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草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

何とかなる?

2011-03-04 17:21:33 | 雑感



このところ、
モーツァルトのピアノ協奏曲ばかり聴いている。


20番、悲痛な第1楽章が誘ったのか。
見る間に東の空がかき曇り、
サアーサーサーと雪を降らす。
そうはさせぬと、
ゴォーゴゴーと北の風が払いのけ、
キリキリキリと土を刺していく。
そのすきに、
時折、南の太陽が覗きはするが、
眉間にしわ寄せ、ビクビクビクの及び腰。
どうも、
行きつ戻りつの季節に、振り回されっぱなし。





        なんとかなるか? の 泣き顔も
        なんとかなるさ と 笑ったら
        なんとかしよう と 日が暮れて
        なんとかなった! と 日がのぼる
           しんぱいない しんぱいない
           あさは かならず やってくる!


        決心したり くだけたり
        行ったり来たりの ブランコだ
        「中途半端」も 愛しちゃえ
        花も嵐も あって人生
           しんぱいない しんぱいない
           あさは かならず やってくる!

        なんとかなる なんとかなる
        まてば かならず なんとかなる

             _____工藤直子「なんとかなる」___





決心したり、砕けたり
キミもワタシも行ったり来たり。



23番、軽快な3楽章が
西の山の向こうに、薄い青を呼び戻す。
明日は晴れるかな。


たこがなくったって、
何とかなったことだし。






       心配ない、大丈夫。
       何とかなる、何とかなる。
       ねっ、
       何とかなるよね。ねっ。。
       


       
       
  
       
       
  
     



   
       

冬の言葉

2011-02-12 14:14:57 | 雑感




冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が洗いだすのは万物の木地。
      
天はやっぱり高く遠く
樹木は思いきって潔らかだ。
 
虫は生殖を終えて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。

この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躙する。
   
冬はこがらしの喇叭を吹いて宣言する、
人間手製の価値をすてよと。

君等のいじらしい誇をすてよ、
君等が唯君等たる仕事に猛進せよと。

冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは万物の木地。

冬は鉄碪を打って又叫ぶ、
一生を棒にふって人生に関与せよと。

      _____高村光太郎「冬の言葉」___







      雪の上に落ちる雪は
      すぐに消えてしまうように思えるのだけど
      いつの間にか
      どっしりと積もっていて

      眺めているワタシの
      虚ろなはずの思いも
      いつの間にか
      ずっしりと重なって重なっていて

     「君は何を求めているのか」
      聞こえてくる冬の言葉に
      答えようにも声がでない

      いや、出るはずもない
      もとより何も考えていないのだから

      からっぽ
      からっぽ

      飽きもせず
      また、雪の落ちるのを眺めているだけ


もどかしさ

2010-12-17 18:22:09 | 雑感




     知らず知らずに涙が出てくる
     届かぬ言葉の
     そのもどかしさに?
 
     知らず知らずに不機嫌になる
     掴めぬ希望の
     そのもどかしさに?

     先の見えぬ山道を
     ゆっくりゆっくり歩いていると
     遣り過ごしたはずのもどかしさが
     また、後ろにいるのだ


     確か遣り過ごしたはずなのに
     何度も何度も
     遣り過ごしたはずなのに

   


霖雨

2010-10-09 16:20:12 | 雑感
 



ジリジリゴトゴト、ザワザワギチギチと、
心の奥で、とてつもない音がし始める。


確か、何かで読んだことがある。
タオルで口をふさいだまま、
大きな声で、三回叫んでみる。
しかし、
ガタビシャ、ガタビシャ、ザザザザと、
思いの外の強い雨音に掻き消され、
届きはしなかったようだ。
何もなかったかのように、
何も聞かなかったかのように、
山も木も、空も顔色一つ変えるでもなし。
そして、ワタシは喉を傷めただけ。

それならと、
サティを聴きながら、
一言も発せず、本を読みふけることに。


ストーブの上の、
あり合わせのおでんが煮える頃には、
心は静かさを取り戻すだろうか。




     それにしても、
     雨は、いつまで降り続くのだろう。。


 









