「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「想いを告げなむ」

2006-03-11 20:27:59 | 和歌

 夕暮れ近くに、清楚で気品に満ちた、一輪の白椿に出合った。

 少しだけ俯き加減な姿は、控えめで理知的なものを窺わせていた。 虚庵氏は、こころ此処に在らずの態で、たちまちこの椿の花に吸い寄せられていった。

  





 
             夕ぐれに浮かぶ椿は白妙の

             花やや俯けて もの思ふかも



             一輪の椿は花芯を内に秘めて

             想いを告げなむ人まちをらめ



             白妙の椿に寄り添い佇めば

             はじらふ気配か 夕日に顔染め




          「雪月花」さまの文「散華」に導かれ 訪ね行きて詠める


             ちるはなのいとおしければひろいつつ

             たどりきたればみだおはします






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2 コメント

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無垢 (雪月花)
2006-03-11 07:05:17
虚庵さま、おはようございます。目の覚めるような純白の花、ですね。こちらは紅に染まってしまったせいか、この無垢な色に出合い、こころ洗われるようです。椿はすこしばかりうつむき加減なのがまたよいですね。花たちは何を思うのでしょう。久しぶりにTBを送らせていただきます。よい週末をおすごしくださいませ。
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散華  (虚庵)
2006-03-12 21:28:03
花には花の命があり、そして又、それぞれに色々な表情を見せて、観る者に語りかけますね。 どんな花も、何時も精一杯に咲き、純粋無垢に対応してくれますが、彼・彼女らの思いを酌みきれない虚庵居士です。



早朝にお立ち寄り下さり、トラックバックも有難うございました。

法然院はまだ訪ねたことがありませんが、生花の散華は、仏に仕える僧の、この上ない感謝の「行」そのものかと、受け止めております。

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