「想いを告げなむ」 2006-03-11 20:27:59 | 和歌 夕暮れ近くに、清楚で気品に満ちた、一輪の白椿に出合った。 少しだけ俯き加減な姿は、控えめで理知的なものを窺わせていた。 虚庵氏は、こころ此処に在らずの態で、たちまちこの椿の花に吸い寄せられていった。 夕ぐれに浮かぶ椿は白妙の 花やや俯けて もの思ふかも 一輪の椿は花芯を内に秘めて 想いを告げなむ人まちをらめ 白妙の椿に寄り添い佇めば はじらふ気配か 夕日に顔染め 「雪月花」さまの文「散華」に導かれ 訪ね行きて詠める ちるはなのいとおしければひろいつつ たどりきたればみだおはします