「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「かつ知るらしき」

2006-03-16 00:08:33 | 和歌

 「うつろ庵」の薔薇が芽吹いた。

 この薔薇の花は、余り大輪ではないが、気品のある色合いと、何よりもその香りが高貴で、虚庵氏自慢の薔薇である。今年も新芽が萌えて、あの滾るバラの花の予感で、トキメク思いがする。

 何れバラの花が咲いたら、特殊テクニックを駆使して、読者の皆様へ香りつきの写真と和歌のブログをお届けしたい。新芽は、己の出自を弁えているかのような風情で、春の朝日を受け止めていた。

  




 
             薔薇の芽は葉先に花色窺がわせ

             誇る仕草か葉柄を反らせて



             萌いずる薔薇の新芽は咲く花の

             唐紅(からくれない)を かつ知るらしき



             百千(ももち)咲く唐紅のバラに焦がれ

             芽吹く初葉もいとおしかりけり