Love is ・・・・

2010-07-30 15:39:54 | 雑感
 

くやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくてかなしくてくやしくて、かなしくて


足元まで届く光のすじを見ていたら、
風が揺らす木々の葉を見ていたら、
鈴木重子さんの歌を聴いていたら、

いったん、止めたはずの涙が、
また、あわてて流れ出した。
悔しくて、悔しくて、
そして、
やっぱり悲しくて、切なくて。






夏を祝う

2010-07-26 12:09:28 | 雑感


       空が祝う
       山が祝う
       土が祝う
       水が祝う
       鳥が祝い 風も祝う


       夏を祝う
       キミを祝う

       おめでとう

青のつらさ

2010-05-21 15:06:34 | 雑感
窓外の空の青さが、悔しさをかきたてる。
あまりの青さに、悲しさが溢れだす。

苦しくて、
苦しくて、思わず外にでる。
青い青い空の下、
背中を丸めて、がむしゃらに草をむしる。
目の前のものだけを見据えて、
延々と・・・・


どのくらい経ったのだろう。
気がつくと、
悔しさも、悲しさも、
いつの間にか乾いてた。
この風に持っていかれたのか。
それとも、
あの緑に吸い込まれたのか。

立ち上がって、伸びをする。
見上げた空の、
そのあまりの青さに、
再び、涙がこぼれ落ちた。


わかっているのにつらいのだ。
わかっているから悲しいのだ。



返信____希望をもって

2010-05-09 15:04:05 | 雑感
みちのおわったところでふりかえれば
みちはそこからはじまっています
ゆきついたそのせなかが
かえりみちをせおっている

でももどりたくない
もっとさきへ
あのやまをこえてゆきたい
たとえまいごになっても

まぼろしのように
うみなりがきこえます

もういっぽまえへでれば

そこはきりぎしのうえなのでしょうか

     ____谷川俊太郎「みち 6」____




     ::::


三木清は、『人生論ノート』の中で、
希望について____
「人生は運命であるように、人生は希望である。
運命的な存在である人間にとって生きていることは希望を持っていることである。」
と言っています。
なぜなら、
人生においては、何事も偶然であり、しかしまた必然であって、
偶然のものが必然の、必然のものが偶然の意味を持っているが故に、
人生は運命であり、
そして、希望は運命のごときものであるのだからと。




     深い必然を持ったものほど
     偶然に思えるもので、
     その偶然を大切に
     そして、いかせるよう、
     心のゆとりもって、
     道を歩んで行って欲しいものです。



また

2010-04-30 22:12:27 | 雑感
昨日はなぜか息切れ、疲れでポーッ。
そして、今日も朝から疲れた感じで、
やることはたくさんあるのに、どうも動けず一日ダラダラ。
肝臓関係の本を読んだせい?



   ::::



毎年、この季節に、
一年に一度。
もうそろそろだと、今日、夕方電話をする。

Mさんが亡くなっていた。

突然のことに思わず絶句。
「今度、ピアノコンサートをしましょうよ」
コーヒーを片手に、おっしゃった、
去年のあの穏やかな笑みが、
20年、いつも変わらぬ微笑みが、
今、消えたり出たりしながら、ずっとワタシの前にある。


一年後とは言わず、
明日のことさえわからないのが人の生。
それは、ワタシとて同じこと。
それは、決して不思議なことではないはずなのに。


また、来年。
また、明日。
またね。
またの不確かさを思い入る。



夜、久しぶりに、ピアノを弾いた。























冬もどり

2010-03-10 15:01:02 | 雑感
    少年が 大きなスコップを持って
    土を掘る仕草で道に突きさす
    舗装の道は スコップをはね返して
    ガジン と
    背を向けた冬を呼び戻す

    弾き返されても
    掌に唾をつけて掘っている
    跳ね返る硬質の音の虚しさにつき当たる迄
    少年はスコップを突くのだろう

    自転車をとめてひき返す
    「わたしと一緒に畑においで」
    少年は石ころをスコップの先でころがして
    仕草だけは止めそうにない
    「わたしと一緒に畑においで 土を掘って 花の種をうえよう」

    少年がにぎりしめている
    スコップの力強さに
    答える畑があったか

    できあいの春をかざって
    いつの間にか大人の顔に変わっていく事を拒絶する
    少年のスコップを突く音が
    冬よりも凍みる寒さでおいかけてくる

           ___保坂登志子「冬もどり」___




      ::::




