質問者と答弁者以外の多くの議員が、テレビでは聞き取れないようなことをわめきたてているのである。

「荒れる教室」が社会問題になって久しいが、学校どころか国会の議事堂内でこの喧噪は嘆かわしい。戦中の秩序を重んじる教育を受けてきた私には、これが選良の姿とはどうにも受け取れないのである。私の時代は授業の最中に教師の話に耳を傾けることなく、私語などをかわすとたちどころに鞭で手の甲を打たれたものである。

♪チイチイパッパ チイパッパ雀の学校の先生はむちを振り振り チイパッパ♪
これは子供の頃歌った童謡の一節であるが、子供の学校の先生のむちはだてではない、ことあるたびに本来の機能を果たしていた。そう、何を云いたいかと云えば、あの意味不明のことばをわめいている輩を、躾の時期はとっくに過ぎてしまっているのだが今からでも遅くない、おそまきながら鞭でひっぱたき躾を仕込みたくなったのだ。。

これが選良というものか、とふと気になって「選良」の意味を「新明解国語辞典」(三省堂、第五版)で確かめたらこのように出ていた。[選出された、立派な人の意]「代議士」の異称。[理想像を述べたもので、現実は異なる]。さすがご立派!「新解さん」である。
現実を理想に近づけるべく鞭でひっぱたきたくてムズムズしているところに、少なくともまともな感覚を備えた議員が一人登場してくれました。総務大臣麻生太郎氏である。

場面は自由民主党の松岡議員が、自由党が民主党に併合される時点での15億とかいわれる巨額の金の動きを巡っての質疑応答、麻生氏が答弁に立った時のことである。議場が騒々しくて麻生氏にも質問者の内容が聞き取れなかったらしく、議場を鎮めさせるジェスチャーに続いて次の発言になった。「雑音で聞き取れなかったので・・・」。そしてさらには答弁中に「やかましいな」の発言が飛び出した。動画でご覧あれ。大人の人は「先生」を感じて学校時代を懐かしく思えるはずである。

確かに中継の「雑音」は苦々しいが、麻生氏のような人間味のある反応に接するのはこれまた楽しいものである。ところがそれよりも面白いのは議場全体の光景ではないかと思う。質疑応答はいずれ官報に記載されるものであるから、必要とあればそちらを見ればいい。そこでNHKにお願いしたいのは、せっかく長時間かけて延々と中継するのであるから、この番組自体をもっと楽しいものにする努力である。

NHKは質疑応答の登場者のみにカメラを向けるだけでは能がない。その程度のことなら素人の私でも出来る。それよりもこの番組登場者全員の生態を具に国民に伝える工夫が必要である。たとえば「雑音」が発生するとそれを検知したカメラが自動的に動きズームアップで対象を捕捉するようにしたらどうであろう。発生源の表情のみならず心理状態までも聴取者に伝えうる迫真の映像が瞬時にして全国に流れる。また議場に彩りを添える議員の微笑まい所作からギョッとするような行動も手落ちなく報じないといけない。「解説」は一切不要、聴取者一人一人が自分の判断を形作ることが出来る。さらには「覗き見趣向」がかなり満たされる。

もちろん議員側も全面的な協力を惜しんではいけない。テレビに映るなんてまたとない存在アピールの場であるし、ちゃんと出席していることの証にもなるから。視聴者の便利のためにも、議員の名前まではともかく、所属政党を明示して貰わないといけない。おごる平家は久しからずひそみにならい、自由民主党が赤の法被なら民主党は白の法被を身に纏って頂く。背中にはNHK大河ドラマの役柄を書いて貰ってもいい。そうするとどういう状況でどういう「雑音」がどちら側から出てきたのか、予想したり納得したり、見る側の興もそそられるというものである。

「雑音」を「楽音」にかえる努力があってもいい。声を出したかったら意味不明のことをわめくのでなく、優雅にハミングで、そしてそれをハモラセルことで意志を表現すればいい。こういう和音の時はこの意味で、と云う次第である。反対の時は不協和音でもいい。その効果音に支えられて発言が議場に朗々と響き渡る様を想像するだけでも楽しくなる。

ハミングでハモルのはどうも、というのであれば、歌舞伎のかけ声を導入すればいい。
発言者ももちろん要所ではみえを切る。麻生氏なんかうってつけの「役者」ではないだろうか。「太郎冠者!」とかなんとか間髪を入れず赤法被が声をかける。このタイミングが命、声をかける側も進行を注意深く見守っていないことにはタイミングを逃してしまうので、真剣にならざるを得ない。白法被は「大向こう」から。練達のかけ声に気を良くした赤法被代表から原稿にない「本音」が飛び出せば、めっけものである。こうなると「かけ声」のタイミングを外すようなど素人は、赤白拘わらず全員の冷たい視線を浴びるものだからそれをバネに精進せざるをえなくなる。必然的に審議にも身が入るというものだ。

こんな国会の構造改革案を私は提案したくなった。せっかくの国会中継をもっと楽しむために・・。

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