「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「クリスマスローズ」

2015-03-22 14:10:25 | 和歌

 クリスマスローズは読んで名前の通り、年末のクリスマスの頃に咲き初めて、入学式の頃まで咲き続けるので、皆さんに人気の草花だ。「うつろ庵」にも虚庵夫人が鉢植えにしてあるので、たっぷりと愉しませて貰っている。



 この花は、折角長いこと咲き続けるにも拘わらず、どうしたことか俯いて咲くので、路地植えでは花の表情を観るのに難儀するのだ。そこで虚庵夫人は鉢植えにして、
時には鉢ごとスタンドに持ち上げて、クリスマスローズの花とお話できるよう工夫した。

 花の位置が40~50センチほど高くなって、蕊と花びらの表情も見えるようになると、不思議なことに親近感も生まれて、思わず花の傍に寄り添ってあれこれと観察し、無言の会話が交わされることになる。

 老夫妻にとっては、庭先のごく些細なことに、尽きぬ歓びを頂く毎日である。


           何故ならむ俯いて咲くこの花は

           恥じらふ素振りの クリスマスローズよ


           木漏れ日のスポットライトに頬染めて

           私が主役? 乙女の君はも


           どの鉢の花も同じと思ひしに

           しべの姿も 数も違うに


           庭に咲くクリスマスローズは家族だと

           受け入れつつも なに知らぬとは


           改めてクリスマスローズの花達と

           言葉を交わし詫びるじじかな


           ささやかな庭にはあれどもあまたなる

           歓び頂くじじとばばかな