三月というのに、昨日も今日も、
絶え間なく雪が落ちてくる。
春は遠のいたのかと、
外に出て、両手でそっとすくってみる。

その重さに、思わずたじろぐ。
二人分の悲しみの重さよ。


それは、いつも突然にやってくる。
と、思ったのはワタシだけ。
それは、いつもキミの中で、
絡まりながら、ぐるぐるあったもの。


この重さに耐えねばと、
伸ばした腕に、ぐっと力を入れ、
あの言葉を、奥歯で噛みつぶす。

明日も、あさっても、
そうして、
いっそ、ずっとずっといつまでも、
この名残の雪が、降り続けばいいと思う。


これが、春の近さというのなら。








フレデリックからキミへ

2010-02-18 20:31:06 | 雑感
「めを つむって ごらん。」
「きみたちに おひさまを あげよう。ほら かんじるだろ、もえるような きんいろの ひかり・・・・」
四ひきの ちいさな のねずみたちは、だんだん あったかく なって きた。
これは まほうかな?
「もう いちど、めを つむって。」
フレデリックが、あおい あさがおや、きいろい むぎの なかの あかい けしや、のいちごの みどりの はっぱの ことを はなしだすと、みんなは、こころの なかに、ぬりえでも したように はっきりと いろんな いろをみるのだった。
                     



冬のためにフレデリックが集めたものは、
トウモロコシや木の実、小麦やわらじゃなかった。
寒くて、暗く長い冬のために集めたものは、
光と色と、言葉。




      ::::




目をつぶってごらん。

夢、魔法、冒険、出会い、自分、歩く、しなやか、命、深い、愛、美しい、心、自由、問う、勇気、やさしさ、祈り、希望、生きる、探す、つながり、想い、ありがとう。



光と色と、そして言葉。
23の言葉ををキミに贈るよ、
冬の日に。
    




You were born

2010-02-08 18:11:06 | 雑感
朝方、不思議な夢を見た。

戸が開いた。
誰かが入ってくる。
声を出そうとするが出ない。
枕元に立ったキミは、
わずかに微笑んでいた。




     ::::



夢を反芻しながら歩く。
先日の大雪は、まだたっぷりとした丘陵を作っている。
朝の光を受けた、連なる雪の起伏の上は、
青や緑や橙のガラスのかけらが散乱しているようで、
全くもってうつくしい。
きらきら、きらきら。
光るその中で、
今にも、何かが生まれそう。

You were born



吹雪のあとにやって来る「ひかりの素足」。
三十の悲しみと
三十の苦しみ。
そして、
三十の喜び。




     きさらぎはひかりの林
     みなゆきて光の創を負ひてかへれよ
          ___雨宮雅子___

海をわたる

2010-01-02 11:42:20 | 雑感
舟は出港した。
光る冬の海に。
直に見えなくなると思ったが、
その舟は、沖合に出ることができず、
すぐそこで漂ったまま。

行く先はわかっているのに、
航路がわからないでいる。

羅針盤がないのだ。

ワタシは、それを渾身の力で投げてみるのだが、
どうにも届かない。

ああ、前途は多難。

いや、いいのだ。
それがなかった時代の人々も航海していたではないか。
北極星を頼りに。

でも、悪天候で見えないときは?
その時は、
ただただ、海の上でじっと立ち止まっていればよいのだ。
身をかがめ、嵐が過ぎるのを待つしかない。

こんな小舟ではすぐに転覆してしまうよ。
それはもう、
運。
天に任せるしかないのだ。



        ::::


    愛することは
    海をわたることだ
    空を南にかたむけて
    水尾の行く手へ
    たわんだまま
    はるかなものと
    なってわたることだ
    ひとはかがやかしくて
    ゆえに告げおわる
    香料の未明へ
    翻る蹄鉄を
    墓はひそかに埋めもどし
    荒廃のまえの
    さいごのやさしさとなって
    愛することは
    海をわたることだ
        ___石原吉郎___






その舟が、
行きつ戻るつしながらも、
この海を渡りきるのを信じ、祈りながら、
ワタシも、
また、ひとり海を渡り始める。




冬を歩く

2009-12-23 15:24:10 | 雑感
眠れない夜を過ごし、
朝を待たずに家を出た。
凍える寒さの中に、
どうしても、身を置きたかった。

寒さに耐え、
冬を歩きたかった。



    ::::


「右のものは、左のものがわからない」
と、キミは言う。

確かにそうなのだろう。

滴るほどに吸い込んだ苦悩や寂寥は、
決して、誰にも見えはしない。

でも、
覚えていてほしい。

その重さを知っているものがいることを。
両の手で、
受け止めているのものがいることを。
陽がでて、
いつか乾くと信じているものがいることを。


長い暗闇の中、
模索の旅を続けるキミを想い、
足元だけを見つめて、
ワタシは、黙々と歩き続けた。
夜が明ける前に、
どうしても、長く歩きたかった。

暗さに耐え、
冬を歩きたかった。