「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「赤芽柏の花」

2014-07-30 11:58:31 | 和歌

 三浦半島の横須賀は海岸の埋め立て地に、かなり広大な市街や住宅街が造成されているが、あまり高くない山の手の周辺は、自然がたっぷり残されている。 
 虚庵居士の散歩は、山の手の幾つかのコースを選んで愉しんでいる。

 そんな散歩道の自生木、「赤芽柏・アカメガシワ」が花を付けたので、在りのままの姿をご紹介する。 

 花が咲いたとはいえ、華やかさが全く無い花ゆえ、殆どの皆さんは目にもかけまい。チョット離れただけで、花の存在すら気付かぬ様な姿だ。虚庵居士は偶々近くを通りかかって気付き、カメラに収めたが、改めて見れば花としては類い稀な風姿ではないか。

 帰宅して、念のため図鑑で調べたら、思わぬ利用法に目を瞠った。
『葉や茎・樹皮には薬効があり、強壮・鎮痛・利尿などに効くといわれている。カシワは柏の葉と同様、木の葉に食物を盛ったことに由来する』とあった。

 改めて大きな葉に目をやれば、どことなく清潔感が漂う葉で、虚庵居士も野外の食事では、お握りや食物を盛るのに、使いたくなる様な大葉であった。




           山あいの道を辿れば赤芽柏の

           花に出会いぬ華は観えねど


           改めて赤芽柏の花観れば

           類い稀なる風姿なりけり


           「何ゆえに斯くも稀なる花なるや」

           赤芽柏に問ふぞ可笑しき


           それなりに「むべなる事情」もあるならむ

           赤芽柏の奇異なる花には


           現代の人々見向きもせぬ木なれど

           古人は親しも 赤芽柏に