「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「狐の牡丹」

2013-04-27 17:41:44 | 和歌

 一叢の「狐の牡丹・きつねのぼたん」が、空き地に咲いていた。

 何処にでも見かけそうな野草だが、虚庵居士がさ迷い歩く横須賀周辺では、ごく稀な野草だ。黄色の花が極めて印象的で、思わずカメラを構えた。

 

 云うまでもないが、名前など知る筈もないから野草図鑑のお世話になった。

 驚いたことに、「狐の牡丹」と「毛狐の牡丹」というよく似た類種が有るという。
葉や茎に毛が生えているか否かが区別のポイントらしいが、ややこしいことに、「毛狐の牡丹」でも毛が無い種類も有るというから、素人には判別が難しい。
葉の付き具合や、実の先端の曲がり具合など、専門家にとっては区別すべき特徴があるようだが、素人の虚庵居士にはお手上げだ。毛が無いことを頼りに、「狐の牡丹」であろうと理解した。

 それにしても、野草の名前が「狐の牡丹」或いは「毛狐の牡丹」とは、一体どの様な物語が隠されているのだろうか。ひも解けば、面白いお話に繋がるに違いあるまい。何れ何処かで調べてみたいものだ。

 瑞々しい緑と透明感がある黄色の花が、何とも爽やかであったが、興味は名前の謂れにも膨らんだ。

 


           柵越えに一叢の野草目に入りぬ

           緑葉に浮く黄金の小花ぞ


           嫋やかな緑の草は金色の

           小花をかかげてわが世の春かな


           凭れ合い互いに支える野の花の

           朋の援けぞ麗しきかな


           如何なれば「狐の牡丹」と云ふならむ

           花の名前の謂れを知らまし