「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「酒甕の 深き思いは」

2006-03-12 00:45:02 | 和歌

 「うつろ庵」には「蘇芳梅」の根元に、中国産の酒甕を据えてある。

 無粋な話で恐縮だが、夏に雨水が溜まってボウフラが湧いたので、思い余って逆さにした。ズボラナ虚庵氏は其の侭うちすててあったが、今朝見れば、昨夜の雨が僅かに凹んだ甕の底に溜まって、舞い散った蘇芳色の梅の花びらが浮いていた。

 甕と、梅の花びらと、雨の溜まり水。
青空も加わって織り成す、えも言われぬコラボレーションのプレゼントを賜った。






 
             梅が花に恋焦がれきて酒甕は

             散りゆく花びらせめてひと日を



             酒甕の深き思いは散る梅を

             せめて留めむ雨水を湛えて



             酔いどれの飲みつくしたる酒甕の

             みやびの心根 あるじに代わるや






最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (へぶらいびと)
2006-03-12 10:16:48
綺麗な写真が取れましたね。ドラえもんの「何処でもドアー」から違う世界を覗いている様な不思議な感じがします。
返信する
酒甕の底の 世界は・・・  (虚庵)
2006-03-12 14:53:52
今朝見ると、酒甕の底の水は干からびて、

鮮やかな蘇芳の花びらも、どこかえ吹き飛ばされていました。

酒甕と、蘇芳の花びらとの出会いは一夜限りの儚い恋に終わったようです。



  酒甕の底にまみえしきぞの夜の

  儚き恋もつゆと消えにし





返信する
Unknown (ジャム)
2006-03-12 23:24:41
自然が見せてくれる偶然の(奇跡の!?)コラボに心奪われる一瞬ってありますよね



儚さゆえに、いとおしくて・・・



そんな一瞬を見逃さない感性を持ち続けたいものです
返信する
「マバタキ」の間に・・・   (虚庵)
2006-03-12 23:58:33
本当にこの世は、一瞬のうちに過ぎ去って行きますね。

「マバタキ」の間に、どれほど美しいものを見るか、どれほど自分にご褒美を与えられる毎日を送れるか、そんな思いのこの頃です。のろまで、愚鈍な虚庵居士

ですから・・・ 



返信する
マバタキ・・・といえば (ジャム)
2006-03-13 22:07:56
「何一つ、見逃さないように

一瞬一瞬を見つめたい。瞬きもせずに。」

という、盲目の恋???のお話がありました。

返信する
「夢中になれる」 (虚庵)
2006-03-14 22:18:40
「恋は盲目?」はたまた「盲目の恋」、美しい言葉ですね。

夢中になれることが、どんなに素晴らしいことか  



ジャム様の英検合格は、夢中の連続だからなおスバラシイ 

改めてオメデトウゴザイマス  

返信する

コメントを投稿