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草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

典雅な風景に・・・・

2014-02-14 13:37:03 | 雑感



朝のくる前に
悲しく
苦しい夢をみて目が覚めた。

きりきりざわざわするものを
振り払うように
金星の方角をじっと見続ける。
曇った今朝は見えないというのに。




                 ::::



熊本の母から
チョコレートが送られてきた。
送料の方が高くつくのに
毎日、食べているのに
と、ワタシが思うのは
いつものことだ。

そして、
あと何回受け取ることができるのだろう
届かなくなる日が必ず来るのだ
と、ワタシが思うのも
いつものことだ。

一粒口に入れながら
窓外に目をやると
静かに静かに雪が降りていた。

若きブーニンが、
ルネッサンス期の建築、イタリアのテアトロ・オリンピコで録音したとき、
第2楽章を弾きながら涙が止まらなかったという、
モーツァルトのピアノ協奏曲13番が、
無性に聴きたくなった。



          あとからあとから落ちてくる雪は
          うけとる心と
          わたす心を
          典雅な風景の中に閉じ込める

         
      
          やっぱり
          2月は 光をさがしている     


      
      
      





      

      
     
      















光をさがす

2014-02-08 10:55:20 | 雑感



雪のなかの
雲のうえの
山のむこうの

光をさがす

目をこらして
耳をすまして
心をととのえて

光をさがす

西に向けた掌に 光をさがす

見えない
光を さがす


2月は そんな月です







                一月は例年になく雪が少なかった。
                 空はその分をたっぷりと溜めこんでいたのであろうか。
                 あとからあとから、しんしんと音もなくと降り積もる今日は、
                 一日中、
                 繰り返しモーツァルトの交響曲34番を聴きながら、
                 本を読んで過ごす。。
                
                 
                    


           
            

この日に

2013-07-26 09:26:46 | 雑感






        山道はわかりにくいから
        遠くに見えるあの木を
        目印に行くといい

        迷いそうになったら見上げてごらん
        あの木をめざしていけば
        いつか必ず着けるから

        目印は遥かなものがいい
        高いものがいい
        遠い道を行くときには

               ___光原百合『旅の初めに』___







今朝、
目覚めると、外は土砂降りだった。
それでも、ワタシは歩きだす。
今日のこの日を確かめたくて。
霧が深くて、あの木は見えないけれど、
それでも、歩くほどに微かに浮んでくる。


アナタも、
この日の一歩を踏み出しただろうか。

アナタが歩き始めたこの道は、
ごろごろごろごろ石ころだらけ。
それでも、
転んで擦りむいた膝の皮は、徐々にしっかり厚くなる。

アナタの選んだこの道は、
きりきりきりきりきつい上りばかり。
それでも、
その向こうにあるものが、いつかはきっと見えてくる。

この日のこの道は、
二度と歩まぬ一瞬の道。

ほら、日が差してきた。










        

天の川

2013-07-07 20:03:45 | 雑感





        知りたいことがある
        見たいものがある
        聞きたいこともある
              

        秘めた想いが
        そろり踏み出そうとするが・・・・
        やっぱり 渡れない     
          
        天の川は渡れない
        たとえ 梅雨が明けたとしても
 

        それでいいのかもしれない
        それがいいのかもしれない

        
        
 
       

               
                 三裂星雲付近のこの天の川の画像は、
                        いつもの如くYさんから拝借 

再臨

2012-11-14 09:02:04 | 雑感





年に一度の
人形作家亀井千鶴子さんとその生徒さん達の作品展を観に行った。
今年のテーマは「再臨」


そして、
次の日の夜、
ボランティア仲間のMさんが亡くなった。


敬虔なカトリック信者のMさんは、
昨年のクリスマス会で、
ご自分の死期が近付いていること、
そして、
手術、入院はもちろんのこと、
積極的な治療を拒み、
最後まで普段の生活を続けていくことを選んだと、静かに強く話された。


