「うつろ庵」の薔薇が芽吹いた。
この薔薇の花は、余り大輪ではないが、気品のある色合いと、何よりもその香りが高貴で、虚庵氏自慢の薔薇である。今年も新芽が萌えて、あの滾るバラの花の予感で、トキメク思いがする。
何れバラの花が咲いたら、特殊テクニックを駆使して、読者の皆様へ香りつきの写真と和歌のブログをお届けしたい。新芽は、己の出自を弁えているかのような風情で、春の朝日を受け止めていた。
薔薇の芽は葉先に花色窺がわせ
誇る仕草か葉柄を反らせて
萌いずる薔薇の新芽は咲く花の
唐紅(からくれない)を かつ知るらしき
百千(ももち)咲く唐紅のバラに焦がれ
芽吹く初葉もいとおしかりけり