「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「二色のアガパンサス」

2014-07-14 07:17:48 | 和歌

 今年も沢山のアガパンサスが彼方此方で咲いた。「うつろ庵」の庭でも、株が増えて賑やかだ。花茎をスクッと伸ばした長さは、一メートル程にもなろうか。

  花の色は淡藤色(あわふじいろ)と云われているが、何処の花も色合いは殆ど同じだ。

 散歩の途上で出会ったアガパンサスは、白と淡藤色が対になって咲いていて、目を瞠った。二色のアガパンサスを並べて植えたご当人も、そして道行く人にも楽しんでもらおうとの、遊び心が偲ばれた。

 二色のアガパンサスの遥か向こうには、檜扇水仙と
思われる橙色の小花が咲いて、彩りを添えていた。造成地の急勾配の法面に、様々な花を植えて愉しんで居られる住民の、お裾分けに感謝であった。

 野球場がすっぽりと収まる程の、かなり広大な法面は雑草に覆われて、それなりの美しさを保ってはいるが、通りに面した部分にはご近所の住民が、それぞれに草花を植えて愉しんでいて、そんな草花が道行く人々の心を癒やして呉れるのだ。

 


           いと長くアガパンサスは花茎を

           伸ばして咲くかな十重八重に


           淡藤と白の二色の対をなし

           風に揺れるは語らう気配ぞ


           白妙と淡藤色の二株を

           並べて植えた心映えかな


           対をなすアガパンサスに見え隠れ

           檜扇水仙? 向こうに見ゆるは


           いと広き傾斜の法面 そこかしこ

           遊び心の花咲く苑かな