「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「観音崎の浦島草」

2013-04-12 08:40:29 | 和歌

 何年かぶりで、観音崎の山の遊歩道を散歩した。
海岸の遊歩道は、車を降りてそのまま散策できるので、老若男女を問わず人気だが、山の尾根の遊歩道は、登山口のルートにもよるが、かなり急な坂道を登らないと到達できないので、散歩する人の数も疎らだ。

 しかしながら、尾根の遊歩道には観音崎灯台・砲台跡・海の見晴台・東京湾海上センター・戦没船員の碑・森のロッジ・うみのこ砦などなど、様々な施設や観光のポイントが散在するので、たっぷり遊べる遊歩道だ。

 虚庵夫妻は、尾根までの細い山道を息を切らせて登り、尾根の遊歩道のごく一部分だけを1時間ほど堪能した。。巨木や手付かずの雑木林、或いは羊歯や破れ傘など、普段ではお目に掛れぬ豊かな自然を満喫した。

 森の下草の中に、「浦島草・うらしまそう」を見つけた。
蛇のコプラに似た花が極めてユニークだ。苞から伸びた細くて長い紐状の部分を浦島太郎の釣糸に見立てて、「浦島草」との名前が付けられたと云われている。
それにしても、特異な野草花だ。気が付けば、「浦島草」は観音崎の森の中に、かなりの数で分布しているようだ。

 


           巨木覆う観音崎の尾根道を

           歩めば見慣れぬ草木に出会いぬ


           尾根道を下れば深き谷底に

           浦島草は静かに咲くかな


           腰かがめ異形の花を眺むれば

           細きひも糸 立つも可笑しき


           何ゆえに斯くも可笑しき姿なれ

           造化の神のお遊びならむや


           その神の遊び心に付き合いて

           愕き呆れる男も可笑しき


           森々と巨木重なるこの辺り

           神世の昔を覗けと示すや