税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

債務免除と期限経過欠損金

2013-06-03 07:40:24 | 法人税
債務免除益と期限経過欠損金

[設例]
Aは甲社(Aが100%株式所有)に対し、貸付金212,610千円を有し、このままだとこの貸付金が相続財産となり、相続税の負担が多くなるので、甲社を清算することとした。
●納税地:東京
●決算期:5月
●平成25年5月31日現在の貸借対照表
資産:10,575千円
負債:212,610千円
純財産:-202,034千円(資本金:10,000千円、繰越利益:-212,035千円)
●青色欠損金(前7年)の繰越額:8,196千円

解散決議を5月31日に行い、その後、資産全額を債務の弁済に充て、残債務を債務免除し清算結了した場合の課税関係

解散から清算結了までの期間の損益は債務免除益の202,034千円のみとする。

1、課税所得
202,034千円-8,196千円=193,839千円

2、法人税
8,000千円×15%=1,200,000円
185,839千円×25.5%=47,388,940円
法人税計 48,588,900円

3、復興特別法人税
48,588,940円×10%=4,858,800円

4、都民税
48,588,940円×20,7%=10,057,900円

5、事業税
4,000千円×2.95%=118,000円
4,000千円×4.365%=174,600円
185,839千円×5.78%=10,741,400円
事業税計 11,034,000円

6、地方法人特別税
計算過程は省略するが、8,194,200円となる

税額計(2から6)82,733,800円

法人税法の改正により、清算所得に対する課税が損益法となったため、債務免除益が課税所得を構成し、以上のように多額の税負担が生ずることとなる。
このままでは、相続税の対策どころではない。
しかし、心配しなくてもよい方法がありそうです。次回、説明します。

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