「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ルドベキア」

2014-07-24 11:49:24 | 和歌

 草むらに「ルドベキア」が、疎らに咲いていた。
野草の緑の中で、鮮やかな黄色の花が風に揺れる姿には、風情があった。

 かってかなりの数で群れ咲いていたのを観たことがあるが、この花が一面に咲き乱れる景色よりは、この程度に疎らに咲いているのが、虚庵居士の好みに合うようだ。



 蕊の部分がこんもりと盛り上がって咲くのが、この花の特徴だ。
この様な咲き方は類い稀だが、園芸種として輸入されたものが何時しか野生化して、「特定外来生物」に指定されているのは、旺盛な繁殖力を怖れてのことであろう。

 別名「大反魂草・おおはんごんそう」とも云う。「反魂」とは ”死者を蘇(よみがえ)らせる”との意味だ。夏からお盆過ぎにかけて咲くので、ご先祖様をお迎えしようとの
思いから、付けられた名前だろうか。

 横道に逸れるが、反魂香はお香の煙の中に亡き人に逢いたいと念じて焚き、反魂丹は亡き人が甦生する霊薬といわれ、かつて富山の薬売りは腹痛薬にこの名前をつけて、家庭用の常備薬として売った。

 それにしても「大反魂草」とは、大層な名前を貰ったものだ。




           野の草を踏み分け歩めば金色の

           大反魂草の苑に至りぬ


           草むらの緑に浮かぶルドベキア

           頬寄せあいて何を語るや


           金色の花びら広げもっこりと

           蕊盛り上げてご先祖招くや


           暑き野にそよ風受けて爽やかに

           大反魂草の迎え盆かな