「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「遊歩道の花蘇芳」

2013-04-16 00:14:26 | 和歌

 このブログでは、「うつろ庵」からごく近くの遊歩道が時々話題に上るが、その遊歩道の彼方此方で「花蘇芳・はなずおう」が咲いた。
満天星ツツジなどの若葉の新緑と相俟って、何とも言えぬ風情を醸していた。

 

 蘇芳の花に因んで、和色の「蘇芳色」の名前が付けられたと理解しているが、ここの蘇芳の花は、本来の色濃い蘇芳色に比して、かなり明る花色の様だ。
素人がバカチョンカメラで写した写真だから、日光の加減もあって色調は可なり変化しているかもしれない。そんな事情から、花の色の色調についてはご勘弁願いたい。

 「蘇芳色」の話題の後で、白花の花蘇芳もあることに触れるのは、話しが聊かややこしくなるが、重ねてご勘弁願いたい。 花の色から「蘇芳色」の名前を頂きながら、花自体では白花を創りだすのだから、人間様はまことに勝手なものだ。
さは申せ、色とりどりの花を愉しませて頂いているのだから、文句を言うのは筋違いと云うものであろう。

 数日前に吹き荒んだ春の嵐で、開花した花びらは気の毒にも、殆どが傷んでいた。春嵐の影響を受けない群花を探したら、辿り着いた群花は開花直前の莟であった。

 


           節ごとに塊り咲くかな花蘇芳は

           押し合いへし合う莟ぞ愛しき


           新緑の若葉を背にして花蘇芳に

           目を瞠るかな団子の群花は


           斯くばかり小花寄り添ひほとばしる

           熱き思ひを乙女ら秘めるや