向日葵のイメージは、「真夏の太陽に顔を向け、背すじを伸ばして元気一杯」だが、散歩で出会った「ひまわり」は、ちょっと趣きが異なる、別な表情であった。
乙女らが肩を寄せ、頬を寄を合い、はにかみながら手を口元に置き、或はハンカチで顔を覆って、含み笑いをする声が聞こえてくるかと思われた。梅雨明け前の今ごろは、謂わば向日葵にとっても、うら若い乙女の時代に相当するのだろうか。
やがて真夏を迎えれば、背丈も更に伸び首筋もシャキッとして、イメージ通りの、
元気一杯の向日葵に変身するのかもしれない。
そんな勝手なことを頭に描きながら、近くで見れば、向日葵の花は未だ咲いたばかりで、初々しさをとどめていた。大きな葉と花陰には、莟のままの幼子の姿もあった。
中学生や高校生の華やかな乙女らに交じって、小学校低学年の幼子が、一生懸命に開花の準備に励んでいる姿は、大真面目で何とも微笑ましいではないか。
向日葵のイメージ問えば太陽と
元気一杯 笑顔の花かな
ひまわりはイメチェン狙うにあらねども
乙女らはにかむ風情ぞおかしき
花は顏 葉は手のひらか口元を
隠して含み笑いをこらえて
肩を寄せ 頬寄せあうは乙女らの
姿ならむやはにかむ仕草も
華やかに咲にし姉らの花陰に
開花に備える 真面目な幼子
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