穏やかなその死に顔は、
死は、必ずやってくるもので、
ごく自然なことだと語りかけ、
血圧が元に戻らないなんのって、あたふたしているワタシは、
思わず、顔を伏せる。




                    ::::




宗教学者、山折哲雄さんとの往復エッセイ『「いのち」についての60の手紙』のなかの、
生命学者、中村桂子さんの言葉を思い出す。
がんは、体の中に老化しない細胞が一個生じ、それだけが増えることで、体のバランスが崩れ、結局個体の死が早まる。・・・・だから、細胞を不老不死にすることは全体の死につながるわけで、むしろ、体内に死を抱え込んでいるのが生きることなのだと。


死を抱え込んで生きる____
体内に死を抱え込みながら、
人は同時に、心の裡にも死を抱え込んで生きていくべきなのだろう。


死は、必ずやってくる。
そして、
それはごく自然なこと。


中村さんは、こうも言う。
私たちは、自分が死に、生を次の世代にゆだねることによって「生」をつなげていくという仕組みの中で生きているわけなのに、人間は大脳を活用した知識をもとに、特別な生き方をしてきたと。




                     ::::



 
今朝は、庭いっぱいに霜が降りていた。
もう冬なのだ。
サビ朱の葉っぱは、枝から離れひらひらと舞い落ち、
気がつくと、いつの間にかほとんどが裸木になっている。


人間が、生きものとしてのルールをわきまえて生きるということはどういうことなのかと、
改めて考える。





             昨日頂いてきたミカン。
             Mさんが丹精込めて育てたそれは、
             静謐で、
             当たり前の味がした。。

黙示

2012-08-07 18:34:54 | 雑感



昨夜、NHKスペシャル「黒い雨 ~活かされなかった被爆者調査~」を観た。
ヒロシマ原爆投下直後に降った放射性物質を含んだ黒い雨に
人々がどこで出くわしてしまったかという記録が、
なんと、存在していたというのだ。
なぜ今まで公表されなかったのか。
早い時期に公にされ、そして研究、活用されていたなら、
苦しみを軽減された人たちもいただろうに。

残留放射線が人体に及ぼす影響は
大きなものではないという認識だったようだ。
その底に、
核開発の妨げになるという思惑があったのは否めない。

だが、現実には、
あの黒い雨が降った地域の人たちに、
癌で死亡した人が多いと判明しているわけで、
あの日から67年が経った今も尚、
綿綿たる苦しみ、悲しみが確かに散在しているのだ。

それでも、国は、
黒い雨の影響を認めず、
また、そうだとしたところで、
なら、雨に遭ったことを立証せよと言う。


いつもそうだ。

水俣病しかり。薬害しかり。


おそらく、
今回の福島原発事故による放射能被ばくに関しても同様になろう。
何年、何十年経ってでた健康被害も
「証拠がない」「因果関係が不明」で片づけられてしまう。
特に低線量では。






        生きている人間は
        死んだ人間の白骨を踏んで
        地面の上を歩いている。

        今までやっと生きてきた人間が
        突然血を吐いて死んで行く。
        ___ウラニュームの放射能。
        遺伝子の突然変異。
        それが言葉の言えない黒い影の
        悲痛な証明(あかし)なのであろうか。

        彷徨(さまよ)える黒い影は
        また
        銀行の入口の石段に帰ってきて
        もとの形の通りに
        僅かに絶望の身体を横たえる。
              ____上林猷夫「黒い影」より___








コツコツコツコツ・・・・・

脚下の白骨の音は、
聞こうとしなければ、決して聞くことはできないのだ。


               
              認定されないまま乳がんで亡くなった
              非識字のAさんが、
              一生懸命学び書いた、懇願の文字が胸を打つ。


梅雨空の下で

2012-07-07 05:53:39 | 雑感




                    
    
                    梅雨空の下で
                    花が咲き
                    音が咲き
                    言葉が咲き
                    そして
                    人が咲いた

                    なのに・・・・

                  
                    見ないふりするものがいる
                    聞かないふりするものがいる
                    口をつぐむものがいる
                    金曜日
                  
