国連本部で開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は最終日の5月22日、中東地域の「非核化」をめぐる各国間の対立を解消できず、最終文書案を採択できないまま閉幕した。
5年に1度開催される会議が決裂したのは2005年以来。
約190カ国が加盟するNPT体制の結束の弱さが露呈した。
同日夕の全体会合では、米国、英国、カナダの3カ国代表が演説し、中東非核化問題に関する国際会議を来年3月までに開催するなどとした文書案の文言に異議を唱えた。
文書採択は全会一致が原則で、文書案は自動的に不採択となった。
文書案は、国際会議の主催者を国連事務総長と規定。
事実上の核保有国であるイスラエルを含む「中東諸国が非核化地帯創設を法的に拘束する条約の締結を目指す」とし、イスラエルの友好国である米国などが反発していた。
議長から各国に提示された最終文書案は、日本が提案した各国指導者の広島・長崎の「被爆地訪問」について中国の反対で削除された代わりに、「核兵器の影響を受けた人々や共同体の経験を直接共有する」ことを各国指導者らに促していた。
核軍縮に向けた「効果的措置」を検討する作業部会を国連総会に設置するとの表現も盛り込まれた。
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