日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

政府は今こそ『日米同盟』を強調すればいい

2006-07-09 17:12:04 | 社会・政治
今朝の「サンデープロジェクト」で櫻井よしこ氏が、中国が50年間に及ぶ北朝鮮の茂山鉱山の採掘権や日本海側の羅津港の使用権を入手したと発言、これは私にとっては初耳であった。どこかで報道されたのであろうが、私は知らなかった。

この時期が何時だったのか、資料に当たっていないので分からないが、ごく最近のことであろう。これは中国が北朝鮮に租借地を持ったことを意味する。

条約により一国が他国の領域の一部を借りる場合、その地域を租借地という。租貸国の主権や租借期限が存在するから領土の割譲ではないが、租借国が独占的・排他的管轄権をもつために、実際は割譲とほぼ同様の効果があったのが歴史的事実である。日本もロシアが清国から獲得した旅順・大連の25年間の租借権を、日露戦争後にロシアから譲り受け、その後対華二十一箇条の要求で99年間の租借に改めさせた『実績』がある。ロシアが清国から獲得した満州における鉄道敷設利権にもとづき完成させていたハルピン-旅順の南満州支線のうち、長春以南がこのとき日本に割譲されている。これがやがて『満州国』建国につながるのである。

中国が北朝鮮に租借地=『領土』をもっているとなると、北朝鮮の『権益』が侵されるような北朝鮮非難決議案に、中国が賛成するとはもともと考えられず、それどころか拒否権を発動される可能性が極めて高い。それにもかかわらず北朝鮮非難決議案を国連安全保障理事会に提案するわが政府の真意はどこにあるのだろう。マスメディアは元来このような状況の解説をなすべきなのである。

政府がいまなすべきことは、マスメディアが煽る北朝鮮弾道ミサイルの脅威に対して、「頼もしい同盟国アメリカが日本を守ってくれるから安心ですよ」とひたすら国民と、そしてアメリカに向かって強調すればいいのである。どうも政府のやっていることはちぐはぐである。