                    
                    
                
              

               
       

生かされている今

2012-06-18 06:01:46 | 雑感
 25歳になる青年が言いました。「僕ね、今度ほど原発が無くてよかったなとおもったことはないよ」と。
 ほんとうにそうです。原子力発電所が一つでも激震地にあって崩れていたら、今私たちは放射能を浴びて流浪するよりほか、ありません。この危険な地震列島に「原発は否」と最初からわかり切ったことですのに、米国スリーマイル島、ロシアのチェルノブイリといった事故とは格段に異なる狭い小さな地域へ集中してつくっている日本の恐ろしさ。ずっと反対を叫び、闘いつづけてきた「原爆・原発・核廃棄物存在」への恐怖が、政治的にほとんど取り上げられなかった意味はいったい何なのでしょうか。毎日のように蒸気漏れだの細管破れだのトラブルが伝えられますのに「人身に影響なし」だという発表です。「もんじゅ」高速増殖炉の不完全さ。もう、人間の作る科学的な文明?毒が、世界いずこの環境にも充満して、人間の心身を破壊してきました。(中略)
 今度の震災は、私たちみんなに、「人間としてまともな人間愛をとり戻さないと人類は滅びる」ことを告げています。



1995年、
阪神淡路大震災のあとに書かれた、
「生かされている今」と題された岡部伊都子さんの文章。




とうとう、
政府は、大飯原発再稼働を決定した。


生かされている「今」の驕りに、
進むべき道の誤りに、
そうして、
歴史に残した禍根に、人はいつ気づくのだろう。






 





                岡部さんはすでにいない。
                42歳になったあの青年は、         
                今、何を思っているのだろうか。

金の指輪

2012-05-23 05:16:15 | 雑感




      金の指輪をいただきました

      指にはめてみたいのですが
      一度はめたら外れなくなりそうで
      いえ、それならそれでいいのですが
      実は、触れた途端に消えてしまうのです
      だから、真綿を敷いた小箱に入れて
      心の奥にしまいます
      そして
      時々 そうっとあけて見ることに





               (画像はすべてYさん撮影)


光に歩めよ

2012-02-18 05:09:42 | 雑感




2月に心揺するのは
賢治のみた「丘の眩惑」と
彼の地のオーロラ



どこまでも続く雪の丘に
深く青い空から鋭い光がさし込み
跳ね返る
冬でもない春でもない
不思議な季節の眩惑

駆けまわるキツネの尻尾が巻き上げる雪煙
それが天に昇ってオーロラなったというフィンランドの伝説
ギリシャ神話の暁の女神に由来し
バイキングたちは「北の光」と呼び道しるべとす
それは太陽からの贈り物


2月はひかりの季節
届けられるメッセージは
なに?







               光に歩めよ!
               夢が 希望がそこにぞあらん
                     

2012-02-08 20:49:53 | 雑感





          君のお母さんの家に雪が降っていた、
          お母さんは君のことはなんにも知らなかった、
          まだなんにも、どんな眼をして君が
          お母さんを見あげるのかも。

          昼の日なたをお母さんはよく不安げに歩いたものだ、
          まるで君が苦しめ嚇かしてるように。
          それでもかよわい両手をあてていた、
          君の血行を守ろうとして。
        
          雲の中から太陽を 朝の嵐がとり出すように
          お母さんは暗闇の中から 君の運命を取り出したのだ。
          君はまだこの地上におらず
          しかもすでにどこにでもいた。
   
                 ____H・カロッサ____








数日前から、喉に違和感がある。
何かが引っ掛かっているような。

気にしないでいようと、
朝から、ビゼーの交響曲第一番のCDを探すが
見当たらない。
諦めて、サルトルを読み始める。
ン、ンンゥ・・・・
やはり、喉に詰まった感じが一日中している。
ン、ンンンッ・・・・
唾液を無理に飲み込んでみる。
ゥン、ゥン・・・・

