小学校の生垣に、可憐な蔓花が咲いていた。
葉のつけ根のところどころに、小さな筒花を付け、ヒゲ蔓で身を支えて、上へ上へと這い登っていた。花の大きさは、この写真とほぼ同じ程度に小ぶりで、貝塚伊吹の緑を背にして、じゃれ合うかの様な風情が可憐であった。
「屁糞蔓」という、何とも酷い名前が付けられているのが、お気の毒だ。可憐な花をめで、香りを嗅いでも殆ど無臭だが、蔓草を除草しようとして蔓を刈り、葉を切ると
途端に激しい異臭に悩まされることになる。酷い名前が付けられている所以だ。
手出しをせずに、花を愛でている間はよいのだが、逞しい蔓草はジャングル状に
成長するので、除草せざるを得ぬ折りには、否応なしに異臭と闘わねばならぬ。
古人は敢えて酷い名前を付けて、異臭への警告をしたものであろう。
それにしても、この蔓草の異臭は並大抵ではない。蔓草は身を護るために逞しくも
異臭を隠し持ち、草食動物に食べられるのを自ら護っているのであろうが・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/cf/5d0bfe8fc8500afd8dc2710dc69860a2.jpg)
生垣の貝塚伊吹に寄り添いて
蔓の小花は可憐に咲くかな
筒花の四つ五つはじゃれ合うや
校庭の子等の声に応えて
蔓草よ育ち急ぎな繁茂せば
除草と異臭で 評判落すに
校庭を囲む生垣に身をゆだね
子等の手届かぬ高さに咲き居れ