同性のパートナーを殺害された名古屋市の男性が、事実婚の配偶者には認められる「犯罪被害者給付金」を不支給とした愛知県公安奢貝会の裁定取り消しを求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁は8月26日、「同性事実婚」を認めず請求を退けた一審判決を支持、男性側の控訴を棄却した。
現行の法体系では「婚姻」「配偶者」は異性間の関係のみを意味し、被害者給付金の支給範囲に同性同士は含まれないとした。
原告の内山さんと弁護団は記者会見し、判決を不服として上告すると表明。
内山さんは「パートナーを殺された悲しみが(異性同士の場合と)同じでも、社会的意識が足りないから駄目だというなら、これは差別ではないか」とのメッセージを出した。
永野裁判長は判決理由で、婚姻や配偶者に同性間の関係を含めると解釈するのは困難と指摘。
犯罪被害者の同性パートナーも事実婚に当たるとの内山さん側主張に「そう解釈しなければならない社会的状況は認められない」と述べた。
その上で、同性パートナーを異性パートナーと異なる扱いをすることは立法目的によって許容され、害一法違反とは認められないと結論付けた。
一方で、同性パートナーを異性婚姻関係と同視する社会的意識が醸成されれば、給付金支給で異なる扱いをすることが立法府の裁量権の逸脱とされる可能性があると述べた。
(判決骨子)
- 男性の控訴を棄却する
- 現行の法体系では「婚姻」「配偶者」は異性間の関係のみを意味し、同性問の 関係を含むと解するのは困難・犯罪被害者の同性パートナーを、事実婚と同様の事情にあったと解釈しなければならない社会的状況にはない
- 犯罪被害者給付金の支給対象となる事実婚の範囲に同性同士は含まれない
- 同性パートナーを異性パートナーと異なる扱いをすることは立法目的によって許容され、憲法違反とは認められない
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