『存在と無』が、余計に禍因となったのか。








                       明日は、
                       Hさんオススメの『平家物語』にしよう。

希望の年でありますように

2012-01-02 05:31:59 | 雑感




                そうっとしといて あげましょう
                      そうっと そうっと
                ひびきやすい あなたのこころを
                    そうっと そうっと そうっと

                世界一やさしいヴァイオリンのような
                わずかの風にもそよいでしまう小枝のような
                谷間に棲んでるエコーのような
                夕ぐれのひとときの礼拝堂のような・・・・

                上等なパイの皮のような
                夜あけにむすんだ葉っぱの上の露のような
                きゃしゃなガラスの水差しのような
                お池にうつった幼い雲のかげのような・・・・

                そうっとしといて あげましょう
                      そうっと そうっと
                こわれやすい あなたのこころを
                    そうっと そうっと そうっと
   
                         ____新川和江「そうっと そうっと」____







纏った真新しい衣の裾から
脱ぎ捨てたはずの旧いものが
ちろちろとのぞいている

ぐつぐつぐつぐつ
ざわざわざわざわ

落ち着かないのは
ワタシのこころ

なんとか覆い隠そうと
虚空から懸命に手繰り寄せる
希望、希望、希望

ごそごそごそごそ
ざわざわざわざわ

落ち着けないのは
ワタシのこころ

暗夜

2011-12-25 22:19:59 | 雑感




驚きは、戸惑いを引き込み、
苛立ちに変わり、
苛立ちは、過去を抱え込み・・・・
ついには、諦観へと進む。

そして、涙がぽとりぽとり。


錯雑した思いに、
多くの言葉が、現れては逃げて、
しだいに消えてゆく。


今さら、戸惑うこともないのだが。



今宵、月はなくとも星輝かず。
明日は雪だろうか。

群れない 慣れない 頼らない

2011-09-20 05:42:16 | 雑感



先日、NHKのヒューマンドキュメンタリーで、
93歳の画家、堀文子さんを取り上げていた。



一つ一つの言葉が、
なんと、潔く心地よいのだろう。

一瞬一瞬の表情が、
なんと、柔らかく美しいのだろう。



聴き入り、見入ってしまう。



グループに属さず、
媚びず、肩書きを求めることなく、

常に好奇心を持ち、
未知なるものへ向かうことで、
沸々とわいてくる感受性を武器に、

ただ一人、謙虚に自分を生きる。



     群れない 慣れない 頼らない



死と生が同居している今、とても穏やかでいられるという堀さんの、
しなやかな強さに憧れを抱く。


「何ものでもない人生」


ああ、
いい人生を歩んでこられたのだな。

息絶えるまで感動していたいと。



         そう思う。。
      



        
         



    

鎮魂の木

2011-06-24 19:19:00 | 雑感




木を植えました。
あなたのための鎮魂の木です。


残されたものがありません。
あなたを偲ぶものは
何一つありません。

想う手だてが何か欲しくて、
木を植えました。


あなたとワタシをつなぐ唯一のもの、音楽かな。
そう思い、
リュージュのオルゴール、
モルダウを手元に置いておこうと決めていましたが、
あまりにも高くて。

いいよね。
この木で。


これがあなたの木?
爽快な風情に、少し首をかしげるけど・・・・
しいて言えば、
この細い幹が、
痩せたあなたの姿を髣髴させるくらいですが。


薄緑の柔らかな新芽の頃、
目を凝らさないと見つからないような白い小花が咲く頃、
そして、赤い実の頃や葉っぱが色づく頃も、
あなたを想うことにします。
風で木の葉が揺れるのは、
歌うことの好きだったあなたが、
自慢げに、披露しているのだと思うことにします。





        宗左近は、
        ないこころのために墓が立っている、と云っていたようですが
        涼しげなこの木をずっと見ていると、
        なんだか、不思議なことに、
        だんだんあなたに似つかわしく思えてきました。
        あなたの、あるこころのために立っているような、
        そんな気がします。
        この木で良かったんですね。


        清廉なひとだったのかもしれない。ホントは・・・・