母が近所の病院へ行くのに、小川の道を歩いていると、鳩が川の中で溺れていたそうです。
小川といっても、人間のふくらはぎくらいの深さで、川辺まで、1.5mほどの下あたりに水が流れているので、助けようにも小川に入ることすら出来なかったそうです。
しかも、溺れていたのは、2羽の鳩。
それなりの流れもあり、ぐんぐん川下に流れていきます。
必死に羽を広げて川の水から逃れようとしていたみたいで、何度も頭が水に浸かり苦しそうです。
「きっと、あれは、まだ小鳩のようだわ。必死になって目を丸くして、こっちを見るの。目が合って、ちょっと怖かったわ。」と、母が言うのです。
野生の生き物は、全部が全部ちゃんと大人になれることが出来ないのもいます。
ある意味、自然に淘汰され生き物の数が決まってくるのです。
しかし、そういうのを間近に見れば、本当に心が痛みます。
もし、天々が川で溺れていたら、すかさず、私が川の中に入って助ける覚悟でいます。
まあ、そんな危険なところへは立ち寄らないことにしていますが。
自分の身の回りのものが苦しんでいるのを見逃したくないのです。
もし、私が小川のそばを歩いているなら、母同様、鳩の行く末を案じただろう。と思います。
私は、絶対、生き物の死を受け入れたくないのです。
私なら、その鳩を、どうしていただろうか。考えると、背筋が寒くなります。