「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「はにかむ向日葵」

2014-07-22 15:42:34 | 和歌

 向日葵のイメージは、「真夏の太陽に顔を向け、背すじを伸ばして元気一杯」だが、散歩で出会った「ひまわり」は、ちょっと趣きが異なる、別な表情であった。

 乙女らが肩を寄せ、頬を寄を合い、はにかみながら手を口元に置き、或はハンカチで顔を覆って、含み笑いをする声が聞こえてくるかと思われた。梅雨明け前の今ごろは、謂わば向日葵にとっても、うら若い乙女の時代に相当するのだろうか。

 やがて真夏を迎えれば、背丈も更に伸び首筋もシャキッとして、イメージ通りの、
元気一杯の向日葵に変身するのかもしれない。



 そんな勝手なことを頭に描きながら、近くで見れば、向日葵の花は未だ咲いたばかりで、初々しさをとどめていた。大きな葉と花陰には、莟のままの幼子の姿もあった。

 中学生や高校生の華やかな乙女らに交じって、小学校低学年の幼子が、一生懸命に開花の準備に励んでいる姿は、大真面目で何とも微笑ましいではないか。

 


           向日葵のイメージ問えば太陽と

           元気一杯 笑顔の花かな


           ひまわりはイメチェン狙うにあらねども

           乙女らはにかむ風情ぞおかしき


           花は顏 葉は手のひらか口元を

           隠して含み笑いをこらえて


           肩を寄せ 頬寄せあうは乙女らの

           姿ならむやはにかむ仕草も


           華やかに咲にし姉らの花陰に

           開花に備える 真面